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美都の起業経営奮闘記〜新米ビジネスウーマンの挑戦 Vol.9
2003/7/12
http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm
by
佐成美都
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《今日の格言》
「至上の処世術は、妥協することなく適応することである。」
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この言葉を念頭に置きつつ、本文をじっくりとお読みくださいませ・・・
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今日のメニュー (今日は長いですが、ぜひ最後の章までお付き合いください)
(1)接待
(2)手段を選ばず
(3)近況報告
(4)守るべき一線
(5)人、金、処世
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《接待》
先週予告しましたが、今日はビジネスに欠かせない?賄賂の話題。
まずは、美都の新入社員時代のお話から。
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美都は新卒で、当時「就職人気ランキング」でトップを争っていた
大企業に入社しました。
希望通り「法人営業」に配属になり、
担当の部長に抱負を聞かれたときには、
「○○(会社名)にこの人あり」と言われるようになる!と宣言したほど
希望と意欲に満ちて・・・
そんな美都に、疑問を抱かせるきっかけとなったのは、
実は仕事とは直接関係のないことだった。
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あのねー
実は美都は、ゴルフが超うまかったのね。
親が、プロにしようと思って子供の頃から英才教育をしていたから。
ジュニア時代には全国大会で福嶋晃子ちゃんともプレーしていた。
(当時は勝ってたんだけどね・・・笑)
でね、就職してすぐの頃、
会社の偉い人たちとの懇親会に
なぜか新入社員の代表として呼ばれ、
飲みながら話をしていたときに、
当然?ゴルフの話になったのね。
それである部長さんが、美都に言ったの。
「支社長はゴルフが大好きなんだよ!今度一緒に行こうよ!」
ま、そのときは冗談と受け流していたんだけど、
研修中のある日、突然、研修先で上の人に呼ばれて、
何かと思ったら「本部長から君に電話が入ってる」とな。
めっちゃ驚いたけどさ、
お話としては、
支社長を囲んで、部長たちだけを集めたゴルフコンペがあるんだけど、
それに来いって言うんだよ。
う〜ん。なんか気は進まなかったけどさ・・・(そんなオジサンの集まり・・・笑)
まぁサラリーマンとしては断れないよねぇ?そんなお誘い。
というわけで、新入社員としてはただ一人、
そんなスゴイ会にお呼ばれして、
大企業の支社長(本社では取締役クラス)なんて人とゴルフをすることに。
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いや、やっぱスゴイ人だったよ。
ゴルフが上手いってことは置いといても、
人間的に、ビジネスマンとしても、
そこまで上り詰めた人はそこらの課長さんたちとは格が違うと思った。
(課長さんたち、ごめんなさい・・・)
部長以上の人しかいないような場で、
もちろん女は美都一人で、
「超」場違いな感じはしたけどさー
でも勉強になったよね。うん。
ま、そんな話は置いといて・・・
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でね、なぜか美都は気に入られたの。支社長に。
「いいケツしとる」とも言われたし。(笑)
え?セクハラ?
う〜ん。でもスポーツマンとしては、褒め言葉として受け取っておきます・・・
いつもはマニキュアを欠かさない美都も、
この日はフレッシュマンとしてやめとこう、と思い、素ネイルだったんだけど、
美都の爪を見て、支社長が、
「君は気が強くて、根性もすわっとるな。大物になるぞ。」と言った。
爪でわかるのか??と不審に思いつつ、
まぁ気に入ってもらえたんなら良かった良かった・・・
とここまでは良い話だったんだけどぉー
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その後、気に入られたせいか?いつもその会に呼ばれるようになったのね。
必ず支社長と一緒の組にも入れられたしさ。
そうそう、最初のときから美都の悩みの一つは、
ゴルフが超!うまいとされてるその支社長に、
同じティーからプレーして勝っちゃっていいのかな?ということ。
(ゴルフを知らない方へ:普通、女性は男性より短い距離でプレーするの)
まぁでも、ゴルフが上手いから美都はその場に呼ばれてるわけだし、
素直にやっていいよなぁーと思って、気にせずプレーしてました。
最初はそれで良かったんだけど、(平気で支社長に勝っちゃってた)
ちょっと慣れてきたある日のこと、
支社長が美都に言いました。
「クライアントとプレーするときは、2打差くらいで負けんといかん。」
やっぱそういうもんか・・・
当然と思いつつも、ちょっとショックを隠せない美都でした。
お子ちゃまだったのかしら。
さらに支社長は、ご丁寧に「負け方」の指南までしてくださいました。
ほら、相当に上手いってことが相手にわかってる状況では、
不自然な負け方すると相手に失礼になるじゃない?
