♪ラテンの恋とボストン留学 第26号 2003/01/31 -----------------------

今日のトピック: 最後の中絶論

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《美春からの前置き》
   本当は今日は全く違う話題を考えていたんですが、
   もう一度だけ「中絶」をテーマに書いてみたいと思います。
 ♪もうこんな話題はたくさん!という方、今日は飛ばして明日を待ってね。♪
   前号の「中絶論」に対して( http://www2.gol.com/users/misana/030129.htm
   非常にたくさんの「熱い」ご意見ご感想メールをいただきまして、
   美春の書き方が悪いせいか、いろいろ誤解などもあったようなので、
   もう一度私たちのメッセージを伝える努力をさせてください。
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                   by 美春 and カルロス  miharuandcarlos@hotmail.com
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中には「カルロスが美春を本当に愛しているとは思えない」というような
ご意見もいただきました。ありがとね・・・心配してくれて・・・(笑)
でもご安心を。
カルロスが私のキャリアを無視して「産め」と言う背景には
きちんと筋の通ったコンセプトがあるので、
決して私を大事に思っていない、とか、
愛していない、ってレベルの話じゃないからね。

いろいろご質問やご意見をいただいたんですが、
この論点が一番はっきりと、
カルロスのコンセプトと我々一般の日本人の考えの差を示せると思います。

♪「女性の問題に男性が法律と言う形で答えを出しているのがおかしい。
 妊娠、中絶、出産などはほとんどが女性の負担であって、男性は当事者ではない。
 あとでその結論に従って責任を取り、負担を強いられる当事者自身(女性)が、
 決定を下せるシステムであるべき。」

う〜ん、もっともだ!と美春も思った。
でもカルロスにそれを言うと、あっさり全く別の次元から答えが返ってくる。
それを聞いて美春もかなり違う角度からこの問題を捉えるようになりました。
さてそれはどういうことかというと・・・

まず美春はカルロスに聞いた。
「もしあなたが私と結婚したいとあなたの親に言ったときに、
 親が「あの子はやめなさい」と言ってもあなたは絶対言うこと聞かないでしょ?
 結婚するのは親じゃなくてあなただから、自分のことは自分で決めたいでしょ。」
カルロスの答えはもちろん「自分で決める」。
なぜならその行動(結婚)の結果の責任は全部自分が負うことであって、
親が負うことではないからね。

ここで美春が置き換えていたのは、
  カルロス=中絶したい女性
  結婚=中絶
  親=中絶を禁止(あるいは反対)する男性
この比喩の関係が見えた?
責任を負うことになる当事者が結論を下すべき、って論点ね。

でもね、話が中絶となると、実は一番大切な当事者が無視されている。
実はこの論争でカルロスが一番重きを置きたいのは子供の方なのね。
つまり、まだ生まれてもいない、意見を言えない受精卵も当事者だ、ということ。
結婚だったら、当事者であるカップルが決めればそれでいいことだけど、
中絶となると、
母親と生まれるべき子供が当事者であるはずなのに、彼らは相談ができない。
モノが言えないだけに、どうも我々はその存在を無視しがちだけど、
それがカルロスの一番気に入らないところ。
例えば、まだ生まれていない赤ん坊は中絶されても苦しまないからいいのか?
そりゃ物理的に苦しみはないかもしれないけど、
自分たちの都合のために「命」を軽く見てないか、って。

女から見ると、美春も書いたように、
計画せずに妊娠してしまったら、自分の人生がめちゃくちゃになってしまうよねぇ?
だから自分のキャリアを守るために、中絶したいと思う。
でも、じゃーそういう母の事情のために、完全に未来を絶たれる子供はどうなるの?

ここで、「母親」と「生まれていない子供」をそれぞれ同等に「当事者」と考えてみよう。
選択肢は1)中絶、2)出産。
ここで「命」に焦点を当ててみると、
1)の場合、母親は生きるが、子供は死ぬ。
2)の場合、母親も子供も生きる。
どちらを選ぶ?当然2)だよね。
カルロスが一番言いたいのはココ。
子供を産むと、自分の人生が狂うとか何とか言ってるけど、
じゃー完全に未来の芽を絶たれてどんな人生も歩めなくなる子供はどうなるの?
もし産んだとしても、母親は命を失うわけじゃないでしょ。
負担は増えるだろうし計画も狂うだろうけど、でも少なくとも生きてるじゃない!
自分の都合のために、どうして人を殺してしまえるの?
その子供を産んでも、あなたは殺されないのに。

