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美都の起業経営奮闘記〜新米ビジネスウーマンの挑戦 Vol.4  2003/5/25

       http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm by 佐成美都

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《今日の格言》
 
 「時間の使い方の最も下手な者が、まずその短さについて苦情を言う。
  明日はなんとかなると思う馬鹿者!
  今日でさえ遅すぎるのだ。賢者はもう昨日済ましている。」

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  美都の父の最大の教えは「時は金なり」でした。
  子供の頃からそのポリシーを叩き込まれ、
  おかげで美都は「時間管理の達人」と呼ばれてきました。
  恋愛ではそのせいで苦労することの方が多いけど・・・(笑)
  ビジネスでは絶対に武器になる。

  時間。あなたは上手に使っていますか?

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今日のメニュー

 (1)初めての方へのご挨拶
 (2)読者メール その1
 (3)読者メール その2:「経営の勉強」
 (4)「時間の達人」

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《初めての方へのご挨拶》

はじめまして。
佐成美都です。
ご登録ありがとうございます!

このマガジンのバックグラウンドについて簡単におさらいしますと、
私は現在ボストンでMBAを取得中。
近日中に卒業し、日本に帰国した後は、
友人の建築家とともに設計事務所を始めます。
秋には株式会社として本格的にスタートする予定です。

6月中旬からは日々の葛藤・進展をリアルタイムでお伝えできると思いますが、
それまでは、起業を前にして私が考えていることや、
パートナーである建築家の友人との、
起業・経営についての議論などをお届けする予定です。

ナマの話を楽しみに登録したのに!という方は、
ぜひもうしばらく根気強くお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます!

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《読者メール その1》

たくさんの方からメールをいただき、本当に感謝感激でございます。
今日ご紹介させていただく1通目は短いのですが
とっても嬉しかったので!

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> いつも楽しいメルマガをありがとうございます。
> 情熱がほとばしる文章、テンポのよさ、美都ワールドなギャグ、
> とてもおもしろいです。
> 熱い人情と合理性を持ち合わせた、賢き人。
> そんな人かなと勝手に想像しています。
> 家康の名言、僕も好きです。 
> 美都さん、これからも楽しいメルマガを書いてください。
> 帰国後の会社つくりがんばってくださいね。(^^)

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ありがとうございます!
ギャグを言ってるつもりは全くないのですが・・・(笑)
でも「美都ワールド」なんて言って頂けると本当に嬉しいですね!

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《読者メール その2:「経営の勉強」》

次のメールは、起業に関連しての質問です。

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> 第3号で「人」の大切さについて語っていらっしゃいましたよね。
> 実は、わたしも今お付き合いをしている彼に
> 2人で何かを立ち上げようとお誘いを受けています。
>
> 彼は、アメリカの大学で経済を学び、
> 現在コンサルタントとして世界中で働いております。
> 一方、わたしの方は、経済とは全くの畑違い。
> 現在、フランスの大学でフランス文学の修士課程に在籍している者です。
> 経済の「け」の字も知らない身です。
>
> そんなわたしに彼は、経済に興味を持ってもらおうと
> 色々と手ほどきを見せてくれるので、
> 世の中の事を知れて面白いな〜と少しずつですが、関心を持ち始めました。
>
> 彼にいつもわたしでは役不足になってしまうと伝えているのですが、
> やはり彼も美都さんのおっしゃるように、「人」が一番大切だと言うのです。
>
> まだ2人とも若いので失敗をしてもやり直せるはず。
> わたしも彼と2人で何か作り上げたいと思っています。
>
> ここで美都さんにお聞きしたいのですが、
> 今のわたしにできる「経営の志」のための勉強は何ですか?
> 今手探り状態です。
>
> PS>レストラン業に興味アリ。

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実はこういう悩み・疑問を持ってる人ってけっこういるのかも。
何か自分でやってみたいけど、何をしたらいいのかわからない、とか。
どこから手をつけたらいいのか・・・とか。

結論から言って、
全ては自分の「興味」からスタートするものだと美都は思います。

どんなビジネスに着手するのかわからないからあくまでも一般論ですが、
例えばアカウンティング、マーケティング、セールス、人事、などなど
どんな(タイプ・規模の)事業にも必要な知識はたくさんあるわけで、
全部勉強したかったら私のようにMBAのような勉強をするんでしょう。
でも、興味がなかったら、
どんなに必要と思ってもなかなかやる気が出ないでしょ?