だから、不自然に思われないためにはどうしたらいいか、って話。
相手に気分良く勝たせてあげるためのハウツー・・・
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あのねー
美都はねー
それから一人でずいぶん考えちゃったのね。
いや、クライアントに負けなきゃいけない、ってことだけじゃなく、
自分の、その後のビジネスマン人生について。
支社長のあの言い方を聞いてると、
明らかに美都はそれから、
クライアントとの接待ゴルフに連れ出される、ってことでしょ。
美都がゴルフ上手いから?若いから?女だから?
そりゃ美都はねー
そんな美人じゃないけど、
オジサンに好まれるカラダはしてるかも。(笑)
それにキャディーを長いことしてたから、
オジサン受けするしゃべりも知ってるしー
でもさー
美都はそんなことがしたくて会社に入ったわけじゃない!
まして、美都にとっては神聖な?ゴルフで、わざと負けるなんて・・・
スポーツマンシップはどうなるんだっ!!
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実はそんな最中に、美都は配属先の支店と部が決まったんだけど、
配属の前日にたまたま、その支店がある町内会のお祭りがあり、
配属が決まっていた新入社員は全員お手伝いに借り出されたのね。
で、お祭りが無事に終わったあと・・・
その支店には数十人の新入社員がいたのに、
なぜか美都だけ残るように言われました。
で、連れて行かれたのが・・・近くのスナック。
なんと、そこの町内会の会長さんの接待に呼ばれたのだ!
会長と呼ばれるオジサンは美都の隣にベッタリ座り、
デュエットまでさせられたっ!!!
いや、仕事だからさ。(って別に残業代はもらってないけど・・・)
嫌な顔はしないように頑張ったよ?もちろん。
でも、美都は疑問を抱かずにはいられなかった。
自分の、ビジネスウーマン人生に・・・
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この件で美都が考えたことを全部書き始めるとキリがないから
簡単にまとめちゃうけどね。(誤解があるのは承知の上です)
ゴルフのことにしろ、お酒の接待にしろ、
ビジネスに欠かせない要素の一つであることはよくわかっている。
美都もそこまでガキじゃない。
でもね、美都がどうしても納得いかなかったのは、
誰のために、何のためにそれをやってるのかが明確じゃない、ってこと。
つまり、自分の(今まで命かけてきた)ゴルフや「女」という性までをも
武器にして戦っていく中で、
自分が何のために戦ってるのかが見えなかったら、
やっぱりイマイチやる気がしないじゃない?
もちろん、会社のため、って言われたらその通りだろうけど、
その「会社」って、美都が自分のポリシーを曲げてでも賭けるに値する、
そういう会社?
だって美都知らないもん。
その会社が「本当に」何を目指し、どこに向かってるのか。
あまりに組織が巨大すぎて、歴史が長すぎて、
美都にはそこまでのめりこめないもん。
美都はたんなる小さな小さなコマの一つに過ぎなくて。
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というわけで、ここで強引に結論に持ってっちゃうと、
これは「起業」を美都に意識させた大きな出来事でした。
つまり、美都は商売人の娘だし、
「女」を武器に使うのも、絶対反対とは言わない。
使えるものは何でも使うさ。
でもね、それは「自分のゴール」に向かうため、だけ。
誰のゴールだかわかんないような、
自分には何の得もないような、
そんなワケのわからんゴールのために、
体は張れない!と美都は思った。
先週の読者メールでご紹介したように、
小さな会社ってのは商品と心中する覚悟が必要、って言ってたけど、
ほんと、そうなのよ。
その会社と心中できる覚悟が持てたら、
美都は何でもするって。
でも、新入社員のときのその会社には、
やっぱり美都はそこまでの思い入れはできなかったんだよね・・・
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というわけでいろいろ考えて数ヵ月後にその会社はやめてしまった美都ですが、
その話は置いといてー
次に、
じゃー美都は自分のゴールのためにはどこまでするのか?って話。
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《手段を選ばず》
とは言えねー
まだ美都は自分の会社でそこまでやったことないので、
コレは架空の話。
建築家の元パートナーと、将来の話をメールでしていた数年前のこと。
実は将来、彼は国家的なスゴイ建築に携わる野望を持ってるのね。
野望だけじゃなく、けっこう実現の可能性はある、と美都は思ってるんだけど。
で、もしもそのときに、美都が彼と一緒に会社をやっていたら、
当然「根回し」って大事になるよね、って話。(それは彼よりも美都の仕事)
やっぱり政治家が絡んでくると、
コネ作りは欠かせないでしょう・・・
そんな話をしていて、ある日、美都は想像せずにいられなかった。
もし、政治家のオジサンに「君、今夜付き合ってくれよ・・・」
って言われちゃったらどうするか、って・・・(笑)
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いやさー
あくまでも想像の世界だしぃー
ホントにそんなことが起きるかどうか知らないけどさー
でも美都がこの話にこだわってるのは、
そういう状況になったとき、
自分の行動に自信が持てないからなんだよね・・・
というのは、
前述の新入社員時代には、
あの程度のことで疑問を感じていた美都だけど、
これがもしも、自分の会社、自分の社員たちの未来がかかってるとなったら・・・
いやマジで、美都、そんなオジサンと寝ちゃうかも・・・って
一瞬、自分を疑わずにはいられなかったの、マジで。(笑)
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いやぁ〜ん!