さて、こうして見てくると、実は男性が結論を出すことに正当性が見えなくもない。
というのは、例えば離婚の調停のように、
当事者故に結論を出すのが難しいってことがあるよね。
第三者が必要な場合があるでしょ。
美春にはこのケースがそうとも思える。
つまり、半分の当事者である「母親」に結論を任せておくと、
自分の命(人生)大切さ故に、あと半分の当事者を軽くみてしまいがち。
だから第三者の男性が
そのモノを言えない当事者にも光を当てて結論を出そうとしている、と。

♪「結局産まれた後の育児の負担はほとんど全部女性が負うことじゃない!」

「男はどうせ何もしないじゃない!」というご意見もたくさんいただきましたが、
カルロスに言わせると、That's the way it is.なんだよね。
つまり、簡単に言ってしまえば、
女性は子供を産み育てるように神によって創られており、
男性は働いて家族を養うように創られている。
だから出産や育児に対して文句を言う方が自然の摂理に反している、と。

もちろん、現実の世界を見たときに、
いまどき「子供を産むのが女の仕事」「外で働いて稼ぐのが男の仕事」
なーんて思想はほとんど通用してないのは明らかだけどね、
でも冷静になって私たちの体の構造を考えると、
どんなに科学が進歩しても、やっぱり男性に子供は産めないわけだし、
女性に子供を産む仕事は任されてるわけでしょ。
どうしてそんなにわかりやすい現実を無視するの?とカルロスは言いたい。

これはね、バリバリ働きたいと常々思っている美春自身も大いに納得なの。
つまり、どんなに女が社会で活躍しようと思っても、
結局毎月生理とは付き合わなきゃいけないし、
子供を産むカラダであることは否定できない。
やっぱり自分がこの世に生まれてきた意味、あるいは
人類の発展に貢献するための自分の役割を考えると、
子供を産む、ってことは明らかに自分がこの世ですべきことの一つなんだろうな、って。
男にはできない以上、
女が担うべき役割の中でも、それって一番大切なことなんだろう、って。

ちょっと脱線するけど、じゃー子供が産めない女性はどうなるんだ!?と
思われた方に一言。
実は美春の友達に一人、18のときに子供が産めないことがわかった子がいます。
同情した瞬間はもちろんある。
女として生まれて、一生子供が産めない、って事実がどんなに重いものなのか。
美春には想像もできません。
でもね、彼女は強かった。
「うらやましいでしょ」ってある日笑顔で言われて、
美春はそう言える彼女を心から尊敬したし、事実うらやましい部分はあると思った。
彼女は「女は子供を産むもの」っていう呪縛から解き放たれて、
本当に自由に自分の人生を生きている。
「子供を産む」以外の彼女の役割を必死に果たそうとしている。
でも彼女は将来、恵まれない子供を引き取って育てたい、って言い出した。
そうだね、それが彼女に与えられた仕事だったのかもしれない。

みんな、自分に与えられた環境で、一生懸命頑張ればいい。
それが、美春がいつも心から信じていることです。

♪「バイアグラには保険が利くのにピルには利かない。
  男が決めるからこういうことになる!」

まぁそれはねーカルロスの責任じゃないから・・・(笑)
でもこれは完全に美春の勝手なこじつけだけど、
人類の究極の目的が子孫繁栄だとしたら、
男が種をまくことを促進し、女が受精するのを避けようとするのを阻む、のは
人類の遺伝子に自動的にインプットされた
「種の保存」のための当然の情報だとも思えない?
(そういう問題じゃない!って声が聞こえそうだけど、まぁまぁまぁ・・・)

♪「中絶と避妊は新しい命の誕生を阻んでいる、という点で同じではないのか」

カルロス曰く、
1)受精卵は命の誕生であるが、受精しなければ命の誕生ではなく、当然殺人でもない。
2)コンドームの使用はカトリック教会が認めている。(中絶は認められていない)
ま、こうなってくると宗教論になってしまうので、
あまり深入りするのはやめておきたいと思います。

♪「望まない妊娠で、歓迎されない子を産むのはどうか?」
 「必要なものが不足している状態では100%の幸せは保証されない」

確かに、もしも親に「おまえなんか産まなければ良かった!」なんて言われたら
どんなに辛いだろうかと思う。
もし食べていけない生活だったら、どうして私を産んだの?と思うかもしれない。

でもね、最初からどんな可能性も絶たれてしまう受精卵はよりは、
まだ可能性がある!

