Guy Nathan氏による、オーストラリア・ギャザリングでのスピーチ…

アミガ・ユーザのみなさん、  どのスピーチのマニュアルを読んでも、スピーチの最初はジョークで始めなけ ればならないと書いてあります。残念なことに、主催者の方は私にパソコンを持 って来てブートするだけの時間をくださらなかったので、かわりにこんな話をし ましょう。  ある夫婦が、コース沿いに何百万ドルもするような家々が立ち並ぶ、とてもと ても高級なゴルフコースでプレイをしていました。  3度めのティーショットで、亭主が言いました。  「おまえ、ボールを打つ時には そこいらの家の窓を割らないように、くれぐ れも気を付けておくれ。修理にはそうとうな金額がかかりそうだよ。」  ところが、妻のティーショットの球は、そのコース沿いで一番大きな家の窓へ 飛び込んで行ってしまったのです。  亭主は狼狽して言いました。  「注意するように言ったじゃないか! しょうがない、行って謝って、これが どれくらい掛かるのか確かめてこよう。」  ふたりはその家まで歩き、ドアをノックしました。すると中から、「どうぞ。」 と、いう声が聞こえます。ドアを開けると、そこには床一面のガラスとロビーに 横たわる割れた瓶がありました。  カウチに座った男が言いました。  「うちの窓を割ったのは、おまえ達かい?」  「は…はい。すみません。」  亭主が答えました。  「いや、実を言えばおまえ達に感謝したいんだよ。オレはその瓶の中に数千年 もの間、閉じ込められていたジェニー(妖魔)なのさ。おまえ達がオレを開放し てくたんだ。オレは3つの願いを叶えてやる事が出来る。それぞれ一つの願いを 言うが良い。そして最後の一つをオレ自身の為にとっておく事にするよ。」  「ホントかい!、それは素晴らしい!」  亭主は言いました。  「私は自分の残りの人生に、毎年百万ドル欲しいな。」  「大丈夫、たやすい事だ。じゃ、おまえ、おまえは何が欲しんだい?」  ジェニーが妻の方を見て言いました。  「私は、世界中の全ての国々にひとつずつ家が欲しいわ。」  「出来たよ。」ジェニーが答えました。  「それじゃ、あなたの願いは何ですか、ジェニー?」亭主が言いました。  「そうだなぁ、オレはその瓶の中にずっと閉じ込められ続けていたから、何千 年もの間、女とセックスしてないんだ。オレの願いは、おまえの女房と一緒に寝 る事さ。」  亭主は妻を見て言いました。  「うーん、私たちはたくさんのお金とあれぐらいの家々を全部手に入れたんだ。 おまえがどうしようと、私は気にしないよ。」  こうして、ジェニーは妻を上の階へと連れて行き、2時間もの間彼女を狂喜さ せました。ことが終った後、ジェニーは寝返り、妻を見て言いました。  「ところで、おまえの亭主は何歳だい?」  「35歳よ。」彼女は答えました。  「あの人、未だにジェニーの存在を信じてるのよ…バッカみたいね!」  この話がAmigaに何の関係があるか?いや、実はとても関係があるのです。  Amiga Technologies社の買収が成立した後、Amigaが彼女にとってのジェニー、 ゲートウェイ2000社を手に入れたという事実を祝して、多くの人々がこの地球上 にEメールやニュース記事、手紙、電話を飛び交わさせました。  ゲートウェイ2000。それは巨大で、優れた技術を持ち、資金あふれるサクセス ストーリー。彼らはベッドの下からお金の入った箱を引出して、Amiga OS4.0が 走る、RISCプロセッサを4つ搭載した、500ドルのAmigaを今にも届けて くれそうでした。  人々はゲートウェイ2000がまさにアミガの、特別な、魔法のジェニーだと 心から信じているのです。  しかし、そんなことはありません。  今年の4月初め、ジェイマイナー・ソサイエティ(以下JMS)− Amigaを積極 的に推進しようと努力している団体 − は、著名なデベロッパー、ユーザとの 数ヶ月に及ぶ協議の後、The Industry Council and Open Amiga - オープン Amiga規格及び産業評議会−以下ICOA)を発足させました。この組織の目的は、 二つの事柄について検討し、実現させるための中心的なチームを形成すること。 その事柄というのが、Amiga独自の産業評議会(IC)と、宙に浮いたままのオー プンアーキテクチャとしての次期Amiga OSでした(校正者より:ICOAはICを正式 発足させるための過渡的組織という考え方でよろしいでしょうか?)。  1997年5月8日、(ICOAから)公式な質問書がゲートウェイ社へ送られ、11日に 45分にわたる電話会議という形で正式に回答されました。その内容は以下の通り。 1. World of Amiga press conferenceのスピーチにおいて、私たちICOAにつ    いて言及することを約束する(この約束は実際に果たされたばかりでな    く、アトランタでもペトロ氏が再び言及してくれた)。 