そんな脂ぎったオジサンとなんて絶対イヤー!!!
ってもちろん思うけどさ。(笑)
美都はねー 占いするとよく言われるの。
「自分が愛するものは何としても守ろうとするタイプ」
ようするに、自分の身内にはめちゃくちゃイイ人で、
他人には超冷たい、ってタイプらしい。
そんな人が自分の会社を持って、自分の社員たちの人生背負っちゃったら・・・
わからんねー
今の美都にはわかりません。
ホントに体売っちゃうのか、なんて。
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ま、くだらない想像話と言えばそれまでなんだけど。
でも、自分でつくづく思ったの。
やっぱり、自分のゴールのためなら、手段は選ばないタイプかも、って。
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ちなみに関係ないけど、この政治家と寝る話のオチをご紹介。
美都のそんなメールを読んだ元パートナーの返事。
「他の男と寝るようなことは絶対させません。」
う〜ん、「他の男」ってどういう意味??
別に美都はあなたの女じゃないんですけどぉ・・・(笑)
さらに、「僕が扇千景(大臣)と寝ます」だって。
えぇえぇ、ぜひお願いしますぅ〜!
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今日の本題は後半(近況報告の後)に続きます。
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《近況報告》
ホームページ作りを始めた、と先週書きました。
本格的に、いよいよ内容を吟味して、原稿を書き始めました。
WEB制作会社と打ち合わせは始めたんだけど、
やっぱりコピーは自分で書かないと。
って言っても新入りの美都一人では無理なので、
現社員の人から情報をたくさん集めて、
美都がそれを文章にする。
ま、ご覧の通り「書く」のは嫌いじゃないし。(笑)
とは言え、大変だよねー
お客様に何を、どう訴えたら効果的なのか、
そういう専門家じゃないから難しい・・・
でも広告会社の友人にもアドバイスを仰ぎながら、
その辺は頑張っております。はい。
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あとねー
顧客のデータを「データ化」する作業を早急に始めたい。
例えば今まではね、
お客様にいちいち紙に名前と住所とかを書いてもらってたの。
何度も来てるリピーターさんでもね。
でもさ、今はどこでも電話番号一つで顧客データが画面に出たりするでしょ。
そのためには、まずは顧客データを全部入力しなきゃなんない。
ちなみに美都は入力作業でもそこらのプロには負けない速さなので、
ここはアウトソースせずに
自分で夜間などを使って全部入力するつもり。
って言ってもいつ取り掛かれるかはわかんないけど・・・
そのデータさえできれば、そっからできることは無限に広がる!!!
その先が美都の本領発揮なんだよなぁー
やりたいことはいっぱいある!
でもまずは、データ作り。
何と言っても、データは質が命だよ!
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最後にもう一つ、大切なご報告。
実は、この会社の財務諸表を見ていて気になるのは、
会計事務所にすっごい高額な費用を払っていること。
あぁ、こんなにお金かかるんだーって今更ながら目からウロコ。
で、部分的に社内でできることはないか?と思うと、
けっこういろいろあるんだよね。
コンピュータさえ導入すれば、
自分たちでできること。
まぁそれが口で言うほど簡単じゃないんだけど・・・
(社員に誰も、パソコンを持ってる人がいない=使えない・・・)
ま、とりあえずそれは時間をかけて改善していくとしても、
美都が見逃せなかったのは、
会計作業ってそれだけ会社の仕事の中で大きい、ってこと。
で、どの会社にも絶対に欠かせない部分だよね、程度の差こそあれ。
というわけで、自分で公認会計士の資格持ってたら
これ払わなくて済むんだよなーって真っ先に思ったんだけど、
やっぱそれってそんなに簡単じゃないじゃない!
