![]() |
友人のつてで、映画の撮影現場というものを見せてもらった。生まれて初めての経験である。実際に見る前は、なんというか、クリエーターの強烈な個性が火花を散らしてぶつかり合う、怒号飛び交う撮影現場、みたいなのを想像してたのだが、現実は散文的で、みんな普通の人であったし、撮影は能率的だった。つまらないような、当り前のような。しかし、何回同じ演技を要求されてもきっちりそれをやり通してしまう俳優さんや、映画の完成した形が完全に頭の中に入っているかのようにカメラの位置や光線の具合についての指示を出しまくる監督はやはりすごい。外見や人当たりが普通っぽくても、その辺はやはりものを創る人、という感じである。人間見た目じゃねえな、などと愚にも付かないことを思ったりして。
そんなわけで昨日はまる一日映画周辺をウロウロしていたのだが、一番驚いたのは役者さんの待ち時間の長さ。日にもよるんだろうけれど、人によっては、何時間も待ってちょっと撮影して、また何時間も待ってまたちょっと撮影、という何だか大病院の診療待ちみたいな状態なのである。その様に長い時間を隔てて行われる撮影でも、演技では同じテンションを要求されるわけで、その間の緊張感の維持なんかはさぞや大変なんだろうと思う。日頃ゆるみ切って生活している私は、そんな役者さんを見ていただけで疲れて汗をかいてしまったことであるよ。
撮影はこれからもまだまだ続くそうだし、友人の出番もシーンの関係で見られなかったのだけれど、こうして見学させてもらった以上はぜひ応援していきたい、というわけで、これをご覧の皆様は、ぜひ、映画館に行って、彼らの映画をご覧になってください。『もうひとりじゃない』というタイトルで、秋ごろに公開される予定だそうです。佐伯日菜子さんさんや安生洋二さん(200%!のあの人ですな)も出るそうですので、どうか一つ。
今日読んだ本
『発明超人 ニコラ・テスラ』新戸雅章、ちくま文庫
まだ全然途中なんだけど、面白いので紹介。このテスラという人は、交流電気(という言い方が正しいかどうかは、物理赤点ヤロウの私には分からない)を実用化させた人で、それ以外にもコイルやら無線やら挙句は永久装置まで、実に多才な発明をしたとされる天才。彼の死後にはその遺稿をめぐってCIAまでが絡んだ騒動が起きたとも言われる怪人物である。この本は、その妙な人の一代記。先程も書いたように私は物理など皆目分らないのだが、その私にもこの本は面白く読める。理系嫌いの科学史好き(俺)とか、マッドサイエンティストが大好きである(これも俺)とか、そういう人には、おすすめできる本だと思います。
『真田軍記』井上靖、角川文庫
池波正太郎の愛読者である私は、当然真田ものには目がない。勢い余って松代までそばを食べに行ってしまうほどに真田にはまったことのある私が鼻血を出しながら古本屋で見つけて速攻で購入したこの本はしかし、期待ほどには面白くなかった。短編集であるこの本のうちで真田が出てくるのは約半分ほど。しかも、その真田が出てくる話でも、主人公は真田配下の武士だったり、真田に城を乗っ取られる武将だったりするのである。そんなわけなので、残念ながら、昌幸や幸村がばりばり活躍していることを期待して買った私の期待には、この本は合わなかった。『真田』というメガネを外してみれば面白い歴史小説であるし、だからこそ紹介しようとも思ったのだけれど、そういう事情なので、残念な読書であった。こう言うことってあるよね、という感じである。
| Indexへ戻る |
| Previous | Next |
![]() |