日数教・山口大会 ポスターセッション

インターネットを利用した数学の学習

メーリングリスト『nekopapa-kids』の活動






 このメーリングリスト(以下ML)は、インターネット上で算数・数学の
ホームページを開設されている先生方や、選択数学の授業等でそれらの問題
に取り組んでみえる先生方の情報交換を目的に開設をしたものです。   

 具体的な活動などについては、以下のホームページに詳しいことが掲載を
してありますが、今回はポスターセッションという形で、日頃の活動の様子
などを紹介したいと思います。                    

  ML『nekopapa-kids』のホームページ             
      http://www2.gol.com/users/nekopapa/nekokids/


本年度、MLで交わされた話題より・・          


(1) 『1998 夏休みの課題』                 

 昨年度、インターネットの特色を活かした実践として、MLに参加されて
いる先生方に作問をお願いして『1997夏休みの課題』を実施しました。
 これは各先生方のホームページ上に問題を作っていただき、目次のページ
からリンクを張るという形で、一つの問題集ができあがるというものです。

 本年度はこの企画を更に発展させ、中学生による出題を取り上げて実践を
行っています。問題はこのレジメの2枚目に添付してあります。解答の受け
付けは9月いっぱいを考えておりますので、ぜひ出校日や2学期の選択数学
の時間などに利用してみて下さい。                  


(2) 『生徒用MLの開設』                    

 本MLの開設当時からの目標のひとつとして「数学を通してコミュニケー
ションを」ということがありました。これは数学の話題をやり取りする中で
コミュニケーションの力を養い、さらには数学に対する理解を深めることを
ねらいとしています。                        
 本年度、それをより具体的な活動に結びつけるために、『生徒用ML』を
開設しました。活動の状況としては6月にスタートしたばかりのMLですの
でまだ各学校の自己紹介が行われている程度ですが、2学期からは各学校で
問題を作り、それをMLを通して交換しあうことなどを計画しています。 


(3) 『2進数と点字』                      

 これは岡山大学教育学部附属中学校の川上公一先生の実践ですが、2進数
の学習に絡めて『点字』を取り上げた授業を行われました。授業で使われた
プリントや、名刺大のカードに点字を打つ器具などをポスターセッションの
会場に展示しておきますので、ぜひ一度ご覧下さい。          

 この授業の最後に次のような感想を述べられたそうです。       

点字の学習をして

---辞書 点字-------------
紙面に突起した点を一定の方式に組み合わせた盲人用文字。
現在世界各国で使用される3点2行の字は、1829年、フランスの盲人 
ルイ=ブライユの考案指先で触れて読みとる。
我が国では1890年石川倉次が翻案したもの。
--------------------------

普段何気なく見ている点字には、こんなにたくさん秘密が隠されている事を
知って、面白いなあと思った。                    
しかし、少しでも穴が削れていたり、へこんでいたら読めないので今後私が
そういう場面に出くわしたときの対応をきちんと考えておくべきだと思った。

------点字が使われている場所-----------
1 エレベーターのボタン
2 缶ビールの栓
3 駅などの階段、道路

などさまざまな場所に利用されている。
----------------------------------------
エレベーターの中の点字を調べてみた。
1○ 2× 3× 4○ 5× 6○ 7○ 8○ 9× 10× 11○

 これらは、実際に私のマンションのエレベーター内の点字である。
そして、私のマンションには実際に盲人の方が2人すんでおられる。
その人たちは7階にすんでおり関係はないが、2.3.5.9.10階の
点字がなければ大変困る。これは、自然にその部分がはがれたのではない。
誰かの手によってはがされたものだ。
 私はこれを見て、みんなは、何とも思っていないのか。直そうという気は
ないのか。と思い、家のテープに一生懸命穴をあけて、分かるようにして
番号をはっておいた。
 点字と言うことさえ分かっていなかったが、この勉強をして点字の大切さ
がよく分かった。
 今回のように、いたずら等があったら、なるべく自分のできる範囲で協力
していきたいと考えている。

 このレポートに対してはMLの中でも多くの反響があり、ボランティアで
点字を打っている方から次のような感想が寄せられたりもしました。   

 数学と点字がどのように結びつき授業となるのかとても興味を持ちました。
この話を私のグループの方にも紹介したいので、よかったら簡単な資料でも
いただけますか?

さて、レポートの生徒さんですがこうやって点字に関心をもってもらえて、
とてもうれしいし、その実行力もすばらしいです。

 点字について港区のライトハウスを訪れるといろいろ勉強できるし、器具
も購入できます。(注:ライトハウスは名古屋市港区にあります。)

 私はまだ駆け出しで未熟ですが、よかったらこれからも『共に頑張りまし
ょう』とお伝え下さい。

 ML参加者からも「生徒に教えられることの多い教材である」などのコメ
ントが多く寄せられた教材でしたが、このような話題が全国各地の参加者に
広められることも、メーリングリストの良い点であると痛感しました。  


(5) 『数学教育 8月号』                    

 『数学教育』(明治図書)に先程の川上先生をはじめとする、岡山大附属
中学校の先生かたが「インターネットで広がる数学教育」という連載を書か
れていますが、今月号では本MLを取り上げていただいています。    
 本ポスターセッションの発表者である藤井健二(愛知県・豊田工業高校)
も執筆に参加していますが、これも電子メールを利用して原稿のやりとりを
行い、記事になっています。                     


(6) おまけ『プラ板アクセサリー』                

 本MLには大学生の方も何人か参加していただいています。      
 この『プラ板アクセサリー』は、昨年まで大学生であった黒崎育男先生に
よるもので、教育実習先の子どもたちの作品作りなどもホームページに掲載
されています。                           
 市販の透明なプラ板とペン、オーブントースターで簡単に工作できますの
で、クラスのホームルームなどちょっとした時間に挑戦してみて下さい。 
(工作用のセットも販売されています。)               



お気軽にご参加下さい!                 


 以上のような話題の他、各学校や各地区の研究会の話題、インターネット
やパソコンの利用に関する情報交換など、『インターネットと数学教育』に
関わるさまざまな話題がMLを通して交わされております。       
 せっかくのよい実践も広く知られることがなければ、その価値は失われて
しまいますし、何より日本全国に多くの仲間がいるということはそれだけで
視野が広まりますので、電子メールアドレスをお持ちの方は、ぜひお気軽に
ML『nekopapa−kids』にご参加下さい。         

 参加申し込みは本レジメの最初にある『MLのホームページ』からも行え
ますし、ポスターセッション当日に発表者の藤井に連絡していただければ、
その場で登録も致します。                      







みなさんのご参加を心よりお待ちしております!





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           e−mail:nekopapa@gol.com