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美都の起業経営奮闘記〜新米ビジネスウーマンの挑戦 Vol.1
2003/5/3
http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm
by
佐成美都
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《今日の格言》
「計画を持て。長期の計画を持っておれば、忍耐と工夫と、
そして正しい努力と希望が生まれる。」
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電通第四代社長、吉田秀雄さんの有名な言葉。
計画好きな私の大好きな言葉です。
経営者だけじゃなく、どんな人にもそのまま当てはまる。
私たちの人生は、岐路と選択の連続だから。
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《創刊のご挨拶》
はじめまして。
佐成美都です。
ご登録ありがとうございます!
このマガジンのバックグラウンドについては、
ホームページに創刊準備号が掲載してありますので、
まだご覧になっていない方はぜひ一度目を通してみてください。
⇒ http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm
簡単におさらいしますと、
私は現在ボストンでMBAを取得中。
近日中に卒業し、日本に帰国した後は、
友人の建築家とともに設計事務所を始めます。
秋には株式会社として本格的にスタートする予定です。
6月からは日々の葛藤・進展をリアルタイムでお伝えできると思いますが、
今月は、起業を前にして私が考えていることや、
パートナーである建築家の友人との、
起業・経営についての議論などをお届けする予定です。
ナマの話を楽しみに登録したのに!という方は、
ぜひ6月まで根気強くお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます!
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《ビジョン》
こう言うといかにも新しい会社のビジョンを語り始めそうだけど、
実はまだそれって考えてないんだよね。(笑)
だってそういうことは、実際に商品を作る立場のパートナーと
メールじゃなく直接話し合いたいじゃない。
でも今日はここで、ビジネスを始めるに当たって、
ビジョンを考えることがどんなに大切かを考えてみたい。
MBAに留学して、学校で何度か泣いたことがあるんだけど、
(美都、涙もろい・・・)
初めて泣いたのがこの「ビジョン」に関する授業を受けたときだった。
なぜかって?
感動したの!
ソニーが50年前に掲げていたビジョンを読んで。
(英語でごめんなさい。でも日本語バージョンを見つけられなくて・・・)
Become
the company most known for changing
the world-wide poor-quality image of
Japanese
products
すごくない?すごくない?
何がすごいって、「有言実行」したことだよ!
おそらく1950年代、戦後間もない日本の製品は
今では予想もできないほどひどい品質だったんだろうな。
そしてソニーは目標を立てた。
「Made
in Japan」のイメージを完全に変えてやる!って。
でもって・・・結果は言うまでもない。
「Made in
Japan」は、今では世界のどこへ言っても、「高品質」の代名詞!
ソニーは一企業としてその名を世界に轟かせただけじゃなく、
「Made in
Japan」という国レベルでのイメージに、
本当に貢献したよね、きっと。
美都は感動した。
一企業が、そんな大それた目標を立て、そして実現したこと。
誰も信じないであろうどん底の時代に、未来を見据え、そして実現したこと。
そしてその瞬間、美都は自分が日本人であることを、誇りに思った。
心から、拍手を送りたい。
ソニーだけじゃなく、戦後の日本で頑張ってきた、多くの働く人々に!
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その授業で読んだハーバードビジネスリビューの記事によると、
ビジョンには二種類あって、「Core
Ideology」と「Envisioned
Future」。
前者は、その企業の存在意義。コア・バリュー。
後者は、長期的な目標、ゴール。
いくつか例をあげてみると、前者の存在意義では:
ディズニー「To
make people happy」
(人々をハッピーにする)
3M「To solve unsolved problems
innovatively」
(未解決の問題を創造的に解決する)
後者の長期的目標では:
ホンダ(70年代)「ヤマハをつぶす!」
スタンフォード大学(40年代)「西のハーバードになる」
一言で言って、どれもわかりやすい!!
やっぱりね、ビジョンは簡潔明瞭さが大事だよ、うん。
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どんな小さな会社でも、これは絶対に考えてみるべきだと美都は思う。
それがどう役に立つかというと、
まず存在意義(コア・バリュー)は、
決断に迷ったときに「今」進むべき方向を教えてくれるはず。
そして長期的なゴールは、その企業がどこに向かっているのか、
長い目で見た方向性を示している。
企業が大きくなればなるほど、
組織を一つにまとめて集合体を同じ方向に向かわせるglue(のり)の役目として
そういうビジョンは欠かせないと思うんだけど、
たとえ小さな会社だって、そして会社じゃなく単なる個人の人生だって、
「何のために今、存在し」そして「将来はどうなりたいのか」を
はっきりとわかりやすい言葉で表しておくことは
絶対に役に立つはず。
前述の記事でも言っていた。
どんなコアバリューを持つかより、コアバリューを持つことが大切。
どんなビジョンを掲げるかより、ビジョンを掲げることが大切!
