2025年4月

ケナは韓国が嫌いで4/3ヒューマントラストシネマ有楽町シアター1監督/チャン・ゴンジェ脚本/チャン・ゴンジェ
韓国映画。英文タイトルは“Because I Hate Korea”。公式HPのあらすじは「ソウル郊外で両親と妹と共に暮らす28歳のケナ(コ・アソン)。大学を卒業後、金融会社に就職し、毎日片道2時間かけてソウル市内の会社に通勤している。仕事には関心がなく、上層部の顔色を伺う上司に辟易する日々。大学時代から長く付き合っている恋人のジミョン(キム・ウギョム)は、外国に行きたいと口にするケナに「自分が就職したら支える」と告げるが、ピントのずれた話をしがちなジミョンにケナは苛立つ。ケナは、ジミョンの家族との関係にも居心地の悪さを感じていた。だが、ケナの母は裕福な家庭で育ったジミョンとの結婚を待ち望み、折に触れて急かす。そればかりか、新しい部屋を購入するための費用もケナに出すように迫る。ケナが家族と暮らす小さな団地は老朽化が進み、再開発が予定されていた。地獄のような通勤、興味のない仕事、恋人との不透明な未来、古い価値観を押しつけてくる家族との息の詰まる日々---「自分には落ち度がないのに、ここでは幸せになれない」。ケナは、韓国を抜け出すことを決意する。」
Twitterへは「韓国が嫌いといいながら、海外で会った同胞に「年下なのにため口?」といいがかりつけたりする。隣の芝生は緑というか、理想を求めてさまようアラサー女(むくんだ井上真央みたい)の話だった。」
冒頭のエピソードは、ケナと上司の対立。何かの入札で、データを元にある会社を外したケナに、上司が「なぜ外した」とつめよる。ケナは、これまでのデータを元に外しました。というと上司は、仕事で必要なのは何だ? という。それにケナは、入札はフェアに行なう必要があります、てなことをいう。すると上司は、仕事は信頼だ。これにケナは、評価の低い会社に仕事を出すのが信頼ですか? そうだ、の言い合いになり、じゃあ辞めます、とキッパリ言ってしまう。なのでケナは情報を判断する力があり、正義感あふれてやるきのある女かと思ったんだが…。
面白いのは「辞める」と言われた上司がうろたえることで。いまの会社は部下が辞めると評価が下がるみたい。なので、来週から仕事の忙しくない総務に異動してやると言われたようだけど、キッパリと辞めて海外に行くことになる、という成り行き。なんだけど、ケナは韓国のどういうところが嫌いなのか、がよく分からんままなのだ。一番大きな要素は、「冬に寒い」のが嫌なようだ。アホみたいな理由だな。しかし、実家は寒くて、家の中で寝袋で寝てるなんて、あるのかよ。どの家にもオンドルがあるんじゃないのか。
で、なぜか行き先はニュージーランド。そこで語学学校? に入って2年間生活し、なんとか永住権を得ようという計画らしいんだが。渡航以降のケナの動向がぼんやりとしか分からない。同じ韓国出身の青年と出会ったのと、あと、いくつかバイトを繰り返したり、靴屋の同僚の西洋人(移住組か現地人か分からん)が冒険好きのSNS動画マニアで、ビルの屋上からパラシュート降下した動画をケナが撮ってアップしたのが警察に咎められ、永住権取得の障害になるかも、な話があるぐらい。
興味深いのは最初に会った韓国人青年と話していて、相手が年下だと分かったときで。「年下なのにタメ口かよ」とむっとするところ。なんだ。そういう因習はしっかり身に染みついてるんじゃないか。なにが「韓国は嫌い」だよ。ケナ自身が情に縛られてる。NZでも何人かの韓国人(?)とつきあって、いつも年下だった、な話もでてくる。それを気にすること自体、ケナは韓国の儒教文化にひたったままじゃないか。まずは自分から抜け出す必要があるだろ。と思ってしまった。
いっぽうでケナは、大学の同級生で、大学院にでも行っているのか、もうすぐ卒業という彼氏がいて、肉体関係をつづけている。これなんかは、儒教文化とは別の、いまどきの娘だ。なことを考えつつみてると、ケナの人格がよく分からなくなる。ケナを海外に向かわせたのは、いったい何なんだ? と。
この映画、NZでの生活の合間に韓国での過去がブツ切れでインサートされる。時制がぐちゃぐちゃなのだ。この過去に、ケナの同級生で、いまだに受験しているという友人がでてくるんだけど、これが得体が知れない。司法試験でも受け続けているのか? 貧乏で冬でも靴下なしのサンダルで歩いてたりするけど、この彼、だよな、の葬式の場面がある。自殺でもしたのか? は、いいんだけど、これは過去なのか? ケナの帰国後のことなのか? 分かりづらい。で、その後に、たぶんその彼と居酒屋で話す場面があって。さらに時制がぐちゃぐちゃ。なんだか、訳が分からなくなる。
おまけに、ケナの元彼(といっていいのか? ケナは帰国して、セックスしてたよな…)と、NZの学校で一緒になった年下の青年、受験男の顔の区別がつきにくいもんだから、話がすーと、っ入って来ない。
な感じの、ほとんど山なし谷なしのだらだら話なので、映画としてのヒキはない。
寒がりのペンギンの絵本があって、最初ケナはそれもNZに持っていこうとして、でも空港で荷物を減らすと言い出して、その絵本は元彼が預かった、らしい。絵本によれば寒がりのペンギンは南極を抜けだそうと氷の船で暖かい地方を目指すんだけど、船が溶けてしまってどうたらこうたら。ケナの状況をシンボライズしているつもりなんだろう。ケナはNZから帰国し、30歳になって、今度はバックバッカーとして旅立つ、という場面で終わっている。いくら韓国から逃げだそうとしても、つまりは、いくら環境を変えたとしたところで、本人=ケナの心構えや体質が変わらなければ、ダメなんじゃないの? ということを言っているのかね。ケナは、青い鳥をもとめて、一生旅を続けるのかね。自分を棚に上げたままで。
ところで、両親が家を買う、という話がでてきたけど、あれがよく分からなかった。娘のケナに300万ぐらい借りて、自己資金と合わせて転居するとかいう話だったけど、ケナがNZから戻ったら転居してたんだよな。両親が貧乏すぎて転居できなかった? 
そういえばケナはFラン大学出だとかいってたけど、韓国では女子でも金をかけてFランでもでないと仕事にありつけない? なんか、最初にでてきた会社でのんびり仕事してれば幸せになれたんじゃないのかね。たまに海外旅行する、でよかったような気がするけどね。
監督/●脚本/●
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