【ニューヨーク発】なおちゃんのバンド日記
[ Last Updated : 3/13/98 ]
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- バンドの話 <その4:続・弁護士>
第一歩からのつまづき
僕達はまず契約に入る前の、第一歩からつまづいてしまった。 問題はなんと、ロイヤーのローズである。 僕達とマネージャーのヴィンスは、契約日を12月1日と決めていた。 もちろんローズにはその旨を伝えてあり、彼女の方も「それまでには、じゅうぶん間に合うわよ ・ ・ ・ 」という返事をもらっていた。 が、それが全く間に合うどころのハナシではなくなったのだ。 ローズは僕達の書類を、何もせずに一ヵ月間放っておいたのである。
嵐の前の一週間?
最初の一週間目は何も問題はなかった。 僕は書類の進行具合を確かめる為に彼女に電話し、彼女の返事も良い感じのものだった。 彼女は、気になった箇所を書き出したので、それを近日中にファックスで送る、と言って電話を切った。 また、それについての僕の意見も聞いてから、細かな改訂を行いたい、とも言っていた。 そして、そのファックスは送られて来なかったが、こちらではそんな事に平気で一週間かかったりするので、僕は特に気にしていなかった。
信用と実績はどこ..
しかし、二週目を過ぎたあたりから、僕は少々疑問を感じ始めた。 待っていてもローズからは何の連絡もないので、こちらから電話してみる。 彼女は機械が壊れたので、ファックスが送れないのだという、苦しい言い訳をした。 そこで試しに、僕のバンド・パートナーが彼女にファックスを送った所、きちんと送信された ・ ・ ・ しかも彼女は、書類は郵便で送ったから、もう少しで届くだろうと言う ・ ・ ・ 。 そんなのアリかいな? とも思いながらも、本人がそう言うので信用する事にした。 にせメジャー・アーティストをいくつも世話しているエンターテイメント・ロイヤーなのだから、それなりの信用と実績があるハズなのだ。
余裕のマネージャー?
マネージャーのヴィンスは、そういった話しを聞いて「ハハハ、ロイヤーなんてそんなもんさ、まぁそんなに急がなくてもいいよ ・ ・ ・ 」と、その時はまだ余裕の態度を見せていた。 結局ヴィンスもそう言うので、約束の12月1日は過ぎてしまった。 が、さすがの彼も、三週目を過ぎると「オマエんとこのロイヤーから何か連絡あったか? これ以上待ったら、この先のスケジュールに影響してしまう ・ ・ ・ 」と、イラだった口調で言い始めた。
この人本当に僕達担当?
・ ・ ・ その頃になると、僕も完全にローズの事に関してはキレていた。 何故なら、彼女は連絡して来ないばかりか、僕達の電話さえも受け付けなくなったのだ。 いつもアシスタントに「彼女はミーティング中です」と言わせて、あたかも僕達を避けている様にさえ思えた。 本当にこれが僕達の弁護士なのか ・ ・ ・ ? 全くこれでは、こっちが自分達をプロダクションに売り込んでいるのと同じではないか!
堪忍袋のナントヤラ
そして、僕達とヴィンスのイライラが限界に達した時、僕は彼女に電話した。 アシスタントは相変わらず「ただ今彼女はミーティング中なので ・ ・ ・ 」と答えた。 僕は、とにかく彼女のアンサリング・マシーンにつないでもらって、強い口調でメッセージを残した。 「アナタ何やってるのか知らないけど、書類完成の期限からもう二週間も過ぎてんだよ ・ ・ ・ 今日中に何とかしてくれ、もう待てないよ! もし、僕が今日中に何も受け取らなかったら、僕達が先に払った金を返してもらうよ ・ ・ ・ もう他のロイヤーに頼むからね! いいかい、今日中だよ!」 ついでに証人をつくる為に、アシスタントに電話して、全てを説明した。 アシスタントはとても驚いて、とにかく何とかさせるから ・ ・ ・ と言って電話を切った。
やればできるのに ・ ・ ・
翌朝、自宅のファックスに契約書の改訂版がズラッと届いていた。 とても細かい所までしっかりとチェックがしてあり、非常に感心出来る仕事振りだった。 やはり彼女も伊達にエンターテイメント・ロイヤーをやっているわけではなかったのだ。
しかも、お詫びとして、先に払ったお金は全額返却する、と記してあった。 「こんなに仕事が出来るのになぁ ・ ・ ・ 」僕達は、彼女と会った時の事を思いだしながら、タメ息をついた。
とり戻せない遅れ
とりあえず、これでバンド側の契約条件は正式に提出したし、弁護士代もタダで済んじゃったし、めでたし、めでたし、と言いたいところだが、そこで無駄にしててまった時間は、僕達バンドを含む、このプロジェクト全体のスケジュールを確実に遅らせてしまった。
そして、この遅れは決定的にバンド活動の妨げとなってしまうのである ・ ・ ・
つづく。
NAO
ミュージシャン
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