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美都の起業経営奮闘記〜新米ビジネスウーマンの挑戦 Vol.3
2003/5/18
http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm
by
佐成美都
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《今日の格言》
「人の一生は重荷を負いて遠き道を行くが如し」
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徳川家康の言葉。
そんなに悲観的にならなくてもいいじゃーん!と
思わず微笑んだ美都でした。(笑)
でも、そういうもんなのかなぁ・・・
ただ、どの重荷を背負うか、そしてどこを目指すのか、
それを自ら選択さえできれば、人間は幸せなのかもよ。
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今日のメニュー
(1)初めての方へのご挨拶
(2)「美都と営業」
(3)「人と組織」
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《初めての方へのご挨拶》
はじめまして。
佐成美都です。
ご登録ありがとうございます!
このマガジンのバックグラウンドについて簡単におさらいしますと、
私は現在ボストンでMBAを取得中。
近日中に卒業し、日本に帰国した後は、
友人の建築家とともに設計事務所を始めます。
秋には株式会社として本格的にスタートする予定です。
6月中旬からは日々の葛藤・進展をリアルタイムでお伝えできると思いますが、
それまでは、起業を前にして私が考えていることや、
パートナーである建築家の友人との、
起業・経営についての議論などをお届けする予定です。
ナマの話を楽しみに登録したのに!という方は、
ぜひもうしばらく根気強くお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます!
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《美都と営業》
前号で「美都は営業が苦手」と書いたところ、
読者の方からいろいろとご質問やご意見をいただきました。
けっこう皆さん営業というトピックに興味があるんだなぁと
改めて思い知らされたので、
今日は最初に少しだけ営業の話をしてみたいと思います。
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私は営業向きではない、と本人は思ってるんだけど、
(その理由は後ほど)
新入社員時代には、
2ヶ月の営業研修で新人50人中1番になったことがある。
どうやったかって?
飛び込み営業をさせられたんだけど、
とにかく、基本としては「売る気がない」ように振る舞ったかなー
新人であることをはっきり告げ、調査に協力してほしいと言い、(それは事実)
その日は本当にその時点で帰る。
何日かしてから、その調査のときの情報を元に
「もしご興味がおありでしたら」と言ってパンフを持っていき、置いてくる。
また何日かしてから、「近くに来たもので」と寄ってみる。
ま、基本的にはこんな行動パターンでしょうか。
ようするに、その地区の担当になりましたーという顔をして、
何かお手伝いできることがあれば、という姿勢で親しくなる。
新人だから難しいことはわからないし、営業しなくちゃいけないわけじゃなく
まずは勉強させてください!という低姿勢で、気に入ってもらえるように。
一番工夫が必要だったのは、「何度も訪問する」ための言い訳。
人間はやっぱりね、よく顔を見る人にはだんだん心を開くものなのよ。うん。
だから何としても顔を覚えてもらうのが営業マンとしては第一歩かな、と。
簡単そうに聞こえるかな??
でもこのときは、大企業のブランドが背後にあったから多少は楽だったのかも。
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実は、前述のような控えめな方法じゃなく、
すごい執念のこもった押しの強い営業の話を美都は一つ知っている。
美都の親が経営する会社にやってきた某大手通信機メーカーの営業マン。
彼は、うちの親が何度「忙しい」「用はない」と冷たく断っても
決して笑顔を絶やすことなく、そして繰り返し足を運んでいた。
何度怒鳴ってもへこたれないこの営業マンに、
最後はうちの親が根負けし、
結局全ての通信機の交換を彼に依頼することに。
ここまでは営業魂の美談なんだけど・・・
数年後、美都が通信機関連の仕事をするようになったとき、
親の会社のリースの値段を見てビックリ!
とんでもなく高級な通信機がとんでもない高額で契約されていた!
