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女性を名前で呼ぶのが苦手である。仕事相手はもちろん、友人だって「苗字+さ
ん」(オオツカさん、とか)だ。

そんなわけで、これまで僕は友人の豊崎幸代氏を、「豊崎さん」と呼んでいた。
彼女もそれに対して自然に反応していたし、彼女をそう呼ぶことに私も満足して
いたのである。

その幸福な呼称関係を崩したのは、彼女の結婚だった。ある日突然、彼女は久世
幸代になっちまったのである。これは困った。

それならこれからは「久世さん」と呼べばいいんじゃねえのか、と思う方も当然
おられるであろう。しかし、彼女の夫となったのは、僕の先輩でもあり友人でも
ある久世良孝氏であり、僕は彼のことを「久世さん」と呼んでいるのだ。僕が彼
女に会うのは大体において久世さんも一緒のときなので、彼女をも久世さんと呼
ぶのは混乱のもとなのである。よって「久世さん」は却下。

実に困った。最初に書いたような理由で「幸代さん」は却下なのだ。絶対却下。
それでは、僕は彼女をどう呼べばよいのか。いくつかの候補を考えてみた。

1:「幸代さん」 却下 理由は上記のとおり。
2:「久世さん」 却下 混乱を誘発する恐れがあるから。
3:「奥さん」 却下 御用聞きじゃないから。
4:「久世夫人」 却下 口語に馴染まない。
5:「豊崎幸代改名人物」 大却下 ロリポップソニックじゃないから。

全部ダメ。何度考えても良い案が浮かばないので今現在は「豊崎さん」と旧姓で
呼ばしてもらっているのだが、その状態がいつまでも続くのは心苦しいこと山の
如し。皆さん方はこういうとき、どうなされてるんですかね。ほんと、あたしな
んぞはこれだけの理由で夫婦別姓論者になりそうな今日この頃ですわ。参った
参った。

巻末アンケート:オオツカは久世幸代氏を

悩める私に良きアドバイスを。






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