2025年5月

秋津温泉5/2シネマ プルースタジオ監督/吉田喜重脚本/吉田喜重
Wikipediaのあらすじは「太平洋戦争中、生きる気力を無くした一人の青年、河本周作は死に場所を求めてふらりと秋津温泉にくる。結核に冒されている河本は、温泉で倒れたところを、温泉宿の女将の娘、新子の介護によって元気を取り戻す。そして、終戦。玉音放送を聞いて涙する純粋な新子に心打たれた河本は、やがて生きる力をとりもどしていく。互いに心惹かれる二人だったが、女将が河本を追い出してしまったために、河本は街に戻る。数年後、秋津に再び現れた河本だが、酒におぼれ、女にだらしない、堕落してしまった河本に、新子はいらだちを覚える。そこで、河本が結婚したことを知った新子は、苦しい河本への思いを捨てきれないまま、河本を送り出す。その後、東京に行くことになった河本は再び秋津を訪れる。一途なまでに河本を思う新子、そして、優柔不断でだらしない河本は再び都会へ。さらに四たび秋津を訪れる河本、そのときには旅館を廃業した新子だったが、河本は新子との肉体の情欲にだけ溺れる。新子は、河本にいっしょに死んでくれと言う。そして最後、河本と別れたあとに、思いつめた新子は手首を剃刀で切るのだった。」
Twitterへは「有名だけど初見。吉田喜重だから観念的な話かと思ったら企画・衣装とか岡田茉莉子で、身勝手なバカ男に惚れるムダに一途な女の話で退屈だった。クレジットされてた役者の半分も分からず。セリフは聞きづらいし…。」
一部には、これが吉田喜重の代表作で最高傑作だ、なんて書いてあった。えええ? どこが? だよな。公開は1962年。当時とは価値観が違う? いや、本質的なところで人間は変わらないし、映画の良し悪しも変わらないと思うけどな。
冒頭は、どっかの焼け野原の焼け残りの家を訪れる河本。すでに住人の女がいて何か話すけど、セリフが聞こえない。火事なのか。空襲なのか。この家が河本の実家なのか。分からないまま天蓋のない貨物列車の中。この時点で戦中か戦後か分からんまま。苦しそうな河本。列車が止まり、人々が散っていく。敵機が来たのか? なにも映らなかったけど。で、人々が戻ってくるけど、河本は逃げずに列車にいて。さっき話してた女性に、秋津温泉に…。なことを言うと、女は「そこの女中だ」というので、「連れてってくれ…」と、息も絶え絶えな河本。
このあたり、なにがなんだかさっぱり分からない。この男はどういう目的で秋津温泉に行こうとしているのか? だれか知ってる人がいるのか? とか、さっぱり分からず。↑のあらすじにある「太平洋戦争中、生きる気力を無くした」とか「死に場所を求めて」はまったく映画では描かれていない。河本の病も、最初は結核とは分からない。なぜ秋津温泉なのかも分からない。
なんとか着いたけど軍関係で部屋は埋まってるといわれ、でも布団部屋に入れてもらって。でも、頭を壁にぶつけたりもだえまくってる。いったい何を苦しがってるのか? さっぱり分からない。そこに新子が逃げ込んできて、布団の中に隠れる。どうも新子が、日本は戦争に負ける、と言ったのを「聞き捨てならん」と怒り心頭に発した兵士か将校が「女を出せ」と息巻いている。まあ、当時そんなことを兵隊の前で言ったら、そうなるわな。兵士の怒りは収まったのか、電気を点けると河本は血を吐いていて、医者の世話になるが、連れてきた女中は女将に嫌みを言われる。当たり前だわな。