身近で目指してて諦めた人知ってるけど、
日本の公認会計士の資格って取るのめちゃくちゃ大変みたい。
というわけで、「米国の」公認会計士(CPA)はどう?と人に言われ、
ちょっと調べてみたら、まぁなんとかなりそう。
MBAで会計の単位はけっこう取ったし、
内容的にもすでに勉強したことと重なる部分もあるようなので、
まぁアカウンティングの授業は嫌いじゃなかったし、
やってみようかなぁ?という気分に。
と言っても別にCPAの資格で生きていくつもりはなく、
今後、会社のお金まわりのことを、もう少し自分で責任持てるように
知識をつけよう、というのが一番の目的。
でも資格試験がその先にあった方がやる気がでるからさ。
おかげさまでMBAを取ったことと、英語でほとんど苦労がないことで
一般の日本人受験者に比べるとかなり有利みたいなので、
来年4月受験・合格を目指して
これからちょっと頑張ってみます。
仕事しながらだから、大変だけどね。
でも、勉強もともと嫌いじゃないし・・・
って嫌いだったらMBA留学なんて最初からしないか。(笑)
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《守るべき一線》
今日の本題に戻ります。
読者の方からの「賄賂」についての意見としては、
やっぱり、商売には「必要悪」だよね、ってこと。
特に日本では・・・そうなのかも。
今の会社でも、
仕入先の業者さんと飲みに行ったりすることはよくあるみたい。
そうすると、すごく急ぎでお願いしたいときとか、
その人に直接電話すると、わがまま聞いてもらえる。
そういうやりとりって、絶対どこにでもあるよね?
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でも、MBAの授業で題材に使った例ではねー
前任者が突然亡くなって、ある日あなたが引き継ぎのプロセスなしで
取引先に新しい担当者として出向きました。
すると、取引先の社長が一言
「前の人は取引のたびに現金$5000くれてた」と。
前任者はすでに亡くなっていて、
当然残っている資料の中にそんな情報があるはずもない。
その取引先はあなたの会社にとっては非常に重要なポジションを占めている。
さて、あなたならどうする?
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ま、細かい部分は省いたのでいろいろ無理があるかもしれませんが、
ようするに問題となるのは、
どこまでは許せて、どこからはダメなのか、ってこと。
例えば、
「ちょっと阪神戦のチケット何とかしてよ」ってクライアントに言われたら、
何とかなることなら、何とかしてあげたい、って思うでしょ。
でももしそれが、「家族で行くハワイ旅行」だったら?
飲みに行ってその支払いをしてあげるのは良くて、
でも現金でそれより安い金額を手渡すのは?
MBAの授業で面白かったのは、
いろいろそういう「賄賂」を段階的に黒板に書いて、
全員に手をあげさせたこと。ダメと思ったところで手を下ろす。
結果的には、韓国、中国などのアジア系の人の方が、
欧米の人よりも、最後まで手を上げてる人が多かった。
韓国のある男の子は、100万くらいするプラズマテレビもあげちゃうって。(笑)
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絶対何も許さない!って人はいないよね。
「交際費」ってのがきちんと認められてることからしても、
ビジネスにはネットワーキングは欠かせないわけだし。
でも、大切なのは、
自分の中ではっきりと境界線を持ってることじゃないかな。
ま、口で言うほど簡単じゃないけどね。
美都なんて偉そうなこと言えないよね。
仕事のために政治家と寝ちゃうかも、なんて言ってるようじゃさっ(笑)
ま、多分そんなことはしないと思うけど。
だって、人間としての尊厳は絶対失いたくないし、
この一線を超えたら、
もう歯止めが利かなくなる、ってところ、
絶対ココロの中にあるはずだから・・・
その線を、できるだけ早くに、自分の中で見つけられたらなーと思います。
それが、スーパービジネスウーマンへの必須条件のような気がする・・・
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《人、金、処世》
最後に一つ、ご紹介したい新聞の記事があります。
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読売新聞 2003年7月2日水曜日 編集手帳より
ホンダの創業者、本田宗一郎氏は子供のころ、
米屋の精米機を眺めるのが好きだった。
油のにおいをかぎ、ポンポンという発動機の音に耳を澄まして日がな一日、
