1999年4月

微笑みをもう一度4/8渋谷東急3監督/フォレスト・ウィティカー脚本/スティーブン・ロジャース
猿顔のサンドラ・ブロックです。高校時代の花形カップル。夫が浮気。妻は実家に戻る。で、高校時代の目立たなかった友だちと再婚するという話。くだらねえ。手に職のない主婦という設定で、田舎に戻っても稼ぎがない。で、カメラが好きだからってDPEに勤めるんだな。この辺り、昔の目立たなかった友だちが意地悪するのは面白い。(ざまあみろ、の気分だろうし)で、自分でも写真を撮りはじめる。で、カレンダー写真のコンテストに応募する、みたいな話があるんだ。だから、きっと、これに選ばれて手に職をもつ女として自立していく、という展開かと思ったら、そうじゃなくて、目立たなかった男と一緒なっておしまいなんだよ。そりゃないよ。なんだよ。結局、女は男と一緒になればいいって? そういう時代じゃないだろ。これじゃつまらないよ。
マイティ・ジョー4/12渋谷東急3監督/ロン・アンダーウッド脚本/マーク・ローゼンタール、ローレンス・コナー
「キングコング」のパロディみたいだな。ラストまで見ると、わざわざ巨大ゴリラをLAまで連れてくる必要がなかったじゃねーか、と腹が立ってしまう映画。主演のシャーリーズ・セロンがかわいい。・・・でね、ある雑誌見たら、これリメイクなんだそうで。昔こういう映画があったんだって。1940年代に。で、その時の主演のカップルが、LAの動物園のパーティに出ているとかで、いろいろオマージュがあるんだって。ふーん。そうですか。でも、だからなんだ、ですけど。
グッドナイト・ムーン4/23渋谷東急2監督/クリス・コロンバス脚本/
離婚した夫婦。娘が一人。夫(弁護士)には同棲する若い女(広告写真家)がいる。(口がペリカンみたいな顔のジュリア・ロバーツ)娘は夫が引き取り、暮らしている。娘は、若い女に反撥(当たり前だわな)。捨てられた妻(元編集者)は、たまに娘と会うのを楽しみにしている。うーむ。アメリカならありそうな設定だ。2人の女が考え方の違いで反撥し、間に挟まって男は戸惑い、娘はいじける。そういう話。で、結局2人は歩み寄って、妙な4人家族状態になる、という・・・。まあね、そこには元の妻が末期ガンでもうすぐ死んでしまうという決定的条件を入れているから、そこに同情と共感が介入して、若い女の忍耐と我慢と理解へつながるんではあるが。この、末期ガンという要素がなければ、ずっと反撥しあっていくんじゃないのかな。それにしても、そういうありありの設定はともかく、人が人として生理的に反撥したり、一歩引いて容認したりという過程が上手に描かれている。ごく自然に。だから、ある物事をきっかけにして急転直下仲が良くなる、なんていうありがちな手はあまり使っていない(絵の書き方の手ほどきや、ロック音楽での心の通じ合いというのが、若い女と娘の間にはあることはあるが、決定的ではない)。だから、一時、仲が良くなったとしてもあるきっかけで再び反撥し合う要素をはらんでいる、ということをつたえてくれる。人間関係というのは、それほど単純じゃないんだよ、ということがつたわってくるんだ。その、危うさをありのままにさらけ出しているから、見る側も十分に納得できる。たんに、表面的な、映画のお話としての問題解決ではなく、問題はなかなか解決しないものだということを素直に表現しているのが、よろしい。しみじみと感動できる作品になっている。

 
 

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