明言はされてなかったけど、結核のようだ。ならば人が嫌がるだろうに、その気配がない。隔離するかと思うと、そうでもなく、部屋をあてがわれて寝ている。そこに新子が入り浸り。なんだこの娘は。結核が怖くないのか。変なの。新子が「東京の大学を出たんですって?」なんていう身の上話を、河本は誰にしたのだ? 新子と母親? が歩いていると玉音放送を聞く兵士や学校の人々に遭遇し、最初は何のことか分からなかったけれど、日本は負けた、と知る。ここで新子は「ほーら。ざまあみろ。言ったとおりじゃないか」と浮かれるかと思いきやそんなことはなく、家=温泉宿に戻ると号泣するというのだから、よく分からない。だんだん元気になる河本と新子はなかよくお出かけ散歩したりして、なんかいまいち良く分からない。だいいち、河本はこの温泉に来た目的は何だったんだ? が解決しないままなので、もやったままだ。さらに、17歳らしい新子が河本に惹かれているらしいんだけど、その理由がまったくわからない。病気なのに浴びるように酒を飲み、街場のバーに入り、やたら煙草を吸う。ぐらいのエピソードしかなくて、とくにドラマもない。話に説得力はないよな。
以降の流れは…。なぜか河本が岡山の飲み屋にいる。つきあってる女がいるようで、その女の兄は売れない小説家のようだ。で、5年後に河本は秋津温泉を、なぜか再訪する。で、またまた新子と河本の、くっつきそうでくっつかないロマンスもどき。で、帰っていくんだけど、いったい何日ぐらい滞在したんだか。よく分からん。印象的な場面も特にないし。
4年後? 河本は結婚していて(?)、女は女房になっているのか? 子どもがどうの言ってたような。なところに、義兄が文学賞を獲ったという連絡が入り、いじけた表情の河本。それが原因なのか、またまた河本は秋津温泉を訪れる。結婚して子どももいる、と話しているのに、なぜか相変わらず河本に惹かれている新子。初めて会ってから10年と話していたけど…。年数が合わない。さて、このときは、どんなエピソードがあったっけ? 単調すぎて憶えてないよ。新子の母が死んで、だっけ? 温泉を自分で経営していくと決めた、と話していたっけか? 河本は芸者を上げ、酔いまくる。それとは別の日だっけか? 新子が酔ってて、河本と飲み直しになり、気づくとなぜか河本は布団の中で。襖を開けるととなりで新子が着物のままでうたた寝していて。その後、なんだかんだでいい感じになって、やっと同衾。翌日なのか翌朝なのか、温泉に浸かっている新子。なんだけど、手拭いを湯舟に付けている描写はないだろ。変すぎる。で、湯から出たら、河本が帰った、と聞かされ「クルマを出して!」と。でバスに追いついて、津山でうろうろ。夕方までのらくらして、10時過ぎの電車に乗ろうとする河本を引き留め、どこかの安宿に泊まって、同衾。このときの岡田茉莉子の顔は、私こんなことしてていいの? ダメよね。溺れてちゃ。みたいな冷めた表情だったな。で、翌日は、ホームで別れる。
上京し、すっかり流行作家になった義兄。同じく上京し(単身?)、意にそぐわず編集(?)みたいなことをしている河本。義兄との差を見せつけられて、ひねくれまくってる。それが原因なのか。またしても河本は秋津温泉を訪れる。
精気がなく、ザンバラ髪の新子。旅館を売り、もらい湯してる状況。ここに河本がやってきて、もうすぐ解体するという離れに転がり込む。新子は河本に「初めて会ったのが17歳。それから17年」とか言ってたから、34歳か。まだそんなオバサンじゃないじゃん。ここで、またまた、まぐわうんだったかな。このとき抱かれている顔は、うつろな表情だったっけかなあ。よく憶えてないけど。で、翌日なのか、新子はひとり川沿いによたよた。で、なぜか突然、手首を切って。そのまま歩きつづけ、岸部で倒れ込む。新子を探す河本。見つけだして抱え上げるが、すでに息絶えていた、という、なんじゃこれ、な意味不明な話だった。
なぜ河本は東京から地元に戻ったのか? 結核にかかったから? なぜ秋津温泉なのだ? 新子は河本のどこに惹かれたのだ? それも17年も。初めて会ってから10年目にやっと男女の関係になり、でもいつも暗い表情で。いっぽうの河本は、すぐに女房をもらい、その後も女をつくったりしているのに、なぜ秋津にやってくるのだ? あたりがさっぱり分からないので、感情移入できるところがない。この映画が出来た当時の評価はそこそこ高いらしいけど、意味不明だな。
・新子からの手紙を、女房が隠していて、嫌みったらしく河本に見せたのはいつの時のことだっけ?