飽きなかったという。
四輪車の製造に乗り出す時、
莫大な金を銀行から借りて工場を建てた。
失敗したらどうするかと聞かれ、答えている。
「うちはつぶれる。でも、設備は日本に残る。
残れば誰かがやるだろう。」
藍綬褒章をもらう時、
皇居での式に作業服で出かけようとした・・・という伝説が残っている。
尊い正装だから、と。
幼時にかいだ「油のにおい」を終生、身にまとった経営者だった。
藤沢武夫氏という二人三脚の相棒がいた。
本田氏が心おきなく「油のにおい」をに浸れたのは、
財務を見る藤沢氏が「金のにおい」を引き受けて万端、
きれいにさばいていたからでもあったろう。
自動車レースの世界でも知られたエンジン製造会社「無限」が
脱税の疑いで摘発され、
宗一郎氏の長男である社長が逮捕された。
父親譲りの技術者肌で、「デザイン一筋の人」と評される社長は、
ともに逮捕された元監査役に経理を任せきりにしてきたとも伝えられる。
「金のにおい」を任せるに足る相棒の有無が、
父子の明暗を分けたのだろうか。
「人は城、人は石垣、人は堀・・・」(甲陽軍艦)というが、
経理も人に尽きるらしい。
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実は美都は昔からこの藤沢さんという人が好きでねー
美都は「経営したい」と言いつつも、
目指してるのは藤沢さんなの。
ようするに、COO(Chief
Operating
Officer)ね。
外向けの代表者じゃなく、
社内の実務の責任者、ってこと。
この「無限」の事件は、
美都のUS−CPAの資格試験への挑戦をちょっと後押ししたかもしんない。
前から、人がやってくれることはアウトソースした方がいい、
って言ってきたけど、
やっぱりお金のことはねー
できれば自分でやりたいよね。
じゃないとこうやって、自分のクビまで脅かされちゃうもんね。
誰か他の人がやったことのせいで。
ま、お金のことだけじゃないだろうけど、自分を脅かすのは。
でも、お金は怖いから。
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とにかく、こういう企業の事件を見ていていつも思うのは、
「境界線」がクリアじゃないからだよなーってこと。
ほら、人間ってエスカレートしちゃうじゃない、すぐに。
最初は、この程度ならいいかな、って思って始めたことが、
問題にならないと「もうちょっと」ってなって、
気付いたら取り返しのつかないところまで来てた、みたいな。
賄賂の話もそうだし、
脱税の操作なんかも基本的には似たようなことだと思うのね。
税金対策してない会社なんてないだろうし、
上手くやってれば「要領がいい」「かしこい」で済むのかもだけど、
それが行き過ぎると・・・犯罪者として逮捕されちゃう。
コワイよねー
最初から何もしなきゃいいだろっ!って言う人がいるのかわかんないけど、
やっぱ現実にはそうはなかなかいかないじゃん??
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今日は答えのない話を延々と続けてしまいましたが、
なんとなく美都の訴えは伝わったでしょうか?
「エスカレート」って現象には常に、気をつけた方がいいよね。
ビジネスではもちろん、日常の人間関係でもさ。
わがまま言い過ぎてない?
いつか相手がキレて見捨てられちゃうかもよ?
善悪の判断はたとえハッキリしていても、
この世はそうそうキレイ事では済みません。
「至上の処世術は、妥協することなく適応することである。」
・・・とどこぞの哲学者さんはおっしゃいました。
でもぉー どこまでが適応? どこからが妥協?
う〜む。む、むずかしい・・・(笑)
ま、とにかく、
あなたも私も、
要領よく、上手に世渡りしながら、
でも決して警察のお世話になったり、
愛する人にソッポ向かれたりすることのないよう、
自分の中の境界線を見極め、それを死守しつつ、
頑張っていくしかないよねー
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発行者
: 佐成美都
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《編集後記》
♪本文、長くなってしまってすみません。
どれくらいの人がちゃんと読んでくれてるのかな?(現在、登録は
1411
名なり)
できるだけ短く、読みやすくしよう、とは思いつつも、
どうも話が白熱してくると止まらない・・・(笑)
それに下手に連載にするより、
個人的には一話簡潔の方がスッキリしていいと思うので。
♪とりあげてほしい話題などがあったら、ぜひご意見ご提案メールお待ちしてます!