11. 断熱気密性能・建物の耐久性を高める取組

PAO建築設計

松戸の家/高断熱高気密仕様


■高断熱高気密手法の実施


矩計・断面図


高断熱高気密住宅の矩計・断面図
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棟換気 : 屋根裏面の換気(水蒸気や夏場の熱気の排出)
屋根/ガルバリウム鋼板:銀色のため、夏場の日射を反射して、
屋根面の温度上昇を軽減してくれる効果があります。


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垂木2×10(38×235)@455と棟木(先張り気密シートが掛けらている水平材)の納まり
各垂木間の横長に黒く見えている部分が、棟換気に通じる開口です。各垂木間には
この後、通気層35mmを確保するため、屋根断熱通気層用スペーサー(通気くん)を室内
側より取付、その後GW(高性能16K厚さ200mm)を充填し、垂木下場に気密
シートを貼り、その後に天井仕上げ材である、シナ合板を貼っています。この施
工方法により通気層の確保、その後の断熱気密等の作業が全て、室内側よりで
きるため、作業効率が良く、また従来の足場の悪い垂木上場での通気層確保の
為に、防水透湿シートを貼る等の危険な作業を避ける目的もあります。


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胴差し回り(2F床)の先貼気密シート
気密工事が複雑な部分は、このように先に気密シートを貼っておきます。
この後、壁に断熱材を充填して、この先貼気密シートに重ねて、上から
次の気密シートを貼り、家全体が隙間のない連続した気密シートの層を
作って行きます。気密工事が完了すると、実際に現地で気密測定を実施します。
この住宅の気密性能は、相当隙間面積(C値)=1.3cm2/m2でした。
この値の意味は、家全体の隙間面積を、延べ床面積で割ったもので、
つまり床面積1m2あたり、1.3cm2の隙間があることを意味します。
C値で表現することで、クルマの燃比のように、家の大小に関係なく、
比較することが可能になります。因みにC値=1.3cm2/m2の中身は、
気密シートの隙間もありますが、ドアやサッシの等のもろもろの
隙間の合計となります。気密工事をしない一般的な住宅のC値は
平均で15cm2/m2程度と言われています。


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