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 草野心平編『宮澤賢治研究』(昭和十四年九月 十字屋書店)の「宮澤賢治年表」によると「二月、国柱会の高知尾智耀氏の奨めもあり、文芸に依り大乗教典の真意を拡めんことを決意す。」とあるが、その根拠は詳らかでない。

 『校本宮澤賢治全集』第十四巻の「年譜」では、大正十年の二月の項で高知尾智耀氏の回想である「宮澤賢治の思い出」(「真世界」 昭和四十三年九月)をもとに「これにより、賢治は「高知尾師ノ奨メニヨリ法華文学ノ創作」へと志してゆく。」としているが、高知尾氏の回想には「奨メ」が二月であることを確定付けるような記述が存在しないので、これを根拠に二月とすることはできない。