ま、うちの親があまりにもそういう「機械」に疎いのがいけないんだけど、
その営業マンがその状況を逆手にとって
完全に自分の思い通りに契約をしてしまったことは明らかでした。
その時点で初めてその無謀な契約に気付いたうちの親が
そのときの営業マンを探して電話をかけたのだけど、
彼はなんとどこぞの支店長にまでなっていて、
そして電話口で彼を責めるうちの親に一言、「法には触れていません」とな。
ひゃー!と思ったねー美都は。
その当時、美都は自分自身が冒頭の飛び込み営業をしていたから、
営業とは何ぞや!?といろいろ考えさせられちゃったよ。
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美都には日本一の営業マンの友人がいる、と先週書きました。
この友人と、そして前述の「法には触れていない」営業マンの二人を見て、
美都はつくづく自分が営業マン向きじゃない、と思うのよね。
自分の体験からしても、常識から考えても、
営業って基本的に他人のネガティブな反応にかなりの免疫が必要でしょ。
特に飛び込みだと、知らない人に怒鳴られることしばしば。
根気と根性の世界だよねー
ま、経営だって根気と根性だって言ったら何でもそうかもだけどー
美都は基本的に社交的じゃないから営業が苦手、と言ったら
ある人に「社交的じゃなくて経営者が務まるか」と言われたんだけれど、
そこはちょっと違うと思うんだよねー
営業では、知らない人のネガティブな反応を見続けるとしても、
普通、経営をしていたら、よっぽど融資のお願いでもして回らない限りは、
そうそう知らない人のネガティブな反応を処理し続けることはないでしょ。
知ってる人のネガティブな反応なら、まだ理由を考えれば納得もいくだろうし
ポジティブに活かす自信もあるんだよね。
それに、基本的に美都が目指す経営は、
社内の人間をどう一つのゴールに向かわせるか、という部分。
つまり、美都はどちらかというとCEOよりCOO向きかな。
社外社交より社内実務、ってとこね。
(CEO
= Chief Executive Officer, COO = Chief Operating Officer)
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どんな仕事をしていてもストレスやプレッシャーはあると思うけれど、
人それぞれ、処理が得意なストレスと苦手なストレスがあると思うのね。
耐えられる苦痛と耐えられない苦痛とでも申しましょうか。
ほら例えば、冒頭の格言を見てふと思ったのは、
同じ60kgの人を背負ってあげるにしても、
それが最愛の女性のときと見ず知らずの人の場合では
気分が全然違うじゃないの!(笑)
そういう意味で、美都は営業的苦痛にはあまり強くないと感じている。
経営的苦痛には・・・う〜ん、まだ実体験がないだけに何とも言えないけれど
少なくとも自分の親の経営する姿を見て育った中で、
自分が生きる道はここだなぁとずっと思ってきたからねぇ。
多少は免疫があると思うんだけど・・・
ま、その結果は今後のお楽しみ、というところでしょうか。
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《人と組織》
パートナー(建築家)が、私の帰国を待たず、
自分で社員を雇うと言い出しました。
設計を手伝ってくれる人がほしいらしい。
美都は一言だけアドバイスを。
「人間性で選んでね。技術は教えられるけど人間性は教えられないから。」
パートナーに冷たく言い返されました。
「そんな余裕はない。仕事がデキる人を取るに決まってる。」
う〜ん。
確かにねー
ちょっと美都はMBAの机上の空論を反省しました。
やっぱり中小企業と大企業では同じようにいかないからねー
ノンキに人材教育する暇も金もないわけだし。
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それでも、「人」の大切さは絶対!
例えば、ベンチャーキャピタリストに投資の決断の決め手を聞くと、
1にマネジメント、2にマネジメント、34がなくて5にマネジメント
という答えが返ってくるのが普通。
別の言い方をすると、
ピカ一のビジネスアイデアに二流のマネジメント(人)の組み合わせと
ピカ一のマネジメントに二流のビジネスアイデアの組み合わせの二種があって
どっちを選ぶかと言ったら
ほとんど全ての投資家は後者、ピカ一のマネジメントに賭けるでしょう。
あるいは、先週のアウトソーシングの話をしてくれた会社の副社長さんに、
理想的なアウトソーシング先(パートナー)を尋ねたとき、
彼の4つの答えの中に「良い文化・人」という項目はあっても
「コスト」とは一言も言わなかった。
それだけ、「人」次第。
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でも・・・
これから組織を作っていくときに考えるのは、
前述のように、余裕がないとそうそう良い人材は雇えないよねぇ?
「正しい人を正しいポジションに!」とは在学中何度となく聞かされたけど、
そんな余裕は数十人単位の組織ではまず無理でしょ・・・
もちろんそれが理想的なのはわかってるんだけど。
というわけで、美都が一番力を注ぎたいのは、
優秀な組織づくり。
「システムづくり」と言ってもいいかもしれない。
例えば・・・
「You
get only what you
measure」計測するものだけを得る。
つまり、お客様からの苦情を減らしたいなら、
まずはお客様からの苦情を数えろ、ってことね。
どんな苦情がいつどうして誰のせいで来るのか。
それをモニターして初めて、減らそうという力が生まれる。
あるいは、苦情が減った分だけボーナスを出すとか。
努力した分だけ努力が認められるシステムなら、社員のやる気も全く違う。
そういう風に、人の能力を引き出し、生産効率や精度を上げるシステムは
経営者が一から作ることができる。
そこが、美都の腕の見せ所でしょ!
