3日目  その2  ドゥガの遺跡を見学



  思ったより時間がかかって、2:30ごろようやくテブルスークの町に着いた。ここで昼食。テブルスークはとても小さな町で特に

見るべきものもない。ドゥガの遺跡に行くために寄るようなところだ。町で唯一のホテル、H.ドゥガのレストランに入ると、すごい

人!みーんな観光客で、イタリアとかドイツとか、2〜3カ国の団体がわんさか。このレストランくらいしか食事の出来るところが

ないからここに集中してしまうらしい。とても賑やか。

  料理は、トマトと玉ねぎを細かく刻んだものをドレッシングで和えたサラダと仔牛のローストだった。シンプルなものだったが

味は悪くなかった。デザートはスイカだったのだが、これがエラクおいしかったのだ。とっても甘い!例の長細いスイカだろうか。

  バスでドゥガの遺跡へ。途中、道路を羊の

群が横断。うぉー、羊だぁ。何だかとっても羊

の群を見るのが好きなので、妙にはしゃいでし

まった。
道路を横断する羊の群




  遺跡には10分くらいで着く。ドゥガの遺跡

には神殿が多く、アフリカで最も大きなローマ

の遺跡らしい。


  料金所のようなゲートでガイドさんが入場券を買い、そのままバスで入っていく。

  着いたところは大きな円形劇場の前。さっそく感動。保存状態が結構よくて、なかなか立派。舞台に並んだ柱がギリシャの神殿

を思わせる(ギリシャにはいったことがないので想像だが)。丘を利用して作ったという観客席もキレイに残っている。一番下の半円

形の床はオーケストラボックス。舞台の縁にある半円または四角の窪みには噴水や像がしつらえられていたという。席は一番低い辺

りは貴賓席でほかのところより幅が広くゆったりしている。上に行くにしたがって1等、2等となっていき、席の違いの違いを示す

石が置かれている。客席は全部で19段、高さは15m程もあるとのことだが、舞台の上で普通に話している声が客席の一番上でも聞き

取れるという音響のよさ。実際に上がって見ると、確かにガイドさんの声がよく聞こえる。もちろん訳してくれるNさんの声も話の

内容がちゃんと理解できるくらいよく聞こえる。また、客席からは舞台の向こうに広がる広大な景色が見渡せる。これも計算された

もの。観客が舞台上で行われる劇などだけでなく、美しい眺めも同時に楽しめるように、もともとあった丘を利用してここに劇場を

築いたのだそうだ。本当にいい眺めだ。

段上の客席から見た舞台

向こうに広がる大地の眺めがまたすばらしい

舞台と半円形の段状客席

とにかくすばらしい眺め!

  劇場を出て道なりに歩いて行くと、大きな神殿

「キャピトル」が見えてきた。その手前にある開けた

場所は風の広場という。キャピトル寄りの床に大き

な円が描かれていて、そこにチュニジアに吹く12の

風の名前が刻まれていることから風の広場と呼ばれ

ているとのこと。広場の、キャピトルとは反対の側

には市場の跡がある。ブラ・レジアの遺跡で見たの

と同じように、低い石垣があって、ひとつひとつの

商店が並んでいた様子が伺える。どんな風な商売を

していたのだろう?

劇場からキャピトルへ向かって歩いて行く


  キャピトルはまさにギリシャの神殿のよう。太く高い4本の柱の上に

三角の破風がついた立派な正面だ。キャピトルというのは、多神教である

ローマの神、ジュピター、ジュノー、ミネルヴァの3神をまつった神殿の

ことだ。一般的にキャピトルはフォーラムに面して立てられている、とい

うか、キャピトルの前にはフォーラムがあるものなのだが、このドゥガの

遺跡では、スペースの関係か、例外的にフォーラムがキャピトルの脇にあ

るのだとのこと。

  三角の破風の下、各柱の付け根のところには人の上半身と大きな鳥の

レリーフがあるが、これはワシが皇帝を背に乗せて不死の世界へ運んでい

く様子を描いたものだとのこと。

キャピトル

なかなかきれいな状態で残っている

三角の破風と太い柱がギリシャの神殿ぽい


  オリーブ畑の間を抜けて、ちょっとハズレのほうへ行くと、カルタゴの豊穣の神タニットをまつったカエレスティス神殿が

ある。柱が残っているだけなので、まぁ、面倒な人は別にわざわざ来なくてもいいかなという感じもする。

  近くに井戸がたくさんある。下は繋がった水道になっていて、その基となる貯水場のあとが近くに見られる。貯水場は地下に

トンネルのような大きな管をいくつも並べたようなもので、山からここまで水をひいていたのもすごいが、こんなキレイな管を地

中に造ったのもすごいとビックリ。

  貯水場の右手にはアレクサンデル・セヴェルスの凱旋門がある。この構造もすごい。門はアーチになっているのだが、内側上部

はもちろん円形で、でも外側全体は四角になるように切ったいくつかの石を並べることで門が出来ているのだ。言葉で説明するの

は難しいが、とにかく立派なもんだ。


  フォーラムの辺りに戻って、今度は住居跡を見に

行く。いくつもの住居跡があるのだが、なんのための

建物なのかまだ判っていないという一際大きな建物の

跡がある。奴隷の売買が行われていた場所だとか有力

者の家だとか、病院だとか諸説あるようだが、有力な

のは病院説、また、ハーブや薬草を栽培していたので

は?と考えられているとのこと。

  トンネル状の通路を抜けるとリキニアの浴場に出

た。ここも、冷水浴場やサウナの完備された立派な浴

場で、モザイクがある。壁の下1/3を大理石の化粧板で

覆っていたりと、とても豪華だったらしい。


手前の広いところが、その住居跡

入口の四角い門だけが残っている

  そこからちょっと下って、トリフォリウムの家を見に行った。トリフォリウムというのは四葉のクローバーのことで、この家の

ある小部屋に四葉のクローバーの形が記されているためそう呼ばれている。この家は売春宿であったと考えられているらしい。入口

を入ってすぐのところに受付があり、お金を払って階下に下りる。下にはパティオを囲むようにして小部屋が並び、女性を選んで各

部屋へ…とのこと。だが、劇場へ観劇に来た人たちが宿泊するためのモーテルだったという説もあるとのこと。というのも、もし

ここが売春宿だったら、すぐ上にあるリキニアの浴場から入口が丸見えになり、奥さんが旦那さんの浮気に気づく可能性があるの

で、そんなところに売春宿があるわけはないという説があるため。更に、いや、トリフォリウムの家のすぐ横にあるキクロプスの

浴場から秘密の通路があり、男性たちは妻に見つかることなく売春宿へ入ることが出来たのだ…など、諸説乱れているようだ。ど

れが本当なのかということより、そういういろいろの話がとっても面白く、もっと他の説があってもいいのになぁとまで思ってし

まった。

  その後、バスへ戻る道で寄った、12人がけのトイレには笑った。これもまた、談話の場所だったのだ。お風呂が社交場であった

というのは、裸の付き合いということで解らないでもないが、何故に、トイレに12人一緒に入るのか。臭い仲は強い絆で結ばれるの

か?母と2人で座ったところを写真にとってもらった。強い絆で結ばれた仲なので。


  遺跡見学は最高に面白かった!

  陽射しが強烈で暑さは半端ではなかったが、ほどよい風のおかげで比較的爽やかだったので本当に助かった。青い青い空に、

遺跡の石壁や柱が映えてきれいだった。