1999年7月

ゴールデンボーイ7/2渋谷東急監督/ブライアン・シンガー脚本/ブランドン・ボイス
9年ぐらい前に読んでるんだけどな。細かいところはまったく忘れている。あれあれ。ちょっと怖い映画。いまひとつ、じわりじわりと戦慄が高揚していく緊張感が足りない。どっか間抜けなところと言うか、おとぼけなところがあったりして、中途半端な気がした。
25年目のキス7/7日比谷みゆき座監督/ラジャ・ゴズネル脚本/アビー・コーン、マーク・シルバーステイン
25歳の女が17歳に化けるというのは荒唐無稽だけど。その違和感を超えて心揺さぶるものがあるね。アメリカがいくらど派手な国でも、この手の奥手で潔癖症で理想が高いくせにブス(で決まって歯科矯正中)というのがいるみたいだね。その、ハイスクール生活に暗い思い出しかない女が新聞社で石部金吉よろしく校正係。が、とつじょ高校生として潜入取材・・・。でもって、みんな出てくる連中がいいやつばかりで。やなやつが出てこない。見終わってほっとするです。ああ。こういう普通の、美化されたアメリカの姿を、国民は求めているってこと?「メリーに首ったけ」もそうだったけど、現実逃避からかね、こういう描き方というのは。それに共感する私日本人も、米国民の感情と近くなっているのかな(「アメグラ」の世界とは、描き方がちゃうもんなあ)。ダメ女、ダメ男にも、夢を与えようということか。
ハムナプトラ-失われた砂漠の都7/7上野宝塚劇場監督/スティーブン・ソマーズ脚本/スティーブン・ソマーズ
途中でちょっと眠くなったぞ。有名な冒険活劇映画の見せ場だけを集めて、ストーリーは後からくっつけたみたいな映画。中味はからっぽ。CGが多用されているんだけど、細工物と違ってリアリティがないので迫力がない。だいたい、失われた砂漠の都に、あまりにも簡単に行けてしまうことがオカシイ。しかも、封印を破ってしまった張本人たちが生き残るのも納得がいかないぞ。
交渉人7/15上野東急監督/F・ゲイリー・グレイ脚本/ジェイムズ・デ・モナコ、ケビン・フォックス
チラシの「壮絶な知能戦」なんてのはハッタリもいいところ。交渉力が鍵になっているわけではない。むしろ、いまどきこれが? と思うチープなところ(コンピュータのフォルダにあるんだもんなあ・・・)に、重大に鍵がある。さらに、裏で糸を引く意外な人物の登場も偶然で。最後は肉体的なちょっとした駆け引き。うむむむむ。まあしかし、1場面ものの設定で2時間もたせる脚本はさすが。無理矢理といった長引かせ方や強引な偶然を入れ込んだりしていない。ごく自然な時間の流れとことの推移を表現している。それでいて、どうなっちゃうんだろう? と客を惹きつける。まあ、もっとも、最後の10分ぐらいはご都合主義だったけれど。というマイナス面を差し引いても、なかなかに密度の高い内容で、十分に楽しんでしまった。もっとも、字幕だけでは分からないいろいろなことが、ありすぎだけど。どうして? あれはなんだったの? てなものが、わだかまりとなって残っておるぞ。
プレイバック7/29シネマミラノ監督/ジェラール・クラウジック脚本/ジェラール・クラウジック
原題の「ヒロインズ」の方が分かりやすいけどな。変なタイトル。まあいいや。久しぶりのフランス映画。この、いい加減さが、たまらなくいい。あまり意味のないカットがだらだらつづいたり、ロジックじゃなくて感覚的にストーリーが進んだり。オープニングの狙撃事件も、結局たいしたミステリーは含んでいないし。主たるストーリーはよくある話で、才能ある裏方と無能だけどスポットライトを浴びる2人の物語。グループで売り出す歌謡チームは、みんなこれで潰れていくんだ。まあ、それはいいとして。歌われる歌が、どーもチンケなのが多い。民謡か? と思ってしまうようなものや、香港ポップスに似た感じのとか、どうもロック後進国の楽曲がつづく。まあね、いくつか、いいのもあったけど。でもまあ、重箱の隅をつつくのをやめれば、なかなか面白かった。もう少し、フランス映画らしい気怠さがあると、もっといいんだろうけど。え、それに、ババアのマリー・ラフォレは、見たかあないなあ。

 
 

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