2013年1月19日 学習会『消費税増税はストップできるか!?』 講師:太田義郎愛商連会長
               

太田義郎さん(愛商連会長)の話(2013.1.19)中心点の記録

                              メモ:鈴木正廣

・今の世の中不思議なことが次から次におこっている。自民、3年前に滑り落ちた自民党が、今回は票を200万票減らしたのに180議席が増えた。民主党は2000万票減らした。その内1000万人は選挙に行かなかった人。あと1000万人は、維新の会、みんなの党、未来の党に1000万票。自民党の候補者は、脱原発・だんまり、消費税増税も、まだ増税は決まっていないといって当選した。原発賛成といって当選した人はいない。TPPも反対といって当選している。だから当選している自民党も勝ったという意識もあまりない。脱原発、TPPもこれから、消費税増税もこれから、と言って当選した。自民党もまた、民主党みたいになる可能性もある。だから、多くの議員連中はおっかなびっくりの状況。国民を無視して動くことは出来ない。たぶん、民主党は復活しないと思う。いま57議席しかない。280300近くあったのが57に減ったのです。とにかく大変なことだ。したがって、国民の民意を無視して、国民世論がどこにあるかということ。金曜日になると、国会周辺のデモがある。首都連合のお母さんたちには10万人集める力がある。ポスターも作った。共産党が日立つように考えた。最初3000枚、それが30万枚になった。だけど、当選した議員は原発推進ばかり。生活保護の人、毎週水曜日に国会デモをやっている。この国民世論を無視できない。そういう時代になっている。ネット時代、ツイッター、いまラインをやっている若者は4100万人いる。

・昨年の夏の国会で、「税と社会保障の一体改革」といって8本の法律をきめた。みんなが知らないうちに、2012年の国会で、「受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立」ということをきめた。同時に消費税を2014年に8%15年に10%にする。これはいったいどういう事か、例えば、後期高齢者の受ける利用費の総額が5兆円だとすると、後期高齢者の人が支払っている保険料が1兆円、あと高齢者の人が4兆円払うということ。均衡というのは、みんなが払う保険料で医療費を賄うということ。新聞で報道されていたが、静岡の事例のように月に7万円も増える人がいる。所得が400万か500万の人の場合、介護保険料を含めると、保険料だけで100万円超える。税金は別、生活費にあまり使えず、貧困層になる。例えば、国保料を払えない2割、それが4割くらいになる。保険制度崩壊になると、我々は思う。しかし、政府はそう思わない。なぜか、健康保険制度が崩壊すると、喜ぶ人がいる。だれが喜ぶか。生命保険会社は喜ぶ。なぜか、健康保険料を払えない人は、クズだ。そんな人は、どうなってもいい。健康保険料を払える人が国民のなかで6割ぐらいいる。生命保険会社が、今の様な健康保険制度のようなものを作ればもうかる。民間の保険会社の顧客は膨れ上がる。国民が払う保険料はすごい金額。アメリカの企業、日本の生命保険会社が「ウハウハ儲かる」時代がくる。アメリカはいま、4500万人は無保険の人。いま日本で保険証を取り上げられている人はまだわずかだが、多分、無保険が1500万人ぐらいに膨れると思う。生活保護費のうち、40%は医療費なのです。生活保護費の半分は医療費です。したがって、これも削ることができる。

・つぎに、このように法律で書いてある。「家族相互及び国民相互の助け合いを通じて実現」、これ、きれいな言葉なので誰も疑問に感じない。ぶっちゃけた話をすると、「介護が必要なお年寄りは、女性が全部面倒見なさいということ」である。家族相互でやると、旦那の嫁が、兄弟が面倒を見るということ。そういう法律をきめた。家族ができない場合は、「地域社会で国民相互の助け合いで」面倒をみる。だから、NPO法人が沢山出来てきている。高齢者の面倒をみる形のNPO法人が「バンバン」出来ている。政府や豊橋市は、ほとんどなにもやらない。本当にどうしようもない人だけを、「やる」ということ。これが、税と社会保障の一体改革の中身なのです。社会保障に消費税がまわっていくと、能天気にいっている人がいるが、消費税は社会保障に一円も使わないということを知らないのです。