ベネズエラの一般道には、信号待ちで止まった車のウィンドウを拭いて
コインを集めて生き延びる子供たちがたくさんいます。
そういう人生でも、楽しいことはきっとある。
どんなに貧しい生まれでも、体が不自由でも、まわりが「不幸な子」と嘆いても、
一度もこの世に生まれて来れずにどんな可能性も摘まれてしまった子よりは、
生まれてきた子には必ず可能性がある、とカルロスは信じます。

ちなみにカルロスはベネズエラにいたとき、
ロータリーインターナショナルというボランティア団体で活動していました。
具体的には、恵まれない子供たちを集めて教育をしようとしている女性を援助するために
企業や団体にそういう活動を告知し、さらに募金をつのって組織をより大きくしたり。
カルロスはたくさん見てきたの、
絶望的な環境に生まれながらも、まわりの人たちの温かい気持ちと援助に支えられて、
きちんと大学まで卒業した子供や、自分の子供を持って幸せな家庭を築いた子供を。

100%の幸せが保証されている子なんていません。
まわりから見てどんなに「恵まれている」あるいは「望まれた」ように見えても、
本人には必ず本人にしかわからない苦しみがあり、
それと同じように必ず、本人にしかわからない幸せもあるはず。
0.1%でも幸せを感じる瞬間が与えられる可能性があるとしたら、
最初から全ての可能性を絶たれるよりは絶対に良い。
結局、「一瞬も幸せを感じる瞬間はない」なんて、
誰にも生まれる前に結論を出せない。だから、産めとカルロスは言うんです。

♪「ピルを使ったらどうですか?」

結論から言うと、ピルは美春の体に良くないので使っていません。
ま、美春の体だけじゃなく、どう考えても体に良いものではないんだけどね、
人間の生理現象を無理にコントロールしてるわけだから。

もちろん、美春もピルの便利さはよくわかっているし、
実はかなり若い頃から、日本でピルが解禁になったら絶対使わなきゃ!と思ってた。
でも、私の主治医の先生は絶対反対なのです。
ちなみにこの先生は普通の西洋医学の先生ではないので、
皆さんが普通に病院に行って診てもらうようなお医者さんとは全然違います。
だから、この先生のもとに通うようになってから、
美春は風邪をひいても熱が出ても薬はできるだけ飲まないようにしています。

基本的に西洋医学の薬というのは、悪い箇所(痛いところ)を抑制して、
本人が精神的に楽になるように手助けするものであって、
それと同時に体の他の部分に大きな負担をかけていたりするんだよね。
ほら、病は気から、って言うように、精神的に負けたら病気は克服しにくいのよ。
だから、弱気になっている人には、「大丈夫」って思わせるために、
痛みを抑えるような薬が必要なのね。

でももし本人が痛みを我慢できて、どんなに辛くても精神的に強くいられるなら、
人間には自然治癒力があるから、薬は飲まない方が体にはいいんだとさ。
もちろん、絶対薬の力を借りなきゃ直らない病気もたくさんあるけどね。

というわけで、美春はピルのお世話にはなれないので、
基礎体温を測り、コンドームを併用する方法で頑張っています。
もちろん基礎体温もコンドームも完璧ではないから、頼り切ってはいられないけどね。

最後に。
確かにカルロスはゴムするのが好きじゃないけどね、
でもほんとに使わないのは、生理直前の、月にほんの数回だけ。
「もしできたら産めばいい」なーんて
簡単に命の誕生を考えてるわけじゃ決してありません。
もし二人が子供を持つなら、やっぱりできる限りのことはしてあげたいし、
できる限りの環境で産んであげたい。
だから、二人ともとっても注意はしています。
でもね、万が一万が一できてしまったとしたら、
その新しい命の芽を摘むことは絶対にいけない、って。
その子に与えられた可能性は、誰にも量れないものだから。
チャンスは絶対に与えなくちゃ、って。
自分たちの都合で、他人の人生に勝手に結論を出すなんて、おかしいよね。
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発行者: 美春 and カルロス  miharuandcarlos@hotmail.com

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《編集後記》

♪これだけ書いてきたけど、やっぱり美春自身はまだね、
中絶絶対反対!ではないんだよ。
一番思うのは、カルロスと美春では議論のスタートが全く違う。
つまり、たとえばカルロスが「神が与える命は神だけが奪える」と言うとき、
まったくピンと来ないのよね、だって神を信じてないから。
信じるものが全く違う、価値基準が全く違う二人が、
同じ土俵で話し合うのって絶望的に難しい、とつくづく感じました。
でもそれでもこうして今日書きたかったのは、
カルロスの言ってることの中に、私たち日本人が忘れているかもしれない
大事なことがある、と思ったから。
皆さんにも、ちょっとだけ考えてほしかったから。

♪明日は「普通の」話題に戻ります!
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