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ちなみにこれは、ビジネス以外の世界でも活かせること。
例えば、タバコの本数を減らしたいなら、
まずは一日に何本吸っているのかを数えるところから始まる。
体重を減らしたいとき、
毎日測って表に書き出してみると効果は全然違う!
(理想は起床後と毎食後の計4回測って記録する。これマジで利くよ!)
出費を減らしたい人も、
実際にいくら使っているのかを記録せずに減らすのは大変でしょ・・・
そうやって、自分のために自分で「システム」を作ってみると
自分という限られたリソースも全く違う働き方を始める。
効率が良くなり、生産性が上がり、結果の質も変わってくる。
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個人という一人の「組織」ならシステム作りもそれほど難しくはないし
実行も本人次第。
でも大きな組織になればなるほど、
システムを作り組織の方向性を決める人の責任と実行力が問われます。
ここで「人」と「組織」についてもっと知りたい!という方に
美都の愛読書を一冊ご紹介。
堺屋太一さんの「組織の盛衰 〜 何が企業の命運を決めるのか」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569568513/mitosanari-22
日本の歴史の中で大きな盛衰を経験したいくつかの組織をとりあげて、
(豊臣家、帝国陸海軍、日本石炭産業などなど)
何が成功、衰退の要因かをわかりやすく語っています。
また、組織とは何か、組織とその構成員との関係など、
組織を指揮する立場の人にも、構成する立場の人にも、
ぜひとも読んでほしい一冊です。
マジでねー
この本を読み始めたとき、美都は美容院で髪を切ってたんだけど、
美容師さんに「ごめん、ちょっと集中してるから話しかけないで!」って
思わず言っちゃったほどだった!(笑)
何となくタイトルは難しそうだけど、
「組織」っていう恐ろしい物体のヒミツ、
コントロールが効いているときの相乗効果と
コントロールを失ったときの加速する悪循環の方式などなど、
ほんとに面白い内容が盛りだくさんなので
ぜひぜひ通勤の合間にでも読んでみてください!
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最後に、今日の格言にまた戻りますが、
家康のこの言葉は
「急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし」と続いています。
一人の人間の一生を見ても、
一つの組織を見ても、
何事も成し遂げるには時間がかかります。
そして、いつも最高のリソースに恵まれるとは限らない。
というより、いつも何か足りないのが普通です。
でも、そういう限られた状況の中で、
少しでも物事を上手く転がすように、工夫することはできる。
経営、あるいは人生戦略も、
ないものを嘆く暇があったら
今あるもので、どうやって少しでも成果を上げるかを考えるべきだ!
美都のパートナーがどういう人を雇ったのかはわかりませんが、
その人が自然に発揮するであろう「2」の力を
社内のシステム・経営法で「5」にするのが美都の仕事。
頑張らなくっちゃ!
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発行者
: 佐成美都
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《編集後記》
♪まだこのマガジンは始まったばかりですが、
読者の方から「参考になります!」「楽しみです!」という
励ましのお便りをいただいて美都は本当に感激です!!
現時点では、まだ美都が予定していた内容(リアルな日記)を
全く書けない状況なんですが、
今書いている「理想論」と後日書くであろう「現実」とのギャップを
皆さんにお楽しみいただけたらなぁと思う今日この頃でございます。
末永くお付き合いくださいませ。
♪つい先日、ここボストンでベンチャー投資家の方とランチしてきました。
と言っても別に資金融資をお願いしてるわけじゃありません。
ただのお友達です。
彼に、「今ってどれくらいのリターンを期待されてるのかな?」と聞いたら
「マイナスじゃなければOK。5%あったら超優良!」とのこと。
米国も相当不景気だよねぇ・・・ほんと。
♪ちなみに、彼に面白いサイトを教えてもらいました。
米国のビジネスの様々な統計を集めたサイトなんだけど、
例えば業界ごとに平均の利益率が何%だとか、
最も安全・危険なビジネスの種類などなどを数字で見せてくれます。
日本でのビジネスにしか興味のない人でも、
ちょっとは参考になると思うよ・・・ ⇒ http://www.bizstats.com/