だからやっぱり、
自分が本当に面白そうだな、と思えること、
自分はコレに向いてるかも、と思えるものから始めるべきだと思います。

その後で、また新しい世界が目の前に広がってくるだろうし、
新しい出会いもあって、全く別のことに興味が出てくるかもしれない。

もちろん、こんなことは余裕があるから言っていられること。
本当に必要に迫られていたら、選ぶ余裕はないもんね。

でも、お便りの方はどうやらまだ余裕がありそうなので、
やっぱり自分の興味から入っていくべきだと思います。

例えばフランス料理のレストランに興味があるなら、
今流行っているレストランについて調査してみるのもいいじゃない?
そういう身近なところからが一番始めやすいはず。

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もしも、まずは「経営とは何ぞや」という核心から始めたいなら、
『MBAマネジメントブック』をオススメします。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478970440/mitosanari-22

真剣に読むとちょっと難しいかもだけど、さらーっと目を通して、
その中で興味のある分野を見つけたら、
次はその分野についての専門の本を読んだり
セミナーに行ってみたりするといいかも。

ちなみにこの本は7部に別れています。
1)経営戦略
2)マーケティング
3)アカウンティング
4)ファイナンス
5)組織・人
6)情報技術
7)ゲーム理論・交渉術

「問題解決や意思決定のためのビジネスバイブル」
「ビジネスのカベを突き破る手法が身につく」というサブタイトルは
ちょっと大げさかなぁーとは思うけど、
MBAに留学する前に読んで、それなりに勉強になったし、
図解が多かったり、見開き2ページで1項目が簡潔するので
そういう意味ではとっても読みやすくてオススメです。

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このお便りの方が「経営の志」を学ぶには、とおっしゃったので、
ついでに美都の愛読書である松下幸之助さんのこの一冊もご紹介!
ま、ほんとにこれは「志」の部分であって、
実務的ではないかもしれないけど、
どんな人にも、人生で一度は読んでほしい一冊です。

『道をひらく』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569534074/mitosanari-22

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最後に、恋人同士や肉親で事業をしようという状況について一言。
正直なところ、美都はあんまり賛成じゃないんだよね。
親しいが故の難しさがたくさんあるだろうし、
喧嘩別れしたら一番辛い相手でもあるじゃない?

そう言いつつも、
実は美都も親の会社のことは将来的に何とかしたいと考えているし、
同じくMBAの恋人が起業したら、そっちとも何かしちゃうかもしれない。
でも、もし選択できる余裕があるなら、
「親しい」「気心が知れてる」という理由だけで選ぶのはどうかなぁと思う。

もちろん、「人」は先週も書いたように大切で、
「一緒に働きたい」と思える人と仕事をするのは大切だと思う。
でも、「親しい友達とは金の貸し借りをするな」というのと同じことで、
本当に大切な人とは、お金やビジネスの絡む状況は避けた方が「安全」かもよ。
もしも、その人との個人的な関係を大切にしたいなら、ね。

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《時間の達人》

まずは経営の神様、ドラッカーの言葉から。

「成果をあげるための秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である。
 成果をあげる人は、もっとも重要なことから始め、
 しかも一度に一つのことしかしない。
 それは、貢献を行うための時間よりも、
 行わなければならない貢献のほうが多いからである。
 行うべき貢献を分析すれば、当惑するほど多くの重要な仕事が出てくる。
 時間を分析すれば、真の貢献をもたらす仕事に割ける時間は
 あまりに少ないことがわかる。いかに時間を管理しようとも、
 時間の半分以上は、依然として自分の時間ではない。」

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「忙しい」「時間がない」という言葉を一度も口にしたことがない人って
そうはいないと思うのね。
美都も実際よくそう言うし。