・岡田茉莉子は最初からつけまつげでケバい。
・音楽が延々と鳴りっぱなしでうっとうしい。10目に結ばれた翌日の津山市の場面と、17年目の場面で2度、無音の場面があったぐらい。
・雨の日。観客は6人
けものがいる5/7ヒューマントラストシネマ有楽町シアター1監督/ ベルトラン・ボネロ脚本/ベルトラン・ボネロ
原題は“La bete”。公式HPのあらすじは「AIが国家の社会システム全般を管理し、人間の感情が不要と見なされている2044年のパリ。孤独な女性ガブリエル(レア・セドゥ)は有意義な職に就きたいと望んでいるが、それを叶えるにはDNAの浄化によって〈感情の消去〉をするセッションを受けなくてはならない。人間らしい感情を失うことに恐れを感じながらも、AIの指導に従って1910年と2014年の前世へとさかのぼったガブリエルは、それぞれの時代でルイ(ジョージ・マッケイ)という青年と出会い、激しく惹かれ合っていく。しかしこの時空を超越したセッションは、ガブリエルの潜在意識に植えつけられたトラウマの恐怖と向き合う旅でもあった。はたして、3つの時代で転生を繰り返すガブリエルとルイの愛は成就するのか。そして過酷な宿命を背負ったガブリエルが、最後に突きあたる衝撃的な真実とは……。」
Twitterへは「話がつまらん、というかよく分からんので寝てしまったよ。AIがどうの、は全く記憶にない。寝てたからか? 3つの時代の転生らしいが、1910年は分かっても、あとの2つの時代の区別がつかん。あ、髪型が違う? なレア・セドゥはやっぱり美人じゃないな。」「たまげたのはラストの後で。エンドロールの代わりにQRコードが映されて、知りたい人はここからどうぞ、ですと。スマホがないと映画も最後まで楽しめないのか。そういや展覧会の作品リストも、こんな具合のところが増えてきた。紙の方が見やすいのに。」
冒頭は、グリーンバックでカメラテストをする女。一転して、どの時代になったのか、もう忘れてる。見る前に3つの時代を行き来して、は知ってたけど、パッと見、3つとは分かりづらい。19世紀の終わりか20世紀初頭の世界は服装で分かる。でも、あとの2つの区別がつきにくい。いちど、2044だか2014だか、年代がどーんと画面に出たけど、それすらボーッと見ていたよ。やたらのらくら会話が多くて、でもドラマはなくて、なにがなんだか。なのでそのうち瞼が…。で、1度寝て。目覚めてしばらくしたら、いつのまにかすっかり沈没していた。以後はちゃんと見たけど、意味が分からず。 HPのあらすじにあるような「AIが国家の社会システム全般を管理し、人間の感情が不要と見なされている」とか「DNAの浄化によって〈感情の消去〉をするセッション」はまったく記憶にない。寝てたからなんだろうけど、起きてからの話に、そんな雰囲気はちっとも感じられなかった。
現代風の世界で、あ、女の髪型が違うのか、は分かった。けど、どっちが2044なのかは、分からなかった。分からないままなので頭の中に入ってこないし、記憶にも残らない。
以後は、断片的に憶えている場面を…。
・1910年での舞踏会だかパーティの場面。亭主があるのに他の男を漁ってる感じの女。絡んでくる青年。
・いつだか分からんけど、CMの撮影場面。
・1910年なのか、パリの大洪水。建物が火災で逃げられず、水没した地下だか1階を潜水して逃げようとして、女と男がいずれも死ぬ。
・女が黒い泥水に浸かって寝てる場面。これは何度も繰り返して映る。
・豪華な空き家の管理をしている女。家の中に鳩が飛び込んでくる。YouTuberみたいな男がストーキングしてて? なんなんだ。家の持ち主から「大丈夫か」としきりに電話。と思ったら地震発生で、外に出てYouTuber男に「家に来て」というけど拒絶されて。警報が鳴り、でも、しばらくしたら男が入ってきて、キスしてる? と思ったら別人で。でも、それは友人で。でも友人を追い返す? イメージが錯綜してるな。記憶もおぼろ。
・モデル仲間と会話する。
・黒人女が添い寝する?
・なぜか分からんけど時代を超えて現れる赤ん坊の人形。
・プールの縁で鳩の死骸を踏み、プールの水で足を洗う女。
・冒頭の、影にびっくりして包丁をもって…と同じ行動をする女。でもYouTuber男に射殺され、プールに浮かぶ…。
・ときどきデジタル風に歪む画面。
・ラストは、泣き叫ぶ女。顔がレア・セドゥじゃなくて別人のよう。暗転して、画面にQRコード。「キャストはこのQRコードを読み込んで見てくれ」ですと。おいおい。てな感じで、すべてが断片的で脈絡があるんだかないんだか分からない。ちゃんと考えて分割して再構築してるのかな。いやまあ、理解できないのは、寝てしまったこちらにも原因はあるんだろうけど。なんだかなあ、な映画だった。2時間半も、寝ずにこんな映画を楽しめる人はいるのかね。
監督/●脚本/●
原題は“●”。公式HPのあらすじは「●」
Twitterへは「★」
監督/●脚本/●
原題は“●”。公式HPのあらすじは「●」
Twitterへは「★」
監督/●脚本/●
原題は“●”。公式HPのあらすじは「●」
Twitterへは「★」
監督/●脚本/●
原題は“●”。公式HPのあらすじは「●」
Twitterへは「★」
監督/●脚本/●
原題は“●”。公式HPのあらすじは「●」
Twitterへは「★」
監督/●脚本/●
原題は“●”。公式HPのあらすじは「●」
Twitterへは「★」

 
 

|back|

|ホームページへ戻る|