2. 私たちICOAが正式な団体になるまで、ゲートウェイは私たちを公式に支持    することはできない。ただし、将来にわたって、公式に我々の支持をしな    い事を意味するものではない。  さて、ICOAフェイズ2が、日曜日のワールド・オブ・アミガ・ショーのDevCon において始動しました。JMSのメンバーの一人、Ben Hutchinson氏によって、世 界にその活動の目的を説明するプレゼンテーションが行なわれました。DevConか ら後の5週間で、ほぼ1000の個人と企業がICOAフェイズ2への支持、もしくは参 加を希望する登録を済ませています。  フェイズ2は、登録したデベロッパー全員と、数名の著名なユーザが参加する メーリングリストのみによって活動します。その目的は、どのようにして世界中 に散らばっているAmigaのデベロッパー全員を、プラットフォームを前進させる ために結集された、強力なフォーラムへまとめるかを討論する事です。  先週の月曜日の6月24日、暫定的方針検討委員会(Transitional Steering Committee - TSC)がこのメーリングリストによって選出されました。   委員会は下記の人々から成ります。 Alain Penders (Finale-Dev) Andy Finkel (Pios) Dean Brown (DKB) fleecy moss (JMS) Jesse McClusky (Boeing)  彼らは、1997年7月11日から1998年1月11日までの6ヶ月間という限定した期間、 任務にあたります。この委員会の使命は、指導役として取り組まれているメーリ ングリストの生きた議事録を活用して、ICを正式な団体として発足させること、 そしてAmigaの再生に向けて、ゲートウェイ2000とAmiga International(以下AI) 両社がどのように協力して活動できるのかという公式のディスカッションを通じ て両社を結びつけることです。  ICの成功のカギは、ゲートウェイとAIに受け入れられるかどうかにかかってい ます。TSCはできる限り早くオーナー達と接触し、面と向かってじっくり交渉し てICに招き、組織を将来に向け適切なものに調整していきたいと考えています。 これは来月にも実現させたいと思います  それでは基本に戻って、デベロッパー、あるいはユーザであるみなさんにとっ て、ICOAはどのような意味をもつのでしょうか。  ICの目的は、最も能力を持つ人々がAmigaの将来に向けてともに歩めるような、 有能な公の組織を作る事です。これは、選ばれた人々による方針検討委員会に、 投票権は持たないが拒否権を持つオーナー達を招く、上層部の組織として行われ る予定です。短期・中期・長期に渡る生産計画を決定する役割を果たすでしょう。 下層部や日常レベルでは、ワーキング・グループ(以下WG)の活動を通して意見 が交換されることになります。  WGは、方針検討委員会に意見を持つユーザーやユーザーグループによって、 Amigaの特定分野に絞ってスタートします。その分野は、新しいファイルフォー マット、ブラウザ・プラグイン・インタフェイス、ネットワーク・プロトコルの どれもあり得ます。委員会はそれらの意見に目を通し、利益性、実現性、既存の 企業・慣例へのインパクトなどの面から検討、採用または却下を判断するのです。  ひとたび採用されれば、WGは活発に、決められたスケジュールに従って活動し なければなりません。ICのメンバーなら、どんなWGにも参加できますし、どのWG も、全てのメンバーに対し完全に開かれたものになります。作業が終ると、WGは その成果をICに提出します。 このようにして、ICは自由に使用できる正式な公開規格を制定したいと考えてい ます。ライセンス料もなければ、強制されることもありません。この規格は、推 奨されるだけなのです。この規格はデベロッパーによって作られるものですし、 ICのデベロッパーはそれを自分たちの製品に適用するでしょう。だから、私たち はデベロッパーにこの規格を採用してほしいのです。 こうして、私たちはインターネット・エンジニアリング・タスク・フォースや、 公開されたリクエスト・フォー・コメンツ(RFC)の成功に続きたいと願って いるのです。 ICは官僚主義や独裁主義をとろうとしている訳ではありません − デベロッパー は、最初からICのことを、デベロッパー間の共同作業とAmigaプラットフォーム の積極的な推進のための、最も合理的かつ効果的な組織と確信して参加してくだ さるでしょう。 メーリングリストでは、誰が参加を許され誰が許されないべきかについて、多く の議論が交わされました。結局、すでにICに参加しているメンバーが、その候補 者がAmigaに対して積極的に貢献しそうかという点で判断するという、仲間内の 判断としてはエレガントな方法が取られるよう動いているようです。