でもドラッカーが言っているように、私たちの人生って、
したいこと、しなきゃいけないことの方が、
それを実際にできる時間よりもはるかに多いのが普通でしょ。

特に経営者の立場を考えたら・・・
いつ時間ができるのか、難しい問題だよ。
というか、暇になったら逆にヤバいよね。(笑)

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美都の個人的なMBAでの収穫の一つは、
自分が「時間管理の達人」だと確信できたこと。

MBAでは本当に日々勉強に追われ、多くの人が文句ばかり言っている。
時間がない、時間がない、と。

でも美都は常に「計画」し、それを「実行」してきた。
そのおかげで、確かにすることに追われつつも、
最低限すべきことはきちんとこなしてきたし、その結果にも満足している。

周りを見ていてつくづく思ったのは、
ほんとに時間の扱いが下手だなーって。
無駄なことにたくさん費やしてしまって、
本当に大切なことをする時間がなくなってしまう。

ドラッカーが言うように、
優先順位をつけて、大事なことから一つずつ処理していくしかないのよ。
でも、その優先順位の付け方も、処理の仕方もみんな下手。

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ある人が言いました。
経営者ってのは、限られた時間の中で結果を出すプロだ、と。
そして、
他人の時間(リソース)を使って
自分の(組織の)目的を達成するのが仕事だ、と。
だとしたら、自分の時間(リソース)も満足に管理できなくて、
他人のそれを管理できるわけないよねぇ?

そういう意味で、まわりのMBA学生を見ていて、
全員がリーダーを目指して勉強をしていながらも、
本当に成功する人はやっぱり数少ないんだろうなぁと
感じずにはいられませんでした。

もちろん、時間の管理だけが成功を決める全てじゃないだろうけどさ。
事業に必要なことを並べていったときに、
(人・カネ・コネ・アイデア・技術、などなど)
ほとんどのものはある程度は人工的に?増やすことができるけど
時間って全ての人に同じだけ与えられていて、
お金を費やしても自分の時間は増やせないじゃない。

だからその扱い方は後で強烈に大きな差を生むんだよねー

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もう一つ言うと、
前述のように「優先順位」をつけ、
一番大事なことに集中して一つずつ処理する、というベーシックの他に、
その一つをどう工夫して処理するか、という問題もある。
この点もマスターして初めて、
本当に「経営のプロ」と言えるんじゃないかな。
時間をどう有効に、工夫して使えるか、管理できるか、という意味で。

ここでハーバードビジネスリビューの有名な記事を一つご紹介しましょう。
「Management Time: Who's got the Monkey?」
この中では、やらなきゃいけない仕事を「サル」に例えているんだけど、
何が問題かというと、
マネジャーの立場の人は、
部下の背中に乗っているサルを簡単に受け継いで自分で飼育するハメになる。
つまり、管理職の人は
自分の背中のサルのみならず、
部下のサルまで面倒見なきゃいけないことが多いでしょ。
そうやって、緊急だけど重要じゃない「サル」を相手にしてる間に
「ゴリラ」を始末する時間がなくなる、というのがこの記事の指摘。
だからいかに、部下自身にサルを飼育させるか、が「工夫」のポイント。

例えば、
「Monkeys should be fed by appointment only.」
アポなしで「サル」を引き受けちゃダメ。
つまり、できるだけスケジュールを組め、ってことね。
もちろん、お客様相手だとなかなかそうはいかないけど、
社内では、全員がいつもきちんとスケジュールを立ててアポイントも取り、
それに沿って行動するようなシステム作りをしておきたい。
じゃないと、自分の時間が全然計算できないもんね。

例えば、
「Monkeys would be fed face-to-face or by phone, but never by mail.」
「サル」の飼育は電話か対面で。文書はダメ。
ドキュメントは作るにも読むにも時間がかかる。
処理は口頭で、が一番早いし、理解も深い。

例えば、
「Every monkey should have an assigned next feeding time.」
次にエサをやる時間は必ず決めておくこと。
つまり、何事も期限を決めて取り掛かれ、ってことね。
完成の期限じゃなくて、途中経過でもいいから、
何をいつまでにやるのか、それを決めてから取り掛かることは
時間を上手に使うにはものすごく大事なことだ!

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この「サル」の記事の中では、結論として
「Get control over the timing and content of what you do」と言っている。
つまり、何をいつするか、ということを自分で決められるようにすること。

例えばMBAの勉強を例にとると、
チームワークはある程度他人との協調が必要としても、
かなり多くの部分は自分でコントロールがきくよね。
いつ、何を勉強するか。

そういう状況ですら上手にコントロールできない人が、
今度は部下を持つようになって、
四六時中、部下が「これどうしましょう?」って聞いてくるような状況、
つまり自分の時間を部下のためにとられてしまう、
自分のすべきことをいつするか、という点にコントロールが減る状況を、
上手に扱えるわけがないよねぇ?

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というわけで、
起業を目指している人はもちろん、
大きな会社の中で働いている人も、
他人に指示を出すような立場になると予想される人は、
最低限、自分の時間をどう上手に使うか、コントロールするか、
今のうちにしっかり考えて実践しておかないと!

こういうことは一度習慣になってしまえばラクなので、
計画を立てたり物事を順序良くこなすのが下手な人は
今すぐに練習を始めた方が良いでしょう。

学生さんや主婦の人でも、
もっと時間を上手に工夫して使えるようになったら、
人生変わるかもしれないよ〜

実際に美都が今までどんな工夫をしてきたかは・・・企業秘密かな。(笑)
いや、自分にとってはもう自然なことだからさ、
これをしてます、とわざわざ書くのは難しいんだよね。

質問があれば、また詳細をご紹介することもできるかもしれません。

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最後に、前述の「道をひらく」から「働き方の工夫」をお届けして
今日は終わりにしたいと思います。

「働き方の工夫」

 額に汗して働くのは尊い。
 だがいつまでも額に汗して働くのは知恵の無い話。
 日とともに、人の額の汗が少なくなる姿、…。
 そこに、人間生活の進歩の跡が見られるのではあるまいか。

 人より一時間、よけいに働くことは尊い。
 だが、今までよりも一時間少なく働いて、
 今まで以上の成果をあげることも、また尊い。
 そこに人間の働き方の進歩があるのではないだろうか。

 それには創意工夫が無くては出来ない。
 働くことは尊いが、その働きに工夫が欲しいのである。
 額に汗することを称えるのも良いが、
 額に汗の無い涼しい姿も称えるべきであろう。
 怠けろというのではない。
 楽をする工夫をしろというのである。
 楽々と働いて、なお素晴らしい成果が挙げられる働き方を、
 お互いにもっと工夫したいというのである。
 そこから社会の繁栄も生まれてくるであろう。

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《編集後記》

♪時間はお金で買えない、というのは常識だけど、
MBAの起業家向けのコースでは
アントレプレナーにとっては「金は時なり」と教えていました。
お金がないと会社が続かず、その会社の「時間」は途絶えてしまうでしょ。
なるほど、そういう意味ではお金で時間が買えるんだ、と納得。

♪ところで、皆さんは「シックス・シグマ」って聞いたことある?
米国のマネジメントの間では超「旬」なトピックなんだけど。
もし日本での採用例などをご存知の方がいたら、ぜひ教えてください。

♪景気の話。
米国ではイラクとの戦争の後、好転することが期待されていたけど、
どうやら4月の結果はかなりひどかったみたいだね。
アジアは例のウィルスのせいで最悪の状況だし、
なんだか世界的に相当に厳しい状況に入ってしまったみたい。
こういうときこそ差をつけるのは「体力」。
ビジネスの世界だけじゃなく、個人の人生をとってみても、
苛酷な状況で生き残れるだけの「体力」を
いつもちゃんと準備しておきたいね。       

♪もうすぐ5月も終わりですねー
ちょっと米国からの帰国が延びてしまったので
来週も米国からお届けします。
どうぞ充実した1週間をお過ごしください!