【ニューヨーク発】なおちゃんのバンド日記
[ Last Updated : 5/18/00 ]
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- バンドの話 <その14:ソロと "COVER マガジン">
ソロと "COVER マガジン"
いつ頃からソロでやろうと思い始めたのかは覚えていない。 ただ、バンドでバック・コーラスを歌ってた時に「今はヘタだけど、練習すればもっと声が出るぞ・・・」とは思っていた。
ついでに COVER のジェフリーがいつも僕をゲスト・リストに入れてくれるおかげで、良くも悪くも色々なバンドを見る事が出来た。 そんなうちに自分にもフロント・マンが勤まるのではないか・・・という気がしていた。
そこで曲のアイディアはいくつかあったし、とりあえずは録音してみて、ダメもとで歌ってみて、それから決めよう・・・という事にした。 一曲目を書き始めたのが 99年の2月、そして春までには 6 曲ほど「人にも聞かせられる曲」が出来ていた。
それと同時期、99年のはじまりは COVER マガジンにも異変が起きていた。 まず、1 月に編集部のマネージャー、キャロルおばさんが突然辞めてしまった。 話に聞くと、ジェフリーとかなり口論したうえ、辞める事になってしまったそうだ。
彼女は編集部にはいなくてはならない人物・・・ 僕のバンドもかなりプッシュしてくれたので、僕にとってもこれは驚きだった。
しかもそれから約1か月後・・・今度はジェフリーのパートナーである、あの暗〜いエルも突然辞めてしまったのだ! ほんの少しの間に COVER 編集部の主要人物が2人も去ってしまった。 これは COVER 関係者にはちょっとした事件だった・・・。
ここで、ある程度は予想していたのだが・・・ しばらくたってジェフリーから僕に話があった。 「どうだい、ちょっと手伝ってくれないか・・・」 僕にとっては害になる話ではないので、すぐに OK した。
僕の役割は COVER 宛に送られてくるバンドの資料や、ライブの招待状を整理して、そこで招待されたバンドを見にいく。 そして、バンドやレコード会社を相手に COVER のプロモーションをする事だった。
お金はコミッション制で、たいして期待は出来なかったが、ソロとして新たに活動しようとしていた僕にはちょうど良いタイミングだった。 これで NY中のクラブならどこにでも行けるからだ。
僕は早速、COVER の編集部として使っているアパートの一室に行った。 そして、各方面から送られてくるバンドの資料、CDなどに目を通した。 ・・・それは結構な数だった。 僕も以前自分のバンドのプロモーションに必死だったが、これだけの数が送られてくるのだから、ほとんどが捨てられてしまう現状も分かる。
こんなに小さい雑誌の編集部でもこれだけ届くのだから、レコード会社だったらこの数十倍もの数のテープや CD が送られて来るはずだろう・・・。
なんだか以前の逆の立場で、物事を経験するのは面白かった。 しかも、送られてくる資料にはインディーはもちろん、メジャー・レーベルからのプロモーション・キットも沢山あるではないか!! キャピトル、アトランティック、ワーナー・・・.。
よく分からなかったが、とにかくいくつか目を引いたものをピックしてみて、早速連絡してみた。 すると、なんだ、なんだ。 雑誌の取材という事になるから、どこも大歓迎ではないか! そしてメジャー・レーベルにも電話してみる・・・。 もちろん、すぐにコンサートのゲスト・リストに入れてもらえた。
これは楽しい!
僕は色々なバンドのゲスト・リストに入れてもらった。 2 人分ゲストに入れてもらえる時は、友達を誘って行った。 もちろんそこではレコード会社の担当者と会って話をする。 向こうはバンドを売り込み、こちらは COVER を売り込むわけだ。
もちろん、僕は自分を売り込む事だって忘れてはいない。 いつも自分のテープを忘れずに持ち歩いた。
COVER はアンダー・グラウンドの雑誌なので、超有名アーティストなどからの招待は無いが、地元のバンドや、これから売り込むアーティスト達からの招待状はどんどん来る。 これは地元の音楽シーンの状況を知るのにはもってこいだった。
アーティスト自身から電話してくる場合も多い。 「〇〇日に〇〇でライブをやるから、是非観に来てくれ・・・」
ついこの前まで自分もそうやっていたのだが、こういった無名アーティスト達の努力は涙ぐましいものがある。 口には出せないが、僕なんかに電話してきたって、どうにもならないのに・・・。
それからしばらくして、おかしい事に気付いた。 僕はもちろん毎日 COVER の編集部に顔を出すわけにはいかないから、音楽関係者からの連絡は自宅に直接電話してもらう事にしてあった。 しかし、何故かレコード会社の担当者にしても、アーティスト自身にしても、いつもうちに電話をかけてくるのは女性なのである・・・。
そう、以前、ジェフリーが「関係者から電話があった時、オマエのうちの番号をあげてもいいか?」と聞いてきたから、冗談で「女性だったらいつでもいいよ」と言ったんだ。 そしたらジェフリーは本当にそうしてくれているのだ!!
だから男性の関係者の場合は、ジェフリーがメッセージを取って僕に電話をかけて来る。 「おい、〇〇レーベルのロバートっていうのから、こういった内容の話があったけど興味あるか・・・?」 そして女性の場合は僕に直接電話させる・・・.本当におかしな編集長だ!
それだけではなく、彼はいつも僕を色々な人に紹介してくれた。 ただ、紹介はしてくれるのだが、その先は勝手に自分でやれ・・・といった感じで放っておかれる。 だから、僕のほうもかえって気が楽だった。 その人と話したければ話を続ければいいし、嫌だったら離れればいい。
そう、彼には押し付けがましい所が無かったし、仮に僕が誰かと親しくなったからといって「俺が紹介してやったんだから・・・」という態度も取らなかった。
僕は短期間のうちに、すっかりCOVER の一員となっていた。
次はいよいよメジャー・レーベル・バンドのオーディションへ・・・!!
NAO
ミュージシャン
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