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 美都の起業経営奮闘記〜新米ビジネスウーマンの挑戦 Vol.8  2003/7/6

       http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm   by 佐成美都

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《今日の格言》
 
      「つまづいたって いいじゃないか 人間だもの」

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  敬愛する相田みつを氏の名言。
  
  ちなみに美都は「人間らしい」人が好きです。
  自分もその一人だと思うし・・・・・詳細は本文にて。  

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今日のメニュー

 (1)はじめに
 (2)読者メール:その1
 (3)読者メール:その2
 (4)近況報告
 (5)読者メール:その3

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《はじめに》

前回のマガジンで、長年の夢?だった設計事務所の経営の話がパーになり
突然まったく違うところで経営に携わることになった経緯を
さらっとご紹介しました。

その後、たーっくさんのご意見メールをいただいております。
すごいです。驚きました。
何がって、やっぱり反応っていろいろなんですよねー

ちなみに簡単に分けると、
女性−−>すごい!がんばって!
男性−−>何か違うんじゃん?大丈夫?
という反応です。
面白い!(笑)

当然、私の説明が足りなかった部分もいろいろあるようなので、
今日は読者の皆さんからのメールをいくつかご紹介しながら、
もう少し、私の考えについてご理解いただけたらなぁと思っております。

起業や経営に興味がある方にも、
参考にしていただけたらなぁと願いつつ・・・

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《読者メール:その1》

私が発行している他誌を含めて愛読者でいらっしゃる男性読者の方より。

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> サラリーマンに出世はあっても成功はない。
>
> パートナーの仕事の経営でもなく、
> ある会社の経営のサポートをするのでもなく、
> 自分自身の会社を起業してみたら?
>
> 自分の理念に賛同するパートナー達と起業してみては?
>
> 経営コンサルタント的な仕事を自分のビジネスにしたい・・・
> わけではない、ですよね。

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起業するって言ったんだから起業しろよっ!って
思っていらっしゃる読者の方もけっこういらっしゃるのかもねぇ・・・(笑)
でもこれって、何が美都の中でプライオリティーかってことでしょ。

ようするに、
別に「起業」が目的だったわけじゃないもんね。
もちろん、おっしゃるように経営コンサルタントになりたいわけでもない。
でも、目的は「経営」なんだよ、うん。

もうちょっとわかりやすく言うと、
人に指示されず、100%自分の思う通りに会社を経営したい。
う〜ん、99%にしとこうかな。(笑)
どこまでが「経営」なのかはとりあえず置いといて・・・と。

そういう理想を持った人が起業に行きやすいのは、
自分で作った会社でもない限り、
そうそう自分の自由意志で経営させてもらえるような状況はないからでしょ。

でも例えば、世界最大のオークションサイト「eBay」を
ここまで大きくした女社長の場合、
会社を自分で作ったわけじゃなく、
よそから「経営」手腕を買われて引き抜かれたんだけど、
「経営」についてはほぼ全権があったと思う。

そういう状況があれば、美都もわざわざ起業しようとは思わない。
よっぽど、起業しか道が無い、という状況に陥らない限りは、ね。

で、今回の場合、
決して美都は経営の「サポート」じゃないの。
実際、株も半分以上購入しました。
一応、創立者である前社長の意思は継いでるけど、
(別に反対する部分もないしね)
美都はこれからこの会社に世界中の誰よりも責任を感じて(実際に持って)
仕事をしていくつもりです。

というわけで、「サラリーマン」ではないと思うので
成功の可能性も認めてもらえるかしら??

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さて、もう少し書きたいことがありますが、
それは次の読者メールをご紹介してから・・・

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《読者メール:その2》

MBAをお持ちの男性読者の方からのメールです。

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> メルマガを拝見していましたが、今回のメルマガをみて
> 「なんか違うんじゃないかな〜!」て思う気持ちが強くなりましたので
> 失礼とは思いましたがメール致します。
>
> 建築士との共同経営会社をやめたのは正解でしょう。
> 私も以前、何社か共同代表で経営したことがありますが
> 数年のうちに分裂してしまうものですよ。
> 大会社ならまだしも、小さい会社で共同はありえないということでしょう。
>
> 気になる点というのは、「経営」に興味があってプロモートする
> 「商品」を探していた、、、、、、というところなんですが、
> 起業するとか、小さい会社を大きくするとかという世界では
> 「経営」に興味ある者ではなく「提供する商品・サービス」と
> 心中できる者じゃないと駄目だと思うんですよ。
> 「経営」に興味のある人間は起業とかではなく、
> ある程度の中堅企業にかかわるべきではないでしょうか?
> 起業や小さい会社の経営は(商品に対する)熱情と愛情、、、
> 、、だと思うんですよ。MBAとしての知識や手法より前にです。