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これから起業を考えている人も、
すでに会社を経営している人も、
あるいは一学生のあなたも、
ちょっと腰を落ち着けて、紙とペンを前にして、
考えてみよう。
(もちろんコンピュータでもいいけれど、たまには手で書いてみては?)
注意事項は、
最終的な「コアバリュー」と「長期ビジョン」を書くときには、
たくさんたくさん書き連ねないこと。
わかりやすい言葉で、簡潔に書きましょう。
じゃないと、すぐ忘れちゃうし、二度とその紙も見ないかも。
前述の「ビジョナリーカンパニー」たちのように、
誰にでも簡単に理解できて、簡単に覚えられるものの方が
絶対インパクトがあって、そして達成の確率も高いと思うな。
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ちなみに、私が現時点で自分の会社についてどう考えているか。
パートナーとはまだ話し合っていないけれど、
自分なりに漠然と考えていることはある。
例えば、日本ていう国は土地がないよね。
だからこそ、建築が他の国とは違う存在意義を持てると思うの。
空間をどう活かすか。
これは日本の建築の大きなテーマの一つなんじゃないかと思う。
(建築の専門の方、偉そうなこと言ってすみません。)
米国に来るといつも思うけど、
土地があるってのはいいよね。
だって「広い」ってだけで人間、なんかゆったりした気分になるじゃないの。
でも日本はその恩恵を受けにくい。
よっぽどお金があるか都会から離れたところに行くなら話は別だけど・・・
建築で、そういう土地の無さの欠点をカバーできたらなぁと思う。
少しでも、小さな部屋・家に暮らす日本の人々が、
空間を楽しみ、空間に癒される生活ができるようにお手伝いができたらなぁと。
どうやら私のパートナーは空間設計のエキスパートらしいので、
そのあたり、かなり期待している。
彼はきっと、日本の建築を変える。(マジだよ)
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最後に、
本当に真剣に自分の会社のビジョンを考えてみたいという方のために
参考までに前述の記事から、50年代のソニーのビジョンをお手本として
ここに全文掲載させていただきたいと思います。
英語で申し訳ないですが、ぜひ読んでみてください!
そしてぜひ、
いかにソニーがその言葉通りにこの50年を歩んだかを感じてください!
ちなみに正式には(この記事によると)コア・イデオロギーの中に
「Core
Values」と「Purpose」の二種類あり、
Envisioned Futureの中に、
「BHAG (Big, Hairy,
Audacious Goal)」と「Vivid Description」の
二種類、合計で四種類のビジョンがあります。
Core
Ideology
Core Values
- Elevation of the Japanese culture and
national status
- Being a pioneer - not following others; doing the
impossible
- Encouraging individual ability and
creativity
Purpose
- To experience the sheer joy of innovation and
the application of
technology for the benefit and pleasure of the general
public
Envisioned Future
BHAG (Big, Hairy, Audacious Goal)
-
Become the company most known for changing
the world-wide poor-quality
image of Japanese products
Vivid Description
- We will create
products that become pervasive around the world...
- We will be the first
Japanese company to go into the US market
and distribute directly...
-
We will succeed with innovations that US companies have failed at
- such
as transistor radio...
- Fifty years from now, our brand name will be as
well known as
any in the world... and will signify innovation and
quality
that rival the most innovative companies anywhere...
- "Made
in Japan" will mean something fine, not something
shoddy.
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発行者
: 佐成美都
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《編集後記》
♪小さな会社を経営している立場の人と話していてよく感じるのは、
「MBAで学んだことなんてこんな小さな組織には通用しない」
という類の抵抗。
でも、そんなことはないと思う。
適用方法を多少工夫する必要はあっても、
基本的な概念は共通することだと思う。
たとえビジネスの世界じゃなくても、
ビジネスコンセプトを応用することは可能だし、役に立つと私は信じている。
♪ところで、日本にいるパートナーとちょっと具体的に仕事の話を始めたら
どうやら彼は私に営業をしてほしいらしい。
ほら、どんな会社も最初はとにかく仕事を受注することが第一でしょ。
でもねーMBAを出て外回りの営業じゃー話にならない。
それじゃー私の能力を活かせないってば。もったいない。
もちろん、ベンチャーでそんな悠長なこと言ってられないのはわかるけど・・・
でも方法はあるって。(解説は後日)
♪ブッシュ大統領が戦闘終結宣言をしたにもかかわらず、
米国の経済はどうもまだまだ停滞が続くような気配・・・
MBAの就職率・初任給も非常に低水準を漂っておりますが、
ところで日本の景気ってどうなんでしょ?
二年もボストンにいると、日本の日々の生活観(感)が全く見えないからねー
♪というわけで創刊号をお届けしました。
長いことお待たせしてしまった皆さん、お待ちいただきありがとうございました。
6月からはかなり内容が(というか書き方が)変わるかもしれませんが、
末永くお付き合いくださいますよう、心からお願いいたします。
♪それではまた来週・・・
元気にステキな一週間をお過ごしください!