磐田で行われたジュビロ戦について、Kyoko
Saito様より観戦記をいただきました
本人の了承を得て、ここに転載いたします
1997年5月7日(水) ジュビロ磐田スタジアム 19:00 KICK OFF 雨
ジュビロ磐田×横浜フリューゲルス
フォーメーション
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I 楢 崎 I
+------------+
大 嶽
薩 川 前 田
森 山 三 浦
山 口 サンパイオ
バウベル ジーニョ
服 部
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鈴木将 マビリア
名 波 奥
アジウソン ドゥンガ
山 西 福 西
遠 藤 鈴木秀
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I 大 神 I
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SUB
ジュビロ フリューゲルス
GK 尾崎 GK 佐藤浩
DF 勝矢 MF 佐藤一
DF 田中 DF 埜下
MF 藤田 MF 原田
MF 久藤 FW 大久保
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まず、雨が気になりました。フリエは雨の日と寒い日に弱い記憶が...。
メンバーで気になる点はフリエはスタメンに関してはいつものメンバーだがサブのフォワードに大久保が入って
いること。4月27日のサテで光岡が一発退場した事が一番の原因でなのでしょう(おそらくこの試合も出場停止)。
しかし、それ以上に気になるのがジュビロの布陣です。あのアジウソンが最終ラインにいません。遠藤が入っ
て、アジウソンはドゥンガとボランチを組んでいます。「そんなに遠藤ってディフェンスうまかったっけ」と思いつつ
ちょっと首をかしげました。これが後々恐ろしい伏線となるんだけど。中山とスキラッチは怪我でお休み。
ゲームが始まると、序盤はジュビロペース。ジュビロの方がパスがつながっています。
しかし、流れは少しずつフリューゲルスに傾いてきます。
フリエのメンバーには気負いが感じられました。みんな相手がジュビロであることを意識し過ぎているようです。
気迫がこもっている事自体はいいのだけれど...。
前半、選手について印象に残っている事を書いていくと...。
楢崎は試合開始直後、結果的にはオフサイドであったが鈴木将のシュートをパンチング。オフサイドとわかって
いながらきちんと対処するところが彼の強さの一因なのかもしれません。名波が恐ろしい勢いでドリブルで切り
込んで来たのをゴール際で止めたのは溜息が出る程見事でした。
ちょっとマイナスの方向で気になったのは三浦アツでした。チームでもテクニックで知られる彼が、なんでもない
ボールを外に出してしまう場面が多々ありました。いつものアツよりディフェンスの意識が高かったような気がし
ます。
森山は、前半はいつものように開き過ぎて孤立する場面はほとんどなかったように思います(私の席の逆サイド
だったせいかもしれませんが)。アツ同様ディフェンスの意識は高く、ディフェンスのラインに戻るタイミングはなか
なかよかったと思います。
山口は、いつもながら派手さはないですが、やっぱり安定していました。ハーフバックの二人がデイフェンシブ
な為か、山口はいつもより攻撃参加に積極的でした。惜しいシュートが2本ありました。
ゴール前の決定的なチャンスはなかなか生まれませんでしたが、それでもバウベルの裏へ走り出すタイミング
は良いと言ってもよかったです。
バウベル・ジーニョ・サンパイオはジュビロのディフェンスを掻き回していました。
このゲームで一見有利と見えて、実は不幸を生み出すことになったのは、主審のモットラムさんのジャッジでし
た。なんとなくフリエよりと思えない事もない。ジュビロの選手がたて続けにイエローを食らってしまったんです。
こうなると、ジュビロのサポーター、怒る怒る。あまり話題にはなりませんがジュビロのサポーターは結構気が
荒いんです。ブーイングだけでは済まず、段々スタンドは険悪な雰囲気になって行きます。
スタンドの熱気は、フィールドに伝染して行きます。両チームの選手たちも必要以上に闘志を剥き出しにしてヒ
ートアップしています。
そんな中、前半35分頃服部がイエロー2枚で退場になります。私はボールの行方に気を取られて詳しい事を見
落としたのですが、服部がジュビロの選手と小競り合いになって、怒りだした服部が「非紳士的行為」でこの日
2枚目のイエローをもらい退場となりました。
服部は納得がいかなくてなかなかピッチから出て行きません。ジュビロサポーターのブーイングは激しくなり、
フィールドでも険悪な雰囲気が流れ、乱闘になってもおかしくない状態でした。
その場はどうにか服部の退場だけで済みました。
