反則の説明のアナウンス


●見えない反則
オフサイドとか、ノットリリース・ザ・ボールとかはポピュラーな反則だ。でも、ノット・ロール・アウェイとか、ライイング・オン・ザ・ボールとかって、この2年ぐらいに初めて聞く反則がある。こいつら、昔からあったのかな? 初めて聞いたときは「なにこれ?」でしたけど。で、そういう反則の90%以上が、私には見えない。分からない。それは、視野に入らないところでの反則だから、というだけじゃないんだな。見えているはずなんだろうけれど私には見えない、のだ。どこの誰かがどーしてか反則になっちゃったりしているんだな、これが。

●反則はアナウンスされるようになったが・・・
1997年ぐらいから、重い反則に関しては競技場でもアナウンスしてくれるようになった。それまでは、なにも説明なし。観客は分からなかった。何があったのか知るためには、レフェリーの動作で判断するしかなかった。だから、ラグビー入門書などには「この仕草がこの反則を表している」なんていうイラストがついていたもんだ。しかし、困ったことにレフェリーによって動作が違うんだよな。ポピュラーなノックオン一つとってみても、違いがあるんだよ。それじゃわかんないよ。でまあ、ラグビーはずっと密室の競技だったわけだ。そこには、いまのが何だったのかを類推し、判断するという妙なヨロコビもあったりするわけだ。競技そのものより、そっちが面白い、なんて言う人がいたかどうかは知らないが。しかし、いまでも競技場に行ってみると「あ、オフサイド・・・」なんて声がよく聞こえる。昔はそれでよかったんだけど、最近は「××大学。オーバー・ザ・トップです」なんてアナウンスされるようになったもんだから、「なんだ、オーバー・ザ・トップか。オフサイドかと思ったよ」なんて、恥じらいながら訂正する声も聞こえたりするからおかしい。にわかレフェリーの出番は減少しつつあるのかも知れない。

●しかし、反則はそれでも分からない
TVの中継でも、実況中継アナと解説者が「いまのは何だったんでしょう?」「なんだったんでしょうね」なんていう場面もよくあった。そんなことを解消するため、NHKはレフェリーに小さなマイクをつけてもらい、試合中の様子がわかるようにしたことがある。これも、1997年ぐらいからのことだ。でも、レフェリーが選手に細々と注意をするときなど、スイッチを切ってしまうようなので、不満だったな。TBSでは、高校ラグビーのときに、多重音声放送でルールの説明をするチャンネルを確保している。こっちは、丁寧で案外とよく分かる。けど、高校ラグビーの試合は技術的に未熟なところがあるので、反則も露骨だったりして、大学や社会人のものとちがって見えやすい(といっても、全部分かるにはほど遠いけどね)。見えやすいとまた、面白くないということもある。また、高度な攻撃などもあまりないので、試合は単調だったりする。たとえば、体格のいい少年がぶっちぎりでトライをとったり、組織プレーというのが少ない。クラッシュも少ない。いうならば、女子マラソンのようで、見ていて面白くないことが多いのだ。

●大型カラービジョンを
ラグビー場の多くには、大型ビジョンがない。せいぜい国立でやるときぐらいかな、あるのは。だから、リプレーをその場で見ることができない(1989年9月15日の日本vsアルゼンチン戦では、秩父宮の小型のカラービジョンが臨時で設置された。これが、いつも見られるようになって欲しい)。反則も「これが反則でした」というようなリプレーはTVでもあまりやってくれない。これは、なぜなんだろう? 選手に失礼だからか? それとも、テレビ局のスポーツ担当でも「わかんない」「自信がない」ということなんだろうか?

●反則紹介ビデオはでないか
「ラグビー これが反則だ!」なんていうビデオが出たら、売れると思うんだけど、どうかな。ビデオ画像にプラスしてオフサイドラインを画像処理したりして、見やすく構成するなんて、出来ないものか。TVでの放送もいいけど、こういうのは誰も見ないだろうな。だから、ビデオで売ったら、捌けると思うんだけど。




1998.10.4

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