【ニューヨーク発】なおちゃんのバンド日記
[ Last Updated : 6/14/00 ]
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- バンドの話「スウィマーへの道」篇 <その18:スウィマー、緊急ニュース!>
次の週、僕はずうずうしい事を思いついた。 アンディーがソロでライブをやるという事なら、場所は小さなクラブに違いない。 それなら、僕を彼の前座として出してもらえないだろうか・・・? 彼と一緒のギグなら、客もある程度入るだろうし、彼のファンの中で僕を気に入ってくれる人がいるかも知れない・・・。
僕は早速アンディーからもらったマネージャー、リサの番号に電話した。 「あの〜、週末に会った COVER の Nao っていうんだけど・・・」と言うと、彼女は「ああ、覚えてるわ・・・」と言った。 とりあえず、自分もソロ活動している事を告げ、アンディーと一緒に出して欲しい、よかったらデモ・テープも送る・・・という内容の話をした。
彼女は「まだそれについては、何の予定も立っていないから、それがはっきりしたら連絡するわ・・・」と言って僕の連絡先を聞いてきた。 まぁ、このテの返事じゃぁ、全く期待は出来ないので、こちらからしつこく電話する事にした。
そんなうちに、僕の友人の女性シンガー、ロー・ガルッチオがライブをやるので、一緒に演奏して欲しいと電話してきた。 ライブ当日まで1週間も無いのに・・・である。 とりあえずは面白そうなので、僕はすぐにそれを引き受けた。
これでまたリサに電話する理由が出来た。 僕は早速「今度ロー・ガルッチオとライブをやるから、是非見にきて欲しい」・・・とリサに伝えた。 そして今度は「アンディーは今日ツアーから戻ったばかりで、とっても疲れてるの・・・でも言っておくわ・・・」という、また期待出来ない返事だった。
そのロー・ガルッチオとのライブだが、リハーサルなんてものは無く、即興中心のアバンギャルド風なものになった。 まぁ、彼女自身がそうしたかったのだが、見に来た客達はちょっとツラそうだった。 セットの途中で、僕も自分の曲を一曲演奏させてもらった。
・・・そして7月。 また Swimmer のライブがいつものクラブで予定されていたので、早速出かけた。 が、クラブの中に入ると、人が少なく、別のバンドが演奏している。 良く分からなかったが、とりあえず後ろの方で立っていたら、前からドーリーンが歩いてきた。 彼女は「知ってた? Swimmer はキャンセルになったのよ? アンディーがカゼをひいたらしいわ・・・」
そういうわけで、僕達はそこのクラブを去り、近所の別のクラブへ移動した。
その途中、彼女は凄いニュースを教えてくれた「ねぇ、これは秘密らしいんだけど、Swimmer からギタリストとベーシストが揃って辞めたってウワサよ・・・これもライブをキャンセルした理由じゃないかしら・・・?」
これは驚きだった。 しかし、それと同時にもっと凄い考えが僕の頭に浮かんだ!
「ねぇ、辞めたのはギタリストって言ったよね? ・・・それじゃ、オレ、あのバンドに入る!」
ドーリーンは目を丸くして、「ワーオ! そうなったらスッゴイわ!」と叫んだ。 僕は「うん、明日リサに電話して、状況を確かめてみるよ・・・」と言った。 僕の心の中に何かエキサイティングな感覚が甦ってきて、心臓が高鳴った。
それからドーリーンと一緒に入ったクラブには、彼女の友人達が数人いた。
まずキャリー、シェリー、テリーの3人娘。 キャリーはとにかく地元のバンドを宣伝するのが好きで好きでたまらない。 将来はプロモーターになりたいと言う。 後に、僕のライブのプロモーションもしてもらう事になる。
シェリーは単なる「バンド好き」の女の子。 でも「追っかけ」ではなくて、僕もよく分からない。
テリーはダウン症の子で、頭が普通の人に比べて少々大きく、話し方もつまっていて聞き取りにくい。 だが、人を外観で判断してはいけない。 地元のバンド情報なら、彼女の右に出る者は無く、何でも知っている。 実は彼女とは以前にも会った事があった。
そして、もう1人、ロバートというカメラマンも紹介してもらった。 その時は「調子のいい兄ちゃん」的なイメージだったが、なんとも出会いとは面白いもので、今では僕のベスト・フレンドだ。 当然僕のプロモ用写真などは彼に撮ってもらっている。
ま、そんなメンバーでワイワイ騒いでいたのだが、ドーリーンは早速皆に「彼、今度 Swimmer をトライするのよ!」と言いふらし始めた。 僕はすかさず「物知りテリー」に Swimmer のメンバー脱退説について聞いてみた。 彼女は素っ気なく「あ、それ本当よ・・・やめたわ」と言った。
そんな話を立ち聞きしていたあるバンドのメンバーは「チェッ、あのバンドはアンディーのバンドなんだぜ! アイツがクビにしたんだよ! あのバンドのメンバーは皆ヤツの言いなりなのさ!」と言い放った。
そこで持ち上がった話だが、どうやらアンディー個人の世話もマネージャーのリサがしているらしく、彼らは一緒に住んでいるらしい。 皆、彼らは結婚しているのはないか・・・? と疑っていた。 「スコットランド人のアンディーが、この国で合法滞在してるって事はやっぱり・・・そうじゃないの?」とキャリーが言った。
確かにそれは以前聞いた「Swimmer はマネージャーとの関係が凄く良い・・・」というウワサを裏付けるものだ。
核心に触れる次回へ続く。
NAO
ミュージシャン
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