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美都の起業経営奮闘記〜新米ビジネスウーマンの挑戦 Vol.11 2003/7/26
http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm
by
佐成美都
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《今日の格言》
「大切なのは、問うのをやめないことです。
好奇心は、それ自体存在理由を持っているのです」
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アインシュタインの言葉だと知ると、
なーんだ、やっぱり疑問を持つのはいいことじゃん!と
自分の「WHY?癖」を正当化したくなる美都。
でも子供に聞かれて困る質問がたくさんあるように、
部下の好奇心にも困ってしまうことはあるかも・・・
好奇心にただ存在理由があるとしても、
それにどこまで上として答えを与えるかは・・・かなり考え物。
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今日のメニュー
(1)はじめに
(2)社員の疑問の処理
(3)Learning
Organization 「学習する組織」
(4)まとめ
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《はじめに》
読者の方に「美都おばちゃん」と呼ばれて衝撃を受けている美都でございます。
「40附近の人をおねえさんとは呼べない」と言われ、
さらに衝撃を受けております。
なぜ40???
美都は、昭和50年代にもほど近い、昭和40年代後半の生まれです。
確かにティーンエイジャーから見たらけっこう年上だろうけど・・・
まだ「おねえさん」で済む年齢だと思ってるんだけどなぁー
だめなのかしら。
あ、もしかして「子供を生むにはリミットが・・・」と書いたからかな??
念のため言っておくと、
ラテン民族の恋人には
「1年おきに1人ずつ産めばリミットまでに5人は産める」と言われております。
美都的に「リミット」を意識しているのは、
組織の経営メンバーとして本格的に仕事を始めたときに、
途中で結婚するのはまぁ良いとしても、
仕事を中断して子供を産むことを考えると、
自分ではとても今から数年以内ではメドが立たないし、
でも女性としては「いつかは」リミットも来るから
そうそう悠長にはしていられない、という意味です。
それに、自分で言うのも何だけど、
40近くなってこんな内容のマガジン書いてたら「終わってる」と思う・・・(笑)
今から10年先には・・・
振り返って、あぁ10年前はこんなこと書いてたのかぁー
若かった・・・
と鼻で笑えるようになっていたいと、切に願う美都でございます。
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《社員の疑問の処理》
この会社では夏のボーナスは7月に出しているのね。
で、さすがに美都は今回はその査定には口は出せないので、
前オーナーさんといろいろお話してたんだけど。
「いやーいつもねー大変なんだよねーこの時期は。」
何が大変って・・・
会社の経理関係を担当しているマネージャーGさんが、
オーナーにとっては悩みの種。
まず、ボーナスの額の決め方としてはね、
オーナーが、7月の時点で会社にある現金を見て、
ボーナスとして社員に分配できる総額を決め、
それをマネージャーAさんと二人で、どう各社員に分配するか決めます。
で、お給料計算をしてるのはマネージャーGさんだったからね、
みんなに実際に現金給与・ボーナスを配る前に、彼女は額を知るわけだけど・・・
ここで必ず彼女はオーナーに文句を言うんだって。
「少なすぎる!」って。(笑)
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オーナーが「信じられないだろ??」と美都に文句を言ったのは次の事件。
オーナーが「金がない!」を(例によって)連呼するんだけど、
するとマネージャーGさんは会社の通帳を持ってきて、
「あるじゃないですか!」と残額をオーナーに見せるんだって。
いやー美都は笑っちゃったけどね。
そっか、あるのか、って。(笑)
いやいや。
オーナーさんの主張は、
「会社の金は給料のためだけにあるんじゃない!」
そりゃそうだ。
いろいろ支払いもあるよな、うん。当然だ。
「経理やっててそんなこともわからんアホがいるかっ!」
まぁそう思う気持ちもわかるが・・・
皆さんはどう思うかね?
この二人のケンカを・・・
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美都は言いました。
「でも相手がわからないなら、
わかるように説明するのが上の義務じゃないですか?」
阪神ファンでゴキゲンの前オーナーは大声で叫びます。
「んなバカなことがあるかっ!」
彼曰く、
まずは、「経理やっててそんなこともわからんのがオカシイ」
次に、もし万が一彼女に知り得ない会社の事情があったにしても
「そんな細かいことまで彼女が知る必要はない」
う〜ん。
絵に描いたような独裁者だ・・・(笑)
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ま、それでもね、
マネージャーGさんには他にどうしてもいてほしい理由があるから
クビにはしないんだけど。
結局そうやって文句を言われると、
「じゃーいくらほしいんだ」って追加で彼女には出してきたらしい。
それもスゴイよね。(笑)
じゃー最初から出せ!とマネージャーAさんはいつも言うらしいけど、
まぁ出したくない気持ちもわかるしねーえー
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さて、こういうことが起こらないようにするにはどうするか。
やっぱり情報公開じゃない?