・かつて、自民党は、無駄な公共事業をやった。大企業むけに山ほどお金と税金をつぎ込んできた。補助金という形で、ミットランドのビル84億円。その横のルーセントタワーも80億円程の補助金。なぜか、都市再開発という法律をつくったため。新しい都市、プラブトコンビュターの都市、世界の中で激しい競争、社会が動いている。

・我々は、消費税なしで国家運営はやれると言っている。三菱重工が飛行機を作っている。ここに莫大な補助金が出る。愛知県の予算で最先端の事業に補助金出すことを決めた。県議会で。国民は全然知らないだけ。

・地域の住民のためにお金を使う。例えば、租税特別措置という法律に基づいて、217500億円、これを全廃すれば21兆円増える。すこしカットするだけで35兆円税収があがる。配当金の税金、トヨタ自動車が、中電の株をもっていると、その配当の税金はゼロ、無税です(*1)。個人が受ける配当には税金かかるが、法人には無税。法律がそうなっているのです。おかしな租税制度が沢山ある。

・柳井さん、資産が8000億円ある。一年間で5080億円の配当金がある。10%の税金。所得税は最高税率35%1億円所得があると、14%ぐらいに下がってくる。金持ちほど、そういう制度が作ってある。証券取引税10%をせめて20%にすべきだ。税金のがれのためアメリカに住所にうつし、日本で税金を納めていない竹中平蔵のように、フランスの大資産家は、税金の安いロシアへ次々といっている。大資産家への増税を少しやる。軍事費も少し削れる。無駄な公共工事、これらをやれば、11兆円程度でてくる。そんな無理なことを言っているのではない。消費税でも、輸出戻し税をやめれば2兆〜3兆円でてくる。

 

・ 安倍さんは消費税を引き上げるために印刷機で1万円札を大量に刷って、景気回復しようしている。そうすれば、円は安くなる。株は上がる。輸出産業は儲かる。国債を52兆円、借金をすることになった。徳山ダムつくったが、なんにも使い道がない。発電所もない。農業用水を目的に昭和27年にきめたもの。無駄な公共事業でもうかったのは土建会社だけ。

・下請工賃は上がるのか。上がると思いますか?上がるわけがない。パート代、イオンのガードマン1日6500円、働く人の給料が上がると思いますか?上がらない。物価だけ上がる。モノは売れない。それだけでなく医療費、介護、年金は大変なことになる。名古屋の5つの市民病院は、2つになった。豊橋は1つ、維持する保障はない。名古屋市は、金持ちの陽子線がん施設を250億で作った。

・インフレになって、国民はどうなるか。いま国民の預貯金は1500兆円ある。夫婦で学校の先生の場合は、67千万円の退職金があると思う。1円の貯金もない人もいるが、しかし2割くらいは、沢山、お金をもっている。この15年間、利息は増えていない。1300兆円が1500億円になったのは、利息で増えたのでない。金利5%ならば3000億円になっている。だれが盗んだ。大企業は260兆ふえた。インフレになれば、一年間に30兆円減る。10年で、300兆円、国家が盗むことになる。戦前、戦争で国家がやった。同じことを安倍さんはやろうとしている。この政策でよいのかという事。

・それでは、展望はあるのか。1/1の中日新聞の社説を読んだ人はこの中にいますか?中日新聞は、脱原発、国民中心主義といっている。われわれが言っていることと同じことをいっている。中小企業憲章を是非考えてほしい。豊橋の行政と交渉して、豊橋の中小企業振興条例づくりをしてほしい。 愛知県はつくった。大変よい条例になった。愛知県の職員が愛商連の事務所にきて、懇談した。中小企業を育成する責務が愛知県にある。第4条にある。その他の「条文」もいろいろと書いてある。名古屋市にも、「格調の高いものを作れ」と言ってある。ぜひ、豊橋でも作ってほしい。

・豊橋は風が強い。あれは銭になる。東三河の山でチップ工場を作って燃やせば、そのエネルギーで、業者の仕事も増える。農業、地産地消、大規模に出来ないか。ぜひ、やってほしい。豊橋市に大掛かりな、農業と林業、中小企業が連携してやることを考えてほしい。シンポジウムをやってほしい。地域循環型経済を考えてほしい。(石油を買って)アラブにお金がいくのではなくて、豊橋にお金が落ちるようにしていくようにする。そういう経済をつくらないと。地域循環の経済、その政策をどう創るか。考えてほしい。