これは、商 用、シェアウェア、PDS、プラットフォームのサポート状況によって線を引くよ りは、ずっとフェアだと思いました。 ICが行き詰まるのを防ぐため、各々のユーザからの意見はJMSによって全て集め られ、内容を吟味した上でICに伝えられるでしょう。取るに足らないこ雑音を排 し、良いアイデア、批判、提言、質問がすべて確実に届けられるようにする為に、 きちんとしたシステムがJMSによって示されるでしょう。 個人ユーザ及びデベロッパーで時間に余裕のない方でも、会員として参加するこ とができます。これにより、ICはその任務を(パンクすることなく)果たしなが ら、関心をもった方々はすべてすばらしく有益な情報(ニュースレター、開発者 用/標準類CD、または、進行中のホームページを通してのWGへのアクセスな ど)にアクセスできるようになります。  それでは、オープンAmigaとはどんなもので、それがもたらす利益とはどんな ものなのでしょうか? この話題は、早い段階からIC自体で話し合われるべきだ と思われていたので、メーリングリストでは優先順位の低い話題とされていまし た。議論はOAを後回しにして、すべてICに注がれて来たのです。  簡単に申し上げますと、その考え方とはAmiga OSを特定のハードウェアに依存 した存在から解き放とうというものです。68xの遺物、PPC、Intel、Unix、埋め 込みコントローラ、そしてメインフレームに至るまで、様々なプラットフォーム を越えてAmiga OSが開花することを可能にします。この動きは、どんなハードウ ェア・サードパーティでも公開された規格に基づいて簡単にHALを書くことを 可能にします。そしてOpen Amiga operating system(OASYS:当時)は、そのH AL(Hardware Abstraction Layer)上で動くのです。従って、ABox、Pios One及 び既存の68kマシンは、理論上新しいOASYSを実行出来るはずです。 これは今現在、議論の段階に過ぎませんが、私たちは既にインテリジェントな HAL(Hardware Abstraction Layer)、Open Software Foundation(公開ソフト ウェア規格)のArchitecturally Neutral Distributable Format(アーキテク チャに依存しない、配布可能なフォーマット:ANDF)、標準化されたDynamic Object Data ports、プリエンプティブなメモリ・プロテクションのソリュー ション、そして下位互換性のとり方についても話合いを持ちました。 もちろん、これらのアイディアをOASYSへ具体化するには、かなりの部分がAIと ゲートウェイの姿勢にかかっています。また、ICが自身のアイディア、プラン、 戦略を素速く展開させる間、私たちはオーナーの皆さんに最初から素速い対応を もって参加していただきたいと思います。  最後に、ICの成否は、どれだけデベロッパー・コミュニティと係わり合い、協 力できるかにかかっています。 私たちは、過去、北米以外とヨーロッパ圈が、 オーナーといわゆるAmigaグループの双方にほぼ完全に無視されてきたことを、 痛いほど知っています。ICは、このようなスタンスはとりません。我々にとって、 Amigaコミュニティはどんなコミュニティにも負けないくらい現実的な存在であ り、メンバーは全員、何処にいようと(ICへの)アクセス、イベントに参加し、コ ミュニティに反映されるだけの行動を起こす決断力を持っているに違いありませ ん。  今までこのスピーチをできなかったことをお詫びさせて下さい。私自身、 World of Amigaへ行く事ができなかったのです。正式な組織になるまで、私たち にはほとんどお金がありません。不幸なことに、飛行機のチケットを買うのに必 要なのは、ルックスではなくお金なのです。(どっちみち、そのルックスもター ミナルのトイレへと私を連れて行っただけでしょうが)  ゲートウェイは、Amigaを買い取り蓋を開けて見ると、活気に満ちた、熱烈な うるさいコミュニティが存在しわめき立てるのを見て、とても素直にショックを 受けました。 彼らは何をすべきか判断がつかず、協力してくれるパートナーを 探していました。これはコミュニティ自身にとってはその存在を主張し、力と汗 を提供し、共にある目的の為に協同して働くまたとないチャンスです。その目的 とは、最後になりましたが、私たち全てがたどり着きたいこと−Amigaをコンピ ュータの山の頂点へと呼び戻すことです。  ICのサポートをよろしくお願いいたします。−JMSのウェブ・ページ (www.jms.org)にリンクがございます。  どうぞ、Amigaを信じてサポートを続けて下さい。責任あるオーナーが不在の 時、Amigaを活かしていたのは、みなさんなのです。最後に、私たちの全てが Amigaなのです。  ご静聴有難うございました。