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基本的にはおっしゃる通りだと思います。
共同経営の難しさについても、
また、商品と心中する覚悟が起業には必要、という点も。

ここでは後者に集中して話を進めますが・・・
特定の「商品・サービス」には興味がなかった、とは言え、
私も決して何でも良かったわけじゃないのよね、さすがに。
やっぱり「大人のオモチャ」の製造・販売じゃ嫌だし。(笑)

建築家のパートナーと組むことに決めてからは、
建築そのものの良さや意義を自分なりに理解し、
愛情を深めようと努力してもきました。
やっぱり、情熱が持てる商品やサービスじゃないと
自分の命かけられないもんねー!

というわけで、「経営」に興味がある人間は
起業ではなく中堅企業に関わるべきでは?というご意見ですが、
もちろんそういうチャンスがあるんなら、そうするべきでしょうねぇ。
その方が「経営」的にも面白み?も多いかもしれないし。
(仕事の複雑さ、という意味でのチャレンジ精神は“より”かきたてられそう)

ただ、私の場合、
経営に興味があるとは言っても、
そう簡単に中堅企業の経営に携われるわけじゃないでしょ?
もちろん、下からコツコツやっていくのが王道なんだろうけどぉー
そうそう忍耐強くもなくぅ(笑)

かと言って、コレを売りたい!という商品やサービスが
現時点で自分の中にあるわけでもない。

それでも「経営」を天職だと思っている私のような人間は、
どうしたらいいんだろうねぇ?

というのが、実は大学時代からの私の疑問でした。

で、新卒で入社した会社で、
けっこう私と似たような思想を持っている男性に出会いました。
彼も、それほど特定の「商品・サービス」に興味はなく、
それでも「自分で」何かしたいと考えていた。
人に指示されず、自分の意志で商売したいと思っていた。

嬉しかったねー自分と同じようなこと考えてる人に会って。
やっぱそういうのもアリだよな、とマジで思ったね。
「経営」で生きてく道もあるよな、ってね。

実際その彼は3年後に「起業」し、今ではけっこうな大きさに成長しました。
今でも、別に自分の「商品・サービス」に強烈に情熱かけてるわけでもなく、
さらに大きなことを始めるための資金・ネットワークづくり、
あるいは自分自身の経験のためにやってる、って感じでしょうか。

でも、人目には「成功」してるように映ってると思う。うん。

何が成功のヒミツだろうねぇ?
それはね、「自分の作った会社に対する情熱と愛情」だと思うのね。

商品や提供するサービス一つ一つはその会社とお客様との接点に過ぎない。
彼はやっぱり、会社そのものに命懸けてるよ。
オレの会社です!って熱意と愛着が痛いほど伝わってくるもん。
で、お客様も、(起業したばっかりの頃の話だけど)
その会社の商品やサービスに惚れて取引してくれるわけじゃなく、
彼自身、そしてその彼が命懸けてる会社に惚れて商売してくれるんだもん。

はっきり言って彼は、商売になりそうなことなら何でもやってる。
すなわち商品やサービスにこだわりを持ってやってる商売じゃない。
でも、彼には彼なりのポリシーがあり、会社としての存在意義があり、
そしてその愛する「自分の会社」に命懸けて商売してる。

だから成功したと思う。
(もちろん運も大きかったとは思うけどさ!)