社員が、会社がどれだけ儲けて、何にどれだけ使ってるのか理解してたら、
「お金あるじゃないですか!」とは言わないでしょ。
会社が正当に、きちんと利益を社員に還元してればね。
逆に、情報公開もしたくなくて、
社員にそういうツッコミも入れられたくないんなら、
最初から、全く情報を公開しないことだと思うんだよね。
つまり、会社がどれだけお金を持ってるかなんて
絶対わからないようにしなくっちゃ。
結局この会社はそこらへんが中途半端だから問題だと思うんだけど・・・
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でもさ、美都の疑問は、
「情報公開」までいかないにしても
上の人って、どこまで社員の疑問に応えるべきなのかな?
これって、親は子供の質問にどこまで答えるか、ってのと
同じ線上にあるのかもしれないけど・・・
美都はね。
母親が、決して美都を怒って権力で抑えるつけるんじゃなく、
何事も論理的に説明して説明して育ててきたから、
自分も、人の疑問に対しては、とことん説明して理解してもらおう、
っていう姿勢になりました。
納得いかないことには、納得いくまで説明してくれる母親だったものだから、
今、美都が他の人と接するときにも、
美都の納得いかないことには、
納得いくまで説明してくれないと超ムカツク!!(笑)
だからその分、自分も相手には頑張って説明するしね。
それは仕事の現場でも、
基本的には同じだと思うんだけどなぁ・・・
違うのかな?
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もちろん、子供の教育とは違って、
無駄に説明ばっかりに時間がかかるような社員ならクビにしてもいいけどね。
何も言わなくても全て理解して動いてくれた方が上としてはやっぱり楽だしさ。
でも、基本的には、
部下の質問にはきちんと答えるのが筋じゃないかなぁ・・・
一人一人いろいろな考え方があるんだから、
話し合わないとわからないことだってたくさんあるんだし・・・
ただそれでも、上がそう言うならそうなんだ、って
最終的には信頼して納得してくれるような関係も
やっぱり大事だとは思うけど。
社員教育もやっぱり、「アメとムチ」かな?
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《Learning
Organization》
いつか書きたいと思っていたこのテーマですが、
たまたま読者の方がメールでこの言葉に触れてくれたこと、
また、社内でもこれに関連した事件があったので、
簡単に書いてみたいと思います。
まずは社内の出来事から。
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ある日、マネージャーAが留守にしているときに、
緊急の仕事が入りました。
マネージャー以外では一番古株の社員Bが、
その仕事をある若手社員Cに託しました。
さて、帰ってきたマネージャーAは、
若手社員Cが本来彼女がしているべきでない仕事をしていることに気づきます。
すぐに彼女に近寄って事情を聞くと、
気配を察して古株の社員Bがやってきて、説明を始めました。
マネージャーAは古株の社員Bを叱ります。
「Cさんを使うことないでしょ!」
そう、マネージャーAの頭の中では、
若手社員Cは特別な才能を持っている人なのです。
だから、彼女の時間を余計なことには使わせたくない。
その緊急の仕事は、
別にわざわざ社員Cがやる必要はなく、
いくらでも他にやれる社員がいたのです。
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美都のところにやってきたマネージャーAさんは
「まったく、何十年も働いててどうしてそんなこともわからないのかしらっ!」と
古株の社員Bさんのことをケチョンケチョンに言っていました。
う〜ん。
それってBさんの判断能力ももちろん重要だけど、
結局、組織として「学習」してこなかったんじゃないの〜と美都は思いました。
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今回は「緊急の仕事」だったから、
「危機管理」って言葉も美都のアタマの中には浮かびましたが、
ようするに、
コレが起きたらこうする、っていうマニュアルかな。
マニュアルって言うと響きが悪いのかもしれないけど、
でも、
人はそれぞれ自分の価値観で、いろいろなことを考えるしねー
組織として同じ方向に向かっていくために、
あるいはいちいち時間と労力を使って社員に判断させる手間を省くためにも、
「同じこと」が繰り返されるときは特に、
マニュアルはあった方が絶対にいいよね。
入ってきたばかりの新人の教育にもそれはすごく役に立つでしょ。
この会社では、こういうことがあったら、こう対処します、って。
う〜む。
なんかこう書いてると超当たり前のことでバカらしい気がしますが・・・(笑)
でも実際、何もそういうイロハが文書化されてない組織を
目の前で今見ているので・・・
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実は今美都が書いていることは、
