雑誌ような文庫



書店に行って、ファンタジーのコーナーを見ると分かるのだけれど、イラストが表紙になった文庫が凄い数が出ている。こういう世界があるとは、自分の本が出ることになるまで気がつかなかった。知っているのはソノラマ文庫とコバルト文庫ぐらいなものだ。ひとつの文庫について、月に3〜5冊が定期的に出版されている。年間なら平均して40冊くらいにもなる。1人が年に3冊として、作家は14〜15人必要になるわけだ。売れっ子の作家は予約済だから、なかなか新興の文庫には書いてくれない。必然的に作家を捜すか育てなくてはならない。賞の設置もこういう目的だろうな。何人かに1人でもコンスタントに売れる作品が書ける作家が出れば・・・ということでしょう。
僕が本を出したとき、賞をとった人も含めて6人が本を出した。僕を含む3人は1册で終わった。大賞をとった人は4〜5册出した。佳作の人も10册近く書いたのかな? いまもあの文庫で書いているのは女性の人ひとり。賞は取ってなかった人だけれど、コンスタントに出している。他の人は、どこかで書いているんだろうか?
ついでにいうと、本にしてあげるの安売りは、第1回目の僕たちのときだけで、第2回目からは大賞受賞者だけになったみたい。もっとも、可能性のある人には連絡をとってアドバイスして、書けるようになった人はデビューしてる見たい。
ま、僕の出版というのは、大変にラッキーだったというほかないですね。第2回目以降だったらなかったことだ。ま、それで僕の人生狂ったわけではないが。