これは、どうもジュビロのサポーターの挑発的な雰囲気にお付き合いしてしまったというのが正しいのかもしれ
ません。特に服部は、彼のシュートを見てもおわかりのようにしたたかな狡さを持っていません。良くいえば素直
なんですが、腹芸というものができないタイプですからねー。
一人減りながらも前半は0-0でしのぎきります。
後半からは、両チームとも努めてラフにならないようにと気を配っていました。サポーターもあまりヒートアップし
なくなりました。
ジュビロは後半頭から前半に怪我をした鈴木将に替えて久藤を投入。しかし、出だしからフリューゲルスペー
スで試合は進んで行きます。10人になった事がプラスになったのでしょうか。フリエの選手たちの動きは活発に
なります。
そんな中、後半3分頃、ジーニョがボレー(だったと思う)でゴールネットを揺らします。このシュートは見事でし
た。
後半10分頃から試合が中だるみ状態になっていきます。だらだらとした空気の中、藤田がアップに向かったの
でしょうか、ジュビロのゴール裏から「トシヤコール」が起こります。
中だるみ状態の中、山口の攻撃参加が目を惹きます。前半は調子のよかった山西らジュビロの若手のミスが
増えて来ます。
後半18分頃、恐怖の時間がやって参ります。遠藤に替えて藤田。ドゥンガとボランチを組んでいたアジウソンが
最終ラインに下がります。
ナビスコの第一戦をご覧になったかたはお分かりでしょうが、アジウソンのディフェンスは実に素晴らしいので
す。
この交替で一気に形勢が逆転したわけではありません。フリエのディフェンスは崩れません。
後半16分頃、楢崎がシュートをパンチングし、ジュビロのCKとなります。そしてCKから福西が合わせてゴール、
1-1の同点となります。ジュビロペースと呼べるようになったのはむしろこの辺からです。
それでも、薩川の一対一は冴えていました。
余談ですが、同点になった後、ピッチの外に出たボールを蹴り返したジュビロのフェリペ監督の靴がボールの後
を追っかけてピッチの中へ入ってしまった、というハプニングがありました。
ジュビロに主導権を奪われてフリエゴール前での混戦が増えて来ます。なんで入らんのジュビロってくらい...。
しかし、ついに後半28分頃ドゥンガがジーニョのゴール以上のビューティフルゴールを決めて2-1で逆転します。
最近フリエに引導を渡すのはいつもこの人です。前半は結構変なミスしてたくせに...。
後半32分頃、ついにオタシリオが動きます。大嶽に替えて、大久保。スゥィーパーの大嶽を下げて4バックに近
い形にしてそれ以外の人間はどんどん攻撃していくというのを意図していたのでしょうか。
大久保に関していえば、惜しみなく走りまわっていました。ただ、前線で彼にボールが渡るチャンスはなかなか
ありませんでした。
後半40分頃にはPKでダメ押しの3点目を入れられてしまいます(PKを蹴ったのはアジウソン)。
ゲームの終盤には名波、マビリア(それまで影が薄かったのに)、藤田の三人に中盤より前を掻き回されてしま
います。
そして試合終了。
試合全体の感想は、勝負として、ジュビロが勝つべくして勝ったゲームでした。私は10人で良くやったと思いま
すし(一旦は勝ち越したのだし)、選手も帰りのバスではむしろサバサバした顔をしていました。
負ける事自体は、服部の早い時点の退場で決まってしまったようなものでしょう。
フェリペの藤田投入のタイミングも絶妙だったのでしょう。藤田は中盤より前の選手なので彼の投入にほとんど
目がいってしまいますが、アジウソンが最終ラインに入った事の方が実はフリエには痛かったのではないでしょう
か。最初からフェリペ監督はそのつもりだったのかも。
最後にひとつ。
イエローやレッドをくらってしまうのは避けて欲しい事ではあります。でも熱くなってプレーがラフになったり、イエ
ローをもらってしまう事が増える背景には、敵地での戦い方に対する研究がまだまだ不足している事があるような
気がします。
「このスタジアムで、このサポーターに囲まれて試合をするとこういう雰囲気の中でプレイすることになる」といっ
た事をもっと研究し対策を立てて欲しいのです。差し出がましいようですがこれは選手や外国人監督にはなかな
かできない事だと思いますので、どうかチームのスタッフに配慮していただきたいなあと思います。
例えば、カシマにおいてはフリューゲルスは好敵手的な迎え方をされます。しかし、磐田においてはこれから先
どう扱われるようになるのでしょうか。敵地なんだからあまり考え込まなくてもいいと言われそうですが、圧倒的な
アウェイのスタジアムにやって来るサポーターの安全等も考えていただければこれは決して無駄な事ではないと
思います。
最後、ちょっと観戦記のワクを越えてしまいましたがこれで私の観戦記、シメさせていただきたいと思います。
Kyoko Saito
Kyoko
Saito様、ありがとうございます!