【ニューヨーク発】それでも住んでるNYC

 [ Last Updated : 1/14/97 ]

 1991 LAS VEGAS (その2:パーティーの話)

前回までのあらすじ:
ニューイヤーズ・イヴに日系2世のイトコ、デイヴとラスヴェ ガスのパーティーに行った。
 

   とりあえず、どもりまくる彼との会話は疲れるので、適当な所で「じゃ、また 」と言ってビールを取りにキッチンへ行った。 すると、デイヴがひとりでビールを すすっていた。 僕はてっきり、ここには彼の友達が沢山いるのだろうと思っていた ので、「ほかに誰か知ってる人いないの?」と聞いたら「知らない」と言う。 「じ ゃ、ここは誰の家なんだい?」と聞くと「実はそれ、オレも知らないんだ..」と言 った。  

   なんじゃそりゃあ?.... 

   一体誰を知っていて、どういう関係で、ここに来ているかというと、「自分の ルーム・メイトがここの ”誰か”を知っている」程度らしい。 しかも、去年いた 連中も一人もいないそうだ。 要するに他人のパーティーに来ているも同然だったワ ケだ...

   一緒に来た連中と一箇所にかたまっていてもしょうがないので、そこらをビー ルを持ってウロついてる連中に話しかけた。 
   「君は誰の友達なの?..オレはあそこにいるヤツに連れて来られたんだけど 、誰も知らなくて...」  すると、そこにいた女の子の一人が、「わたしも誰も 知らないわ、ただ、友達が誰か知ってるみたいで、一緒に来たのよ」と言った。 周 りの連中も、「オレはXXXから来たんだ」、「あたしはXXから」...と、てんでバ ラバラだ。 「なんだ、みんなそのノリで来てるのか」...そうと分かれば話は早 い。 みんなその場ですぐ友達となった。 1時間も経つと、すっかり僕達もこのパ ーティーの一員となっていた。 

   しばらくして、僕は別の連中とゲームをし始めた。 おっとり屋のマイク・イ ケガミも一緒だ。 彼はすでに酒が回っているらしく、赤い顔をして上機嫌だ。 ゲ ームに負けても「ワーハッハッハ、まけたー!」と大喜びしている。 倒れる様にイ タズラされたイスに座り、ビールを持ったままひっくり返っても、「ウォーハッハッ ハッ」と、ますます機嫌が良い。 幸せなヤツだ... この頃には、人の出入りが 激しくなってきて、床で寝ていた連中もムクムクと起き始めた。

   家の中がかなりウルサくなってきた頃、リビングで誰かが、「よーし! いく ぞー!」と叫んだ。 そう、新年のカウントダウンはやっぱりラスヴェガスのダウン タウンで大騒ぎするのだ。 聞くところによると、そこでは12時になった瞬間、み んな、そこにいる周囲の人達とハグ(抱き合う)とキスをするんだそうだ。 

   パーティーのみんなは、外へ出る支度をした。 デイヴのルーム・メイトも、 ムクッと立ち上がって、首にブラ下がった、「緑の魚」をしめなおしている。 みん なの予定は、まず、あるホテルのカジノへ行って、そこでちょっと遊んでからダウン タウンへ行く..とのことだった。 みんな各々の車に乗り、フォローしながらその ホテルへと向かった。 

   僕達5人は、海兵隊ブレットの赤いセリカに乗った。 その頃はやっていた " Deee-Lite" をガンガンにかけて、ブレットは黒人特有のノリで、体をユッサユッサ させながら運転している。 デイヴもシャンパンを抱えながら、「シャンパニ? シ ャンパニ?」とフランス語のマネを始めた...みんな気分は上々だ。

   ホテルに着いた。 車を降りて、広場に出る。 みんなのリーダー?が、「い いかみんな、ここにまた11時 XX 分に集合だぞ! わかったな!」と、車から降りて くるみんなに伝えてる。 これだけの人数で、しかも酔っ払いもいる、どうせ誰も時 間通りに集まりゃしないだろう...
   でも、とりあえず全員に伝わったらしい。 「O.K. じゃ、いくぞー」と言っ て、30人余りのパーティー集団は列になって、パーティー用ブーブー笛を鳴らし、 ギャーギャーわめきながらカジノへ入っていった。 

   カジノの中の人達は、何事かとみんな振り向いたが、今日はニューイヤーズ・ イヴだ、そんなことくらいで、ウルサいなんて言う人は誰もいない。 中にはスロッ ト・マシーンをしながら「イエェ〜イ!」と叫び返して来る人もいる。  僕も気持 ちがいいので、叫ぶだけ叫びまくった。
   カジノを一通り横切ったあたりで、みんなバラバラになった。 僕達も各自好 きなゲームをしに行った...

   ...そして、約束の時間。 ホントにみんな来んのかよー? と思いながら 広場に行くと、既に何人か集まっていた。 そして、そして、何と驚いたことに、数 分後には全員そこに集合したのである!!  我々のリーダー?が言う..「みんな いるかー? じゃ、行こうか..」しかし...

   ちょっと待ったあ!! 一人いない! やっぱり来ないヤツがいた..たった 一人だけ... しかも、よりによってそれは僕達の仲間だった...

   マイク・イケガミだ。 やっぱりアイツはマイペースだった..  みんなと りあえず少し待っていてくれたが、これだけの人数だ..「おし、先に言ってるぞー 」と言い残し、皆バラバラと各自の車へと向かって行った。 4人で、そこにつっ立 っていてもしょうがないので、僕達は車に乗って待つことにした。 「ちくしょう、 マイクの野郎、何やってんだ..」 とりあえず、交代でカジノの中を見回ってはみ たが、さすがに場所が広すぎる..  

   「アイツ戻って来たら殴ってやる!!」ブレットが鼻息も荒く言い放った。  ハンは苦笑いしながら、細々と「..ナイース...」なんて言っている。 
   他のみんなの車は、しばらく何台かがそこらをウロチョロしていたが、ついに 最後の組も行ってしまった...  

   ああ..みんなとのカウントダウンはどうなるんだ?..ハグは? キスは? ... ブレットが運転席で、ハンドルをバンバン叩きはじめた..「アノ野郎、絶 対パンチしてやる!! そう、顔にパンチだ!! パンチしてやる!!」

その2もつづく..

NAO(男・28歳)
ミュージシャン

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