・東三河には、海が、風が、山がある。この自然をどう使うのか、ぜひ考えてほしい。地域住民と一緒になって、脱原発、TPP阻止、それをやるのが我々だ、ということ。東京に頼るのでなく、自分たちで考える、そういう社会を創っていこう。これが、いま全商連が考えていること。

<質問時間>

・今日話したことは、「学習」しないとわからない。

TPPについて、最大の問題は、1企業が不利益になった場合、政府損害賠償の裁判がおこせる。現実に北米自由貿易協定(注2)は、TPPと同じような協定を、メキシコとカナダ、アメリカの3力国で作っている。PCB(注3)という有害物質がある。アメリカでは合法、ところが、カナダ政府はPCBを禁止している。アメリカの1企業がカナダで事業が伸びないのはカナダのPCB禁止法律があることで大損害を受けているから、といって、カナダ政府に裁判を起こした。その結果、カナダ政府は、その企業に賠償金360億円支払った。メキシコが、産業廃棄物を埋め立てするときに産業廃棄物の内容と有害物質が無いことを証明しない限り、メキシコ政府、自治体は禁止している法律がある。アメリカの産廃業者が提訴した。判決はアメリカの会社の勝利です。261億円、その自治体は賠償金を支払った。とすると、なにが問題か。原発を日本で禁止した時に、アメリカのウェスティングハウスやGE、ウラン鉱を採掘している企業が日本政府を相手に裁判をおこした場合どうなるか、賠償することになる。日本の法律は、TPPに加盟した時に、日本の法律や憲法よりもアメリカ基準の方が優先順位が上になる。裁判に訴えることが出来るようになる。現実に、アメリカの企業の勝利になっている。同じように食品添加物もそうです。ポストハーベスト(注4)もそうです。そうすると、地産地消運動というのは崩壊する。なぜか?地元を優先するという法律は自由貿易に反するからです。例えば、地元で登録している業者、地元に本社のある業者でしか、リフォーム工事はできないという条例を日本中で作っている。それは、「自由な競争を阻害する」ということを提訴された場合、自治体はまず100%敗北する。TPPというのは、実は、そちらの方が中心であって、農業問題というのは一部分の問題なのです。もちろん農業は決定的です。決定的だが、実はTPPは農業問題ではないということです。憲法と国民の主権にかかわってくる問題である。なぜか?それは力関係にある。榊原英輔という、財務官僚、いま大学の先生をやっている人。その人いわく、日米関係は、米8割、日本2割。アメリカには共済会制度はない。日本の共済会は17兆円の市場。日本がTPPに加盟すれば、共済会はつぶされる。また郵便局を保護するようなものはアメリカに勝つことはできない。そうすると、軽自動車だけ税金が安いというのは、日本しかない。排気量により税金が決めている制度は崩壊する。アメリカは軽自動車を作ってない。日本の生活は一変する。こうしたことは「学習」するしかない。

注1 法人の場合の配当収入は、「配当の利益不算入」という特例があります。つまり、会社が配当を貰う場合には、法人税法上、利益として取り扱わなくても良いのです。ただし、この取り扱いは配当を支払う会社の発行株式の25%以上を、6ヵ月以上所有している法人に限ります。つまり、所得比率が高い会社は配当を貰っても法人税が課税されないのです(配当は、消費税も課税されません)。また、所有比率が25%未満であっても、配当収入の50%利益不算入とされます。これは、配当は税引き後の利益の処分という性格を持つ、二重課税ということで特例を設けているのです。

注2 北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement、頭字語:NAFTA)は、アメリカ、カナダ、メキシコの3国で結ばれた自由貿易協定である。199212月に署名し、1994I1日に発効した。

注3 ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、絶縁性、不燃性に優れており幅広く使用されてきたが、昭和43年に発生したカネミ油症事件などをきっかけに生体・環境への影響が明らかになり、昭和47年に製造が中止されている。

注4 ポストハーベスト農薬は収穫後の農産物に使用する殺菌剤、防かび剤などのこと。ポストとは「後」、ハーベストは「収穫」を意味する。日本では収穫後の作物にポストハーベスト農薬を使用することは禁止されている。しかしながら米国をはじめとする諸外国から輸入されている果物等は、収穫後に倉庫や輸送中にカビ等の繁殖を防止するために農薬が散布されることがある。