2000年9月

さくや 妖怪伝9/3渋谷東急3監督/原口智生 特技監督/樋口真嗣脚本/光益公映
退屈であくびが出た。見るんじゃなかった。時間のムダだった。内容はお話にならない。ドラマがない。映画になっていない。よくもこんなにつまらなくつくれたものだ。SFXなどの特撮も、人間がからまないところだけね、ましなのは。主演の安藤希の棒読みセリフと鈍感な動きには、迷惑した。日本映画の体たらくを代表する1本である。まあ、見どころは塚本晋也の傀儡師の演技と松坂慶子の妖怪かな。
パーフェクト・ストーム9/5上野東急監督/ウォルフガング・ペーターゼン脚本/ビル・ウィットリフ
ハリウッドの大作だから、大したことないかな・・・と思って見始めたら、そのままほとんどノンストップでラストまで引っ張られてしまった。なかなか気骨のある映画です。まず、話の骨格がしっかりしている。正々堂々のストーリー展開だ。まあ、これは、新鮮味がないということにもつながるのですが、奇をてらう必要もなかったのでしょう。そして、人物がよく描かれています(黒人の漁師はほとんど描かれていなかったが)。といっても、描き方はステレオタイプなのですが。さらに、人としての愛情がにじみ出ています。これね、昔ながらのオーソドックスな描きき方ですけどね。というわけで、とはいうものの、とりあえず見せてくれました。CGの精度も高く、いかにもミニチュアというシーンはなかったし、波やうねりもリアルそのもの。セットらしいシーンも見分けが着かず、ウソ臭くないところがいいです。でまあ、個人的な注文を言うとすれば、ジョージ・クルーニーって淡白すぎて主役の器ではないような気がするんですが、アメリカ人の気持ちは分かりませんね。さらに、ジョージ・クルーニー演ずる漁船の船長も単なる無謀なアホなんだけど、彼が演ずると、いい男に描かれてしまうのは、うーむでした。だって、ヨットで台風に突っ込む意固地なじじいがでてきていましたが、こちらはただのアホに描かれている。やってることは同じなのに、これは差別だ! と思ってしまった。それに、ラストだねえ。うーむ。こうなってしまうのかあ。なんだよー。って感じ。
M:I-29/6上野宝塚劇場監督/ジョン・ウー脚本/ロバート・タウン
タイトルは、「ミッション:インポッシブル-2」ってことね。ヒット作だからなあ、とりあえず見とくか、ってな月一映画の日。ま、1000円ならいいか。で思ったのは、なんだこれ、007じゃん。しかも、ノリは「フェイス/オフ」と基本的には変わらん。「おお、かっこいいな」と感じたのは、テンポのいいオープニングからハイジャック、そして、どうやって撮ったのか?のロッククライミングシーン。合成かな? そして、カーチェイスまで。あとは、説明とストーリーを追うというかね押しつけられていく感じで、いまひとつ突き刺さってこない。最後のアクションも、クルマからバイク、素手へとなるのが、やっぱ「フェイス/オフ」じゃん。というより、鳩のジョン・ウーってか。市内ではなく郊外のバイクシーンやアクションは、日本映画だってあの程度はやってるよな、というもの。どんなどんエスカレートっていうトレンドとは、趣を異にする。どんどん泥臭くなっていく。私は、どんどんつまらなくなっていった。ヒロインに魅力がないのも、ちょっとね。表面的な部分を疾駆しているって感じですな。
TAXi29/15上野東急監督/ジェラール・クラヴジック脚本/リュック・ベッソン
90分。くだくだなくて、一気呵成。スキがないというかムダがない。最後はカーチェイスになっちゃって、見てるだけだったのでちょっと眠くなった。けど、オープニングからの勢いはよかった。日本人の扱いも・・・占い師が中国人じゃん、というの以外は、まあ、合格点。

 
 

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