というわけで、
「商品・サービス」に対する情熱や愛情が重要なのは納得だけど、
組織そのものに対する情熱や愛情でも、経営者として勝負できるのでは?
というのが、美都のこれまでの経験・知識からくる結論です。

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最後にもう一度「eBay」の例を使わせてもらうと、
あの女社長はある意味、美都の中では理想像の一つかもねー
そこそこ経営手腕を発揮したところで、
発展途中の会社に引き抜かれて、その会社を世界一の会社に変えた。
まさに「経営」で生きてる、って感じがするもんね。

美都もねー
ヘッドハンティングされてみたぁーい。(笑)
でもそれには、実績作らなきゃでしょ。

いや、ヘッドハンティングされるの目指すつもりはないって。それ、冗談。
でもね、ようするに、
美都が本当に興味があるのは「経営」であって、「起業」じゃないってこと。
他人が作ったものでも、
自由にプロモートさせてくれて「経営」の面白みがある仕事なら
美都は飛びつくだろうね、ってことかな。

でももちろん、自分の命懸けられる、と思うような「何か」を
そこに見出せなきゃやれないことだろうけど。
それは「商品」「サービス」に限らず、
組織そのものでもいいかもしれないし。
「人」ってのも大いにあると思うし。
まだあなたの知らない「何か」かもしれない・・・

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というわけで、じゃー美都は起業しないのか、と言ったら
そればっかりはわからん。
この先本気で「命懸けたい!」と思うような商品やサービスに出会ったら
一瞬で起業を決意するかもしれん。(笑)

でもほら、そういう商品やサービスなんて考えて見つかるもんでもないし。
これから生きてく課程で、そういうモノに出会ったら、
そのときはまた考えます。はい。

でも今はとりあえず、
自分の意志で「経営」させてくれる環境があるんならそこで頑張る。
「経営者」としての経験も積まないといけないし、
自分の中にもっと確固とした自信も培っていきたいし。

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というわけで「起業」「経営」に関しての皆さんの疑問には
それなりにお答えできたかなぁーと思いますが
いかがでしょうか。

また何でも送ってくださいね。
失礼だなんてことは全然気にしなくていいですから。
このマガジンを通していろいろな方のいろいろな考え方に触れて、
私自身が成長することも、私のマガジン発行に対する期待の一つであります。

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《近況報告》

さて、ここでちょっとだけ美都の昨今のお仕事ぶりについて。

とりあえずマーケットリサーチから始めてます。
小売りをしてるから、会社のホームページを作って
オンラインで販売する方向でまずは考えてるんだけど、
いきなり好き勝手に作るってワケにはいかない。
他社がどんなホームページを持ってるのか。
ネットでどんな商売をしてるのか。
まずは「敵を知る」ことだ!

と、同時に、
オンラインでの販売が始まったときに、
社内にそれをサポートする体制があるのか、ってのも重要なポイント。
例えばさ、今は現場で「作って」「売る」だけで手一杯なのよ。
でも今度ネット上で「売る」ようになったとき、
果たして「作る」方は大丈夫なのか?
大丈夫じゃないっしょ。
スタッフ増やさないととてもムリ。
ま、最初はどれくらいネットで売れるのかも全然わかんないんだけどさぁ・・・

というわけで、考えることは一杯あります。はい。
行動の前にね。

やりたいことは山のようにあっても、
まずは社内にできるだけ波風立たないことから始めたい。
でも結果が早く見えるようなこと。
あんのかな、そんなこと。(笑)

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そうそう、一つ宿題出していい?
美都の中にも答えはないんだけどね。
次回、ちょっと書いてみたいと思ってる話題、「賄賂」。
いや、賄賂って言うと聞こえが悪いけどさ、
例えばクライアントへの接待、贈り物。
あなたはどこまで許せる?

MBAのマーケティングの授業でも2時間使って議論しました。
いや、これ超現実的な話題だって。
現に今のこの会社でも、
取引先の人と飲みに行ってるマネージャーさんがいるんだけど、
もう一人のマネージャーさんはそういうこと大嫌いで、
けっこうそこに対立があるみたいなんだよね。

う〜ん。
難しい問題だ・・・

何かご経験などがあったら、ぜひ教えてください。

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《読者メール:その3》

最後に一つ、とっても嬉しかった励ましのメールをご紹介させてください。
MBAをオンラインコースで取る予定の女性読者の方からのメールです。

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> いつも興味深く読ませてもらっています。
>
> 語り方がとても好感がもてます、
> だって、美都さんはものすごく人間的な方でしょ。
> 感情を持って人間は生きているわけですから、
> アタマだけで全てを判断して、
> 冷血にやっていけるような人間には逆に起業は無理だと思います。
> 起業することは何だか結婚生活をはじめることに似てますね(笑)
> 波乱万丈であるのは当然ですよ。
> いつも頑張れ!って、同じ女ながら応援してますよ。
> ものすごく気持ちがわかりますから!
>
> 体は資本ですから、充分おいしいものを食べて、体を休めてください。
> ストレスがあると、それなりにしか人間は動かないようになってますから。

