1  椎間板ヘルニア
腰の神経の根元から下肢への神経に沿って強い痛みが放散します。しびれを伴います。神経の根元に炎症が発生して刺激される為です。ヘルニアがあるのに痛まない人。ヘルニアがないのに痛む人があります。腰よりも下肢の痛みが強くなります。下肢への強い放散痛に痺れを伴います。悪化すると下肢の筋肉力が弱くなり、細くなってきます。

3  集中鍼法


当院開発のオリジナル鍼法です。神経根の近くにハリを集中的に送り込み、神経根周囲の炎症を解消させて神経への刺激を減少させ、痛みを減らすものです。神経根周囲に形成された硬い「餅」のような軟部組織にハリ先が命中すると下肢に「響き」が伝わり、常日頃感じている痛み、痺れの部位にモヤーッとした温かみが伝わります。神経根周囲の血行が改善し、炎症が減少して神経を刺激しなくなってきます。ブロック注射は神経根を直接狙い打ちしますが、集中鍼法は神経の周囲の代謝を改善させて痛みを減らします。急性期の激痛は去ったものの一定以上回復が進まない場合は特に有益です。

概論 髄核の脱出はなく、軟骨が腫れて迫り出している(膨隆)。迫り出した軟骨が神経根を圧迫して炎症が発生し、臀部から太もも、ふくらはぎ辺りまで痛みが放散します。真性ヘルニアほどの耐え難いまでの激痛になることは余りありませんが逆に回復は長引き、長期戦になりがちです。膨隆した軟骨は容易には引き難いためです。腰を前屈すると悪化するタイプ。後屈すると悪化するタイプがあります。
ハリ治療 ハリ治療は回復を断然早めます。神経根周囲の代謝が改善するにつれ、軟骨の腫れが引き出します。やがて、神経への圧力を失い炎症を起こさなくなります。下肢への放散痛、痺れなどの症状が軽減し、消滅してきます。
2  仮性ヘルニア(膨隆型) ヘルニア患者の90%強がこのタイプです。
概論 椎間板内の髄核(ゼラチン様物質)が線維輪を破って外へ漏れ出します(脱出)。神経の根元に纏わりついて急性期は大変強い炎症(神経根炎)を起こします。発作性の、耐え難いまでの激痛が下肢に放射状に放散します。急に発症することも多くありますが、徐々に痛みが強まってやがて激痛になることもあります。ヘルニアが少しずつ漏れて後から激痛が来るからです。急性期の激痛は6週間(一月半)ほど続きます。重症な例では2〜3ケ月続く事もあります。病院では注射(神経ブロックなど)や鎮痛剤を使って激痛を和らげ安静を保ちます。2〜3週間程の入院、安静でこれ以上の髄核の漏出に歯止めが掛かると激痛が弱まり出し、一応退院になります。その後、平均的には6ケ月程の経過で脱出したヘルニアも水分量を失い縮小して圧力を失ってきます。発作性の激痛は弱まりますがしぶとい鈍痛が続くことも多く見られます。よくなったり悪化したりを繰り返すことが多くなります。神経の根元の炎症が周囲に広がる為です。痛みが長引くと医者は「ヘルニアは何時かは直るので気長に頑張りましょう」という構えになってきます。決め手になる治療方法も少なくマッサージや電気、湿布などたまには注射等で経過を観察しているだけになってきます。
手術 手術は大変少なくなっています。椎間板ヘルニアに対して手術した場合としなかった場合を比較すると一年後は手術した方が痛みが少ない。3年後はほぼ同じ。5年後は手術をしなかった方が回復率が良い。10年後は手術しなかった方が著名に回復しているが。手術した方は再発が多くなる。
ハリ治療 発症してから6週間(一月半)程の経過で耐えがたいまでの激痛は弱まり出したものの痛みはしぶとく続くので患者は焦りを感じ出し医者巡り、治療院巡りを繰り返します。ここからがハリ治療の出番です。この時期にハリ治療を開始すると短期間で回復過程に入ってきます。検査でヘルニアの脱出が無いことが確認されていれば最初からハリ治療を開始出来ます。神経の根元の血流が改善して炎症が鎮まり痛みが解消してきます。脱出した髄核(ヘルニア)は水分量が減少して圧力を失いやがて瘢痕化します。残滓は免疫マクロファージが呑食して消滅します。
手術跡 また、手術は成功しているのに痛みだけが残ったり、術後、数年で痛みが再発してくる人も多くあります。ヘルニアの再発であったり、ヘルニアは無いのに神経根に炎症が発生するためです。医者は再手術には大変慎重になります。結果、暖めたり電気を掛けたりと経過を観察するだけの処置が長く続く事になります。このような痛みにもハリ治療は大変良く効くことが多いので諦めずに頑張って見る事をお勧めします。
1  真性ヘルニア(脱出型)   全体の7〜8%。

* 悪化の過程


腰の神経の根元に炎症が発生して痛みが放散します。悪化するほど下方に下がります。

戻る