エイプマン・テリーの「人間になりたい」Vol.2
こんにちは、エイプマンです。今回もPop iT!テープを聴きながら読んでね。それにしてもTahiti 80すごい人気ですね。60年代の素敵なエッセンスの取り入れ方がとてもグッドなナイス・バンドで、僕も好きです。
さて、何故僕がこのバンドに興味を持ったかというと、彼らが僕の大好きなThe Byrds(ザ・バーズ)の名曲「ロックンロール・スター(So You Want To Be A Rock'n' Roll Star)」をカヴァーしているから。というわけで今月はPop iT!に来ている皆さんに向けてThe Byrds(ザ・バーズ)について書きます。

映画オースティン・パワーズ(デラックスじゃない方)で60年代から90年代にタイム・スリップしてしまった、60'sスウインