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■イラストレータ書類のチェック

使用フォントのチェック(アウトライン化忘れ) BACK

現象:指定したフォントと違う・全く違う文字がプリントされる・出力されない。
解説:PSプリンタやイメージセッターにインストールされていないフォントを使用した場合、リュウミンLの斜体に置き換わって出力される。当然使い物にならないので再出力が必要。
TrueTypeフォントはPSフォントと同名であっても文字コードが違うので部分的に文字化けする場合があるので要チェック。
対策:書類を作成中なら、フィルタ「フォントの検索/置換」で使用しているフォントを調べて、必要ならアウトライン化する。TrueTypeフォントは日本語・欧文共に必ずアウトライン化する。
イラストレータのファイルのチェッカーとしては、フリーウエアの「Illustrator Assistant」などを使用して調べ、必要に応じて書類を開いて修正を加える。

線色無しの塗り色のみのラインがないか BACK

現象:ラインが正常にプリントされていない・ラインが消えている・ラインがアミになっている。
解説:ラインがペイント設定で「線」の色無し、「塗り」だけに色が入っている場合、正常なラインがプリントされない(薄いアミの線のようになる)。レーザープリンタなどでは、正常な線に見えてしまう場合があるので気付きにくい。
対策:直前に選択されていたペイント設定が踏襲されるので、ラインを引く時点で注意する。完成したデータをチェックする場合はフィルタ「選択」を使い効率よく検索する。もしくは1本づつ確認する。

トンボが出力する版に入っているか BACK

現象:フィルムにトンボが入っていない・K版しかトンボが入らない。
解説:フィルタ「作成(トリムマーク)」でトンボ作成したトンボは、変換した時点では0.3ptのK100%になっているのでそのままだとK版しかトンボが入らない。
対策:トンボを作成した時点で必ず必要な色版の100%の線色を入れる。校了後最終保存時に必ずトンボを選択して確認する。

EPS(画像を含む)形式で保存したか BACK

現象:QuarkXPressやAdobe Separatorで配置できない(選択画面に表示されない)・画像がプリントされない。
解説:保存形式がEPS形式になっていない場合(つまり「Illustrator 5J」形式、アイコンに「EPS」が付いていないもの)イラストレータからダイレクトにプリントしていれば問題ないが(例えばレーザープリンタでの校正プリント)、最終出力(イメージセッタ)の場合はQuarkXPressやAdobe Separatorに配置して出力するので、EPS形式になっていないと選択できない。この場合、他のマックで保存をし直すと思わぬミスの元になる(開いた書類はそのマックの環境に左右されるので)。また、EPS形式でも書類に配置された画像がある場合は画像を含めて保存されていないと、画像の部分が空白(抜けた状態)になる。
対策:イラストレータで保存する場合−5.5J−「ファイル」メニュー→「別名で保存」→フォーマット「EPS」→「保存」→「配置されたイメージを含む」をチェック(配置画像が無い場合は選択できなくなっている)「日本語ファイルフォーマットを使用」をチェック、「ダウンロード用フォントデータを含む」はチェックしない。
−5.0J−「ファイル」メニュー→「別名で保存」→プレビュー「Macintoshカラー」、フォーマット「Adobe Illustrator 5J」、「配置されたイメージを含む」をチェック(配置画像が無い場合は選択できなくなっている)→「保存」 
※尚、EPS(画像を含む)保存は画像のファイルサイズ+書類のファイルサイズで保存されるのでファイルサイズが大きくなる。作業の効率が悪いので制作途中ではEPS形式でないほうが作業効率はよい。
※EPS(画像を含む)形式で保存してあっても、配置画像はイラストレータ書類と同じフォルダの同じ階層になければならない。

4色時の黒100%オーバープリント BACK

現象:墨版が毛抜き合わせになっている。
解説:黒100%がオーバープリント(墨ノセ)になっていないと、書類中のK100%の文字もすべて毛ヌキ合わせになり小さい文字などは見当ズレなどで読めなくなる可能性もある。部分的にしない場合や、バックの絵柄により下色を入れる場合もある。
対策:「フィルタ」メニュー→「カラー」→「ブラックオーバープリント」で全ての塗りと線にオーバープリントをかける(5.5)。場合によっては一部解除する。フィルタ作業前に全てのレイヤーを操作可能にしてロックも解除しておく。また、書類はそのままで(墨ノセしないで)Adobe Separatorやイラストレータの6.0E、7.0JからK100%オーバープリントのオプションを使用してフィルム出力する方法もある。
Quark上でイラストレータで作成したパーツを配置した場合、Quarkのオーバープリントが効かないのでイラストレータに戻って、同様の作業が必要。尚、イラストレータでオーバープリント後の色直しには注意する(黒以外のオーバープリントの項参照)
※スミノセについては印刷所と相談するべき。

1〜3色時の不使用版に紛れていないか BACK

現象:部分的にプリントされない(空白になっている)
解説:使わない色版に文字・オブジェクト・画像があっても、出力しないので当然その部分は空白になってしまう。特にK版を使わない場合は注意が必要。他の書類からコピー&ペーストした場合や新規で打ち込む文字、オブジェクト、ストリームラインでアウトライン化したアートなどその可能性が多い。
対策:制作時にいかに注意して作るかにかかっている。チェックとしては「フィルタ」メニューの「選択」で探す。文字には効かないので、別書類で文字全てアウトライン化した上で行えば作業が早い。(つまり別書類で見つけておいて本物の書類で直す。)画像についてはPhotoshopで修正する。尚、逆に使わない版をうまく利用する方法もある。特に緑・赤の2色のカンプ作成などY版をうまく利用して、最終的にC・M版を使うという方法。(Y版を捨てる)

黒以外のオーバープリントがないか BACK

現象:印刷時に指定色と色が変わってしまう・下色がヌキになってない。
解説:選択しているオブジェクトがいかなる色であろうとオーバープリントがかかっていれば、ノセになってしまう。黒100%以外、とりわけ中間色などでは致命的なミスになる。通常オーバープリントをチェックしない限りこういったミスは起こらないが、よくあるケースとして、前回作成したデータを元に新しいデータを制作するときに墨ノセになっているK100%の色を変えた場合、また、データ完了時にK100%オーバープリントをフィルタ処理した後で直しが入りK100%から色を変えた場合などがある。Y100のバックの上にM100のオブジェクトがある場合、M100にオーバープリントがかかってると結果的にそのオブジェクトはY100M100になる。色校正と印刷色が違う場合は(客先が納得していただけるならよいが)フィルムの再出力はもちろん、刷り直しになる。納期の迫っているものでは致命的で、精神的な負荷も大きい。このミスが起こる最大の原因は「画面上の見た目やカラープリンタ出力ではオーバープリント設定が反映されない」からである。つまり直感的に作業するDTPの利点はこの場合アダになっている。使用が意識的か無意識かにかかわらず、オーバープリントはこういったものだと知っておく必要がある。
対策:以前のデータを元に制作する場合は「フィルタ」メニュー→「カラー」→「ブラックオーバープリント」で全ての塗りと線のオーバープリントを解除してから作業する。新規作成時や出力直前の直し後のチェック方法としては、PhotoShopでイラストレータEPS書類を72dpi・CMYKで展開する(時間を短縮するにはデータに工夫が必要・画像は展開できない)方法が早い。オブジェクト全てを選択しておいて、ペイント設定のオーバープリントを塗り、線共にはずしてしまう方法もある。この場合破線のラインが実線になってしまうので、破線はロックしておいて後から個別で処理しなければならない。

色玉やカラーチャートを付ける BACK

現象:出力データ(フィルム分解・昇華プリントなど)にチャートが付いていない。
解説:何も付いていないと分版したフィルムがそれぞれ何版か分からない場合がある。また、チャートはフィルムが何色の版なのか解るのと、印刷時のインク濃度の判断と、システム全体のキャリブレーションのデータになるという3つの用途に利用できる。
対策:版数にかかわらずそれぞれの版に色玉やカラーチャートを付けておく。


■カスタムカラー(特色)使用時のチェック

トンボのチェック BACK

現象:フィルムにトンボが入っていない・1版しかトンボが入らない。
解説:ペイント設定では、例えば「C100%・カスタムカラー100%」という色の設定はできない。トンボに限ったことではないが、このような設定をする場合は同じオブジェクトを重ねておき、上のオブジェクトをオーバープリントにする。オーバープリントがかかっていなければ、下のオブジェクトは消えてしまう(プリントされない)。もちろん画面やプリンタでは確認できないのでミスが起こりやすい。
対策:トンボを作成した時点で必ずそれぞれのカスタムカラーのトンボを作りオーバープリントをかけておく。チェックは前述の黒以外のオーバープリントの項を参照。

配置した特色画像と同版で出力されるか BACK

現象:画像が抜けている・画像の部分が空白になっている
解説:カスタムカラーで制作し画像も使用する場合は、画像のカスタムカラー色設定とイラストレータのカスタムカラー色の設定を合わせる必要がある。これが出来ていないと画像が欲しい版にプリントされない。複数のカスタムカラーを使う場合も同じ。また、CMYKのいづれかの版を利用して制作し、K版以外の版に1色画像を配置する場合も同様で、グレースケール(の場合はK版しか入らない)からカスタムカラーに画像をPhotoShopで変換する必要がある。CMYK画像を使用してもよい(データが大きくなる)。尚、同じ色のカスタムカラーでも、イラストレータのオブジェクト表示色と配置画像の色はそれぞれ作ったソフトが違うので大抵違ってくるものである。
対策:PhotoShopで作った(後述)カスタムカラーの画像を、イラストレータに配置して一度書類を保存して閉じる。再度書類を開くと画像のカスタムカラー名が、イラストレータのペイント設定中のカスタムカラー選択ボックスに表示される。色が入っていない場合があるので、「オブジェクト」カスタムカラー設定(又は、選択ボックスからダブルクリック)でそれらしいカラーをセットする。


■配置画像について(Photoshop)

画像の補正は正しいか BACK

現象:画像が暗い・明るすぎる・色合いがおかしい・色かぶり・など。
解説:最終段階でチェックすることではないので、必ずデータの制作過程でしっかりやっておく必要がある。「ゴミ取り」「網点除去」「ハイライト」「シャドウ」「ガンマ(レベル)」「トーンカーブ」「シャープネス(アンシャープマスク)」などは最低限必要。印刷されるメディアや線数によっても設定が変わってくるのでよく把握しておく。印刷用紙が制作途中で変わる可能性も多分にあるので対処できるよう考えておく。これらがしっかり出来ていないと刷り上がりが思っていたものと全く違う物になる場合もある。
対策:モニタのキャリブレーションの具合によって色の見え方が違うので(グレースケールも同じ)、基本的には色情報の数値をカラーチャートブックで調べるほうがよいが確実だが、必要に応じて画像のみ昇華プリンタ(プリンタ自身のキャリブレーションが必要)や印画紙で出力して確認する。画像の補正技術は経験にたよる部分が多く、また、画像の個性や使われたかにより異なるのだが、標準的な各数値を理解することと、違う設定で何種類か作ってみたり実際刷り上がった印刷物を参考にする。また、場合によりスキャンプレップ・プロなど使用する(手でいいかげんに補正するよりよい結果が得られる場合もある)。

画像の解像度は大丈夫か BACK

現象:画像が粗い・ボケる・出力に時間がかかりすぎる・など。
解説:配置画像に必要で適正な解像度がないと調子が崩れてしまう。
対策:解像度は画像を使うにあたり基本的な部分なので注意する。画像の解像度は基本的には出力線数の倍の数値が必要で、175線なら350dpiが必要となる(配置が100%の場合)。「(出力線数×2)×使用する倍率」が計算式で、スキャニングソフトが計算をしてくれる場合が多い。解像度が足りなければドットが目立ったりナナメの線がギザギザになったりする。また、異常に解像度が高い場合シャープネスが甘くなりボケた感じになる。また解像度が必要以上に高いとそれだけ出力時間がかかってしまう。例えば350dpiでスキャンした画像を、イラストレータに配置して25%に縮小した場合、実質的に1400dpiの画像を配置していることになる。逆にイラストレータに200%で配置した場合、実質的には175dpiしかないことになる。縮小配置なら割と結果オーライが多いが、拡大配置は基本的にはしない(絵柄により大丈夫な場合はあるが、110%〜120%くらいが限度。フィルムにしないと結果が出ないので結構「賭」になってしまう)。尚、白黒2値の場合は1200dpiは必要。対策:使うサイズに合わせて倍率を出し、適正な解像度を設定する。同じ画像をサイズを変えて何度も使う(例えばチラシの商品写真など)場合は解像度を高くしてスキャニングしておきある程度の補正をしておき、元画像として保存しておき、それを元にサイズを合わせた適正な画像を作るといった工夫も必要。ともかく最後に確認するような事ではないので画像を仕上げる段階で確信を持って作っていくのがベスト。

4色時CMYKモードになっているか BACK

現象:出力されない・分解がおかしい・分版されない・K版に分版されずにプリントされる。
解説:カラー画像がRGBモードのままだと、出力されなかったり、分解できなかたりする。必ずCMYKモードにする必要がある。
対策:「モード」メニューで「CMYKカラー」を選択する。「ファイル」メニュー→「環境設定」→「色分解」で「CMYK/J 3.0」(特にCMYK/J3.0色分解テーブルに限る訳ではないが、Photoshopの初期値だと墨版が多くなり過ぎで、印刷上濃すぎる場合がある。CMYK/J3.0テーブルを使うと無難に仕上がるが、印刷所によっても異なる)を先に読み込んでおく。CDのフリー画像などは大抵RGBになっているので注意する。

配置画像はEPS(バイナリ)になっているか BACK

現象:ポストスクリプトエラー・画像がK版に分解されずプリントされる。
解説:画像は通常EPS形式(エンコーディング「バイナリ」)を使用する(イラストレータ5.xではEPS以外だと配置できない)。PhotoShopでEPS画像をJPEG圧縮している場合、ポストスクリプト・レベル1のプリンタではポストスクリプトエラーになる。レベル2のプリンタではプリントはされるが分版されない(K版のみにプリントされる)。モノクロレーザープリンタでは問題なくプリントされてしまうので、フィルムに出力されるまで気がつかない場合もある。また、イメージセッターのRIPもポストスクリプト・レベル2なので出力はエラーが出ずに行われるが、カラー画像がグレースケールになってしまう。
対策:PhotoShopで画像を開き「ファイル」メニューの「別名で保存」で確認する。エンコーディング「JPEG(最高画質)」になっていたら「バイナリ」に変えて保存し直す。保存してある以前のデータ中の画像を使用する場合、大抵JPEG圧縮してあるので注意する。また、ファイルの容量である程度予測はできる。

ダブルトーンの色版がイラストレータと同じか BACK

現象:画像が抜けている・画像の部分が空白になっている。
解説:イラストレータでカスタムカラーを使い、画像も配置する場合やCMYKのいづれかの版を利用して1〜3色のデータに単色の画像を配置する場合などは、色の設定ができていないと正常に出力されない。(前述参照)
対策:PhotoShopでモードをグレースケールからダブルトーンに変えて色を設定する。パレットで「カスタム」でDICカラーで選択するか、ピッカーで色を決め名前を付ける。CMYKのいずれかをつかう場合も、例えばシアン版ならピッカーでC100%を設定して名前を「シアン」と、カタカナで入力する。ダブルトーンとデュオトーンはこの方法を用いる。この後、イラストレータ上の作業に移る。確認は、PSプリンタで分版のシミュレーションを行うのが一番確実な方法である。尚、2色・3色分解の場合はCMYKモードを使用する(ダブルトーンとは意味が違う)。