「Learning
Organization」「学ぶ組織」というより
「Knowledge
Management」知識管理?って言うのかしら。
例えばマッキンゼーという世界的に有名なコンサル会社では、
組織としての財産と言えば、膨大な過去のコンサル事例からの知識の蓄積。
もちろん、それって経験を積んだコンサルタント1人1人が財産なんだけど、
そういうある特定のコンサルタントの経験や知識を、
いかに組織として、他の社員も共有できるようにするか。
それが
Knowledge Management
という領域です。
で、その知識を共有するってことが、
どう「学ぶ組織」に関係してるか、っていうと、
例えば、同じ過ちを繰り返しにくくなるじゃない?過去の事例から学べば。
「学ぶ組織」にはいろいろな意味・解釈があると思うけれど、
一つには、組織として、
過去の経験から学び、それを社内に蓄積し、そして未来に活かしていく、
そういうプロセスがきちんとシステム化されてることかなーと思います。
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まぁ、これも口で言うのは簡単なんだけどねー
実際に今、過去の経験を全く文書化していない会社にいて、
これからどうやってそれを社内で共有できるようにしていくかなーと考えると、
やっぱり時間も手間もかかるしねー
決して簡単ではないよね、うん。
でも、まずは社員にそういう会社の姿勢を知らせるところから始めようかな、と
考えている今日この頃でございます。
例えばほら、
ミスしたときに、それを隠すんじゃなく、
みんなでそれが何故おきたのかを考えることで、
次に他の社員がそのミスをしそうになったときに、
防げるかもしれないでしょ。
だからミスは隠さず、上は怒るだけじゃなく、
そこからみんなで学ぼう!という空気が漂う組織にしたい。
もちろんミスだけじゃなく、成功事例も共有して、そこから学んで、
もっともっと成功が増えるようにもしたいし、ね。
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時間はかかると思いますが、
美都の取り組みが少しでも機能し始めて、
この原始的なミスに悩む会社が
「学ぶ組織」に変貌をとげる瞬間を、
このマガジンでご報告できたらなぁーと思います。
皆さんも、知識管理、学習する組織作りに何かご経験がありましたら
ぜひ美都にアドバイスをお願いいたします。
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《まとめ》
今日は社員の「質問」と「ミス」という二つの事例を取り上げましたが、
ようするに最後に思うのは、
会社のシステムの問題。
よく、経営者の人たちに経営者としての理想を聞くと
「自分がいなくても会社がまわる会社」というような答えが聞かれるけど、
美都もそれを目指している。
社員がミスしたら、
ミスした社員を責める前に、
そういうミスを許してしまった会社のシステムに問題はなかったか?と考える。
ミスを予防できる、より良いシステムは何か?と考える。
社員が質問してきたら、
ここまで聞きにこなくても、その前に社員の疑問に答えるような、
そういうシステムが社内にはなかったのか?と考える。
どうすれば社員が疑問を抱かずに済む、
あるいは自分で答えを見つけられる、そういうシステムが作れるか?と考える。
ミスや質問とカテゴリーを括らなくても、
ようするに、
できるだけ多くのコトが社員のレベルでスムーズに済むような、
そういう社内のシステム作りをするのが
上の人間の仕事だと思うのね。
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ま、それが万が一?成功したらあなたの仕事はなくなっちゃうけど・・・
でもそしたら、またいくらでも次のターゲットを探せば?
きっとその対象には事欠かないと思うしー(笑)
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発行者
: 佐成美都
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《編集後記》
♪いやーマジでねー
40代と思われてたとしたらかなりショック。(笑)
いや、別に40代になるのを恐れてるとか、そういうことじゃないの。
50代半ばの母親を見て、
上手に歳をとってステキなミドルエイジになろうといつも思ってるし。
ただ、自分としては書きながらね、
「パワフルだけど未熟な若者」をイメージしてるわけよ。「美都像」として。
やっぱりね、こういう書き物をするときって、
自分でも「何か」になりきらないと書けないんだよね。
「素」で書けよ、って言われても、
「素」はもっと複雑だからねー(笑)なんとなくわかってもらえるかな。
自分のある特定の一面を強調したキャラクターになるんです、どうしても。
♪東京の梅雨明けはまだかいな。もうすぐ8月になっちゃうねー
でもこの気温のおかげでクーラー使わずに仕事ができてとっても快適!
♪それではまた1週間、仕事にプライベートに張り切ってお過ごしください!