【サンフランシスコ発】人生これから!
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3ヵ月ぐらい前のこと。キッチンの下棚の奥からジャガイモの袋が出てきた。けっこう古いもので、芽が四方から出てて、食べられそうにない。家庭菜園に凝ってる妻の妹のエレンがそれを見て、「植えよう」の一言。数年前に買ってめったに使ってない家庭菜園の本で、ジャガイモの植え方を勉強。芽の部分を残すようにして、10個ぐらいのジャガイモを3つ、4つに角切りし、裏庭の空き地を数列に耕して、数10個の芽を植えてみた。「捨てるくらいなら...」程度で、ほとんど面白半分だったのが、芽がニョキニョキ大きくなっていく。カリフォルニアは全米一の野菜と果物の生産地だけあって、素人の野菜作りもあまり当たりはずれがないみたい。一昨日そのジャガイモを堀返して見ると、ジャジャーン、可愛いジャガイモ達が出てくる、出てくる。さっそくエレンがその日の夕食にたまねぎ、ニンニクと一緒にジャガイモを炒めて、みんなで試食。さすが取りたてのジャガイモは新鮮とみんな口を揃えて言うくらい、本当に美味しかった。その日の夕食には他に、叔父の友人のリコが前日釣ってきた鮭の照焼(僕が担当)、同じ裏庭から取れたズッキーニとイタリアン・スクワッシュ(両方ともカボチャの一種)のシチューにタンポポの若葉、大根の花、レタス、中国パセリ(すべて裏庭から)のサラダがあった。わざわざサンフランシスコ市内の高級レストランに行くより、よっぽどこちらの方が贅沢でスペシャル、と皆な満足した顔だった。
僕が住んでいるのはサンフランシスコから北に車で30分位行ったマリン郡のコートマデラという町。妻のシルビアの叔父、アートの家に4ヵ月前ホノルルから引っ越してきたばかり。去年の秋ニューヨークから引っ越してきたエレンも加えて、いま全部で4人の大所帯(というのは、家は小さく、アートは独身で物を捨てたがらない性格だから、そこら中に物が山積みになってて、その上つい最近までキッチンの改築があったりして空間が非常に少なかった)。なんたって、家賃がただというのがうれしい。サンフランシスコ一帯はシリコンバレーとマルチメディア産業のおかげで、非常に住宅難でかつ家賃が高い。それにマリン郡は自然が豊かで、この家の裏にはタマパヤス山があり、ハイキングコースがそこら中にある。で、サンフランシスコ市内みたいに霧が毎日発生するわけでもなく、ある意味では天国みたいなところ。よく人から「どうしてハワイを離れたの?」と聞かれる。確かにハワイは南洋の楽園という表現に相当する気候と自然があるけど、年中同じ様な気候とあまり刺激のない文化的生活にちょっと飽きてしまう... 日本人として四季はどうしても必要な存在なのかもしれない。ああ、日本の四季が恋しい。ああ、日本の冬の鍋料理が恋しい。
本村 力
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