2025年9月

海辺へ行く道9/4シネ・リーブル池袋シアター2監督/横浜聡子脚本/横浜聡子
公式HPのあらすじは「アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街。のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)と後輩の立花は、夏休みにもかかわらず演劇部に依頼された絵を描いたり新聞部・平井の取材を手伝ったりと毎日忙しい。街にはあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。長いサンバイザー、江戸の人魚、静か踊り、カナリア笛、野獣、穴…。この街は今日も何かがちょっとヘン。ものづくりに夢中な子供たちと、秘密だらけの大人たち。果てなき想像力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。」
Twitterへは「東京テアトルは定期的に、似たようなヘンな映画を製作する。これもその系譜につらなる脱力系の話。エピソードはたくさんあるけど、なんの伏線にもなってなくて、放り出しっぱなしでほとんど収束しない。にしても2時間20分はムダに長すぎるだろ。」
脱力系にしても全体がバラバラすぎて、映画になかなか集中できなかったな。静か踊りを撮影した少し後ぐらいに、ふっ、と睡魔に襲われて少しうとうと。眠気が飛んだので、あとはちゃんと見られた、けど、1本筋が通っている話も特にないので、やっぱり引き込まれなかったな。
軸になる話は、ない訳ではない。奏介と立花、奏介と同級生の平井、奏介の先輩の高校生・テルオ、テルオの妹の加奈たちが繰り広げる、アートがらみの学園物語がひとつ。もうひとつは、奏介の叔母で借金取りのメグと、その周辺の人々がからむアート詐欺な話。それ以外は単発的で、最初の方の、高良健吾と唐田えりかの怪しい包丁売りの話は、ありゃなんなんだ? あとから再登場するかと思ったらそんなこともなくて、インチキ包丁を売ったら消えてしまい、そのまま。ほかの人物と絡むのは、部屋を紹介してもらったときに不動産屋の谷川(剛力彩芽)とのときだけ。唐田が自転車で海辺に行くとき、ツバの長〜いサンバイザーで降りていくんだけど、ツバの長さは意味不明。それより、また戻ってくるとき大変だろうなと思ったぐらい。
学校の展示会にやってきた学者風のオッサンが奏介のアートに興味をもち、というか、ずっと注目して多様なんだけど。自宅に呼んで江戸時代の巻物をだし、ここに描いてある人魚の立体をつくってくれ、と依頼する話も意味不明。あんな得体の知れないオッサンが、あんな街に住んでたら知らん人はおらんだろうに。で、依頼を受けて夏休みの終わり頃に見せると喜ばれ、5万円もらう。安っ! その後、その人魚の模型が新聞ネタになって、江戸期の何とかが新発見、と騒がれるんだけど、そんなバカな話があるわけがない。依頼したオッサンは消えてしまうし、話はそれでオシマイだし、だからなに? だよな。
テルオが知り合いのババアの死んだ亭主のそっくりお面をつくるという話は、なんか中途半端。テルオとババアが知り合ったエピソードは、あったのか? こっちが寝てるときにあったのかな。しかし、そのお面のつくり方もテキトーで、でも、テルオは婆を騙したとかいわれて事件になって、学校は退学させられてた。そこまでするかね。せんだろ、フツー。しかし、その後にババアは死んでしまったので、ババアの意図は分からずじまい。だから何だよ!
静か踊りと介護士の女性のはなしもよく分からず。認知症のジジババを炎天下つれだし、音のない盆踊りを踊らせてたのはパワハラだとかで介護士が逮捕されたかでテレビのニュースになったんだけど。もともと気づいたのは平井で、ビデオを撮っていて、もっと探ろうとしていたらそのビデオを教師に「貸せ」と言われUSBを渡す。それが、いつのまにかSNSで話題になって事件化した、らしい。平井は自分でもっと取材して学校新聞で取り上げようとしていた(って、そんなのが学校新聞のネタになるのかよ!)のに、教師が勝手なことをした? の経緯は分からない。この件も、得体が知れない。平井が関心を持っていたと言えば、街に出没する謎の動物の件もあって、奏介はその取材を平井に頼まれるんだけど、うまくいかず。当の平井もやる気がなくて取材せず。謎の動物は、最後はほったらかし。なんなんだ!
埠頭に店を出す謎の女と、定期的にランチを食べに泳いで来る男の話も、よくわからん。坂井真紀と宮藤官九郎がどこにでてたのか分からなかったけど、この謎の女と男だったようだ。やれやれ。
自称彫刻家の岡野が部屋を借りに来て、不動産屋の谷川とできちゃう話も、だからなに! 金を借りてアートをするというシステムがあるのかどうか知らんけど、岡野はそれで金は借りている。けど作品はつくらない。その手のアーティストから金を回収する仕事をしているのが奏介の叔母の大林で、彼女は谷川の友達だったりして。大林は岡野の行方を追っているので、それに気づいた谷川は岡野を匿い、最後は部屋の床に描いた穴から「逃げた」という言い訳をするんだけど。でも、岡野の実家にはお金があるらしく、借金を返してしまったので、大林は岡野探しをやめて帰ってしまう。という話も、それがどうした、だよね。
カナリア笛は、誰がくれたんだっけ? 大林がもらっていろんな人に吹かせたけど、まともに音が出たのは奏介だけで、本当の芸術家だけが音を出せる、という触れ込みだったかな。よく覚えてない。
ときどき妙な力を発揮する立花、いつも不平不満だらけの、テルオの妹・加奈。彼女はいいキャラしてたけど、だからなに。
てな感じで、みんな役として機能してないんだよな。散発的なエピソードの寄せ集めで、たいした因果関係もなくて、伏線もないしもちろん回収もない。ほったらかし。ときどき画面を黒猫が横切る。だからどうした、なけったくそ悪いだらーんとした映画だった。これは記憶に残らない映画だよな。
撮り方も、アップは皆無。ミドルも少なめ。ロングとか、顔や発話者がだれかよく分からないような感じで、テレビや娯楽映画の正反対を行ってるんだろうけど、誰がどれやら分からないので、観客からしたらイラつくだけ。おまけにムダに長い。退屈になるのはしょうがないな。映画的ギミックがなきゃ、飽きちゃうよ。
監督/●脚本/●
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