【ニューヨーク発】なおちゃんのバンド日記

 [ Last Updated : 6/13/00 ]

バンドの話「スウィマーへの道」篇 <その18:スウィマーづくし>


 今度の Swimmer のライブはあのキアーヌ・リーヴスがメンバーのバンド、"Dog Star" の前座だった。 当然会場の80%は女の子。 なんでまたこんなのに出さなくたって・・・とは思ったが、まぁ、Swimmer のあのルックスだったらこの中からファンを作り出せるであろう。 でも少々ターゲットが違うのではないか・・・?

 そして演奏・・・もちろん前と同じ音だ。 そして「CDの音は曇って聞こえる」と思ったのも正しかった。 ライブのほうが、ずっと澄んで聞こえる。 きっとエコーも含めたヴォーカルの音の処理の仕方が違うのだろう。
 一方、一緒に行ったリディアちゃんの方はというと、会場で偶然友達の女の子と出会ってしまい、演奏そっちのけでベチャクチャ、キャーキャーと話に熱中してる。 僕はこの大音量の中で平気で会話が出来るこの2人を見てアキレてしまった。 これでどういうレビューを書くのやら・・・。

 ステージ自体は、ヴォーカルのアンディーが「次が最後の曲・・・」と言った瞬間に会場が黄色い歓声に包まれた。 そう、みんなのお目当てはキアーヌなのだ。 アンディーは「そういう反応が来ると思ってたよ・・・ じゃ、あと10曲やろうか?」と言って、最後の曲を演奏した。
 本当に、レコード会社かプロモーターか知らないが、何を考えて彼らをここに出したのだろう? 彼らをアイドルにでもするつもりだったら話は別だが・・・。


 ・・・その次の週。 今度はまったく別のバンドのライブに招待されのだが、偶然にもその日 Swimmer が同じクラブで演奏する予定になっていた! もう完全に「スウィマーづくし」である。  そういうわけで僕は今回はメンバーやマネージャーにも話かけてやろうと思った。 もちろん COVER スタッフとしてだが、今後の自分のためでもある。

 そして今回は一人で行ったのだが、クラブ内を見回してみると、面白い事に気が付いた。 客の何人かは確実に見覚えのある顔だからだ。 みんな地元のファンなんだ・・・。 そして一人の女性とすれ違いざまに目が会った。 彼女とは先週のアービング・プラザで少し話しをしたっけ・・・。
 僕達はお互い「あ、あの時に会ったね・・・!」と言って話しをはじめた。 彼女の名前はドーリーンといって、どうやら僕よりも年上のようだ。(自分が年をとったせいか、最近は自分より年下の人はアメリカンでも見分けがつくのだ)

 彼女は、「地元のバンドでは Swimmer が一番好き」というので、バンドに関しての色々な質問をしたが、彼女自身もつい最近知ったばかりだという。 やはりデビュー前の Swimmer は謎なのだ・・・。
 そんなうちにメンバーがクラブに入ってきた。 小さいクラブだから、彼らは客の中を突っ切って楽屋まで行く。 ・・・ヴォーカルのアンディーが来た。 さっそくドーリーンが「ハーイ、アンディー」と声をかける。 僕も一緒になって「ヘイ」と声をかけた。 彼は「やぁ、元気かい?」といって、僕の肩をたたいた。 「なんだ・・・普通のヤツじゃないか・・・」

 しばらくして僕は地下にある楽屋へ降りていった。 いちおう、先に演奏したバンドのメンバーが知り合いだった事と、何か言われても「取材」という事にすればいいので、バンド関係者以外は禁止でも、楽に入って行けた。
 もちろん僕はすぐに Swimmer のメンバーに話しかけた。 とりあえずは COVER の仕事も兼ねているので、彼らのレビューを載せる事を告げて、雑誌を手渡す。 ドラマーのチャドは早速「へぇ〜・・・」と言って中身をパラパラとめくりはじめた。

 アンディーは隅で DAT デッキを出して何かしていたので、僕が「何だいそれ?」と聞くと、「今日のオープニングで効果音を使いたいんだけどね・・・」とボソボソ話しはじめた。  
 彼は近くで見ると、思ったより背が高く、かなりフケている。 最初に見た時に彼を「少年」だと思った僕は、ちょっと安心した。 体格も僕よりひとまわり大きく、これなら、あれだけの声量が出るのも分かる。

 ・・・そして演奏。 今回のライブは先程知り合ったドーリーンと一緒に、ステージのいちばん前で見た。
 ・・・今回もおおいに満足。

 ライブの後はマネージャーのリサという女性が「メーリング・リスト」を回していたので、話しかけた。
 彼女は典型的なロックン・ロールおばさん。 ボサボサ気味の真っ黒な長髪で、見た感じちょっと怖く、愛想も悪い。
 「バンドのマネージメントはどんな感じ?」と聞くと、ため息まじりに「もう、とにかく大変よ・・・」と言った。 ふと思いつきで「他にもバンドを世話しているの?」と聞くと、「このバンドだけよ・・・」と言って、そそくさと行ってしまった。

 僕は Swimmer のメンバーが全員いなくなるまで、クラブに居続けた。 皆がメンバーにたかるので、きちんとした会話をするのは容易ではない。 それでも最後にアンディーをつかまえて話をした。
 彼はバンドの他に、ソロのライブをやろうと思っていると言った。 僕が「え、そりゃ興味あるな、僕もソロやるんだ」と言うと、「キミ、メーリング・リストにサインしたかい?」と聞かれた。
 「いいや、情報はマーヴァリックから連絡が来るし・・・」
 「ううん、これはマーヴァリックとは無関係なんだよ・・・じゃぁ、マネージャーのリサの番号をあげるよ・・・まだ内容は決めてないけど、近いうちにやるから・・・」と言って、リサの電話番号を書いてくれた。

 これは思ってもいない収穫だった。


謎が解明しつつある次回へつづく。





 NAO
 ミュージシャン

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