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いやー嬉しいですねー
何がって、「人間的」って言葉、まさにそれ!!って感じ。

実は美都自身は自分のことを常々そう思って生きてきました。
「人間らしく」生きたい、って。
実際そうしてきたとも思うしね、ここまで。

ちょっとここでご紹介したいのは、
太宰治の「竹青」という作品の中のあるセリフ。

筋書きとしては、中国が舞台なんだけど、
とにかくこの世でうまくやっていくことのできない学問好きの主人公が、
カラスとして幸せな体験をして、
人間の俗的な世界から抜け出そうとするのだけど、
結局、好きではなかった自分の妻に対する哀れみを捨てることができず、
人間であり続ける、って感じかな。

カラスの世界で妻となった女性(=神の使い)が、
最後に主人公に言うセリフです。

  神は、こんどはあなたに遠い旅をさせて、さまざまの楽しみを与え、
  あなたがその快楽に酔い痴れて全く人間の世界を忘却するかどうか、
  試みたのです。
  忘却したら、あなたに与えられる刑罰は
  恐ろしすぎて口に出して言う事さえできないほどのものです。
  お帰りなさい。
  あなたは、神の試験には見事に及第なさいました。
  人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならぬものです。
  のがれ出ることはできません。
  忍んで、努力を積むだけです。
  学問も結構ですが、やたらに脱俗をてらうのは卑怯です。
  もっと、むきになって、この俗世間を愛憎し、愁殺し、
  一生そこに没頭してみて下さい。
  神は、そのような人間の姿を一番愛しています。

「愁殺」という言葉は知らない言葉でしたが、
辞書によると「深く悲しむこと」とあります。

ま、ようするに、
苦しむこと、悲しむこと、愛すること、憎むこと、
それが人間の仕事なんだよ。うん。

自分で言うのも何だけどねー
美都は昔からほんとに「人間人間してる」と思ってるの。
こんなにムキになって生きてる人もそうはいないよ!って思うもん。
(特に今ドキの若い人を見てるとねぇーえー・・・笑)

神の世界を目指してる?親戚には
「アンタはこだわり(執着)を捨てられないから苦しんでる」って
よく言われてきたんだけど、
人間はそうやって創られてるんだって。もとから。

人間らしくて何が悪い!
だって人間なんだもんっ。

みんな、頑張ろうぜぃっ!

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発行者       : 佐成美都 
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《編集後記》

♪男性と女性で、こんなにもキレイに分かれてしまうもんかぁーと
非常に考えさせられた今回のご意見メールの数々。
人間は一人一人いろいろ違って当たり前とはいえ、
「オス」と「メス」という二種類に一般化することが
決して不可能ではないと実感しました。
つまり、男はこう、女はこう、という
二種類の方法論が存在するってことね。

♪MBAの卒業間際に聞いたことで忘れられないのが、
「女の上司は男の上司よりも悪いニュースを遅れて知る」って法則。
つまり、男性の部下が悪いことを上司に報告しなきゃいけないとき、
もしも上司が男だった場合よりも、上司が女だった場合の方が
報告しにくい、ってことらしいのね。
悲しいかな?オンナである美都としては、
よく認識しておかなくてはいけない事実。

♪この世にはオトコとオンナしか存在しません。
あなたは、その事実を踏まえて、
上手くやってる??

♪ちなみに、美都の今の会社。
創設者のオーナー以外、全員オンナなんだよね・・・(笑)
方法論が一つだから簡単でいい??
いやいや、「オンナの敵はオンナ」って、
読者の方がメールをくださいましたよ。
まさにその通りっ!(笑)

♪次回の「賄賂」関連の話。
個人的にかなり楽しみにしている話題です。
もし「これは!」という体験談などがあったら、ぜひ送ってくださいね!

♪それでは皆さん、お体にはくれぐれも気をつけて、
恋に、仕事に、家庭に、会社に、がんばりましょう!
そうそう、美都の風邪はやーっと完治です。
ご心配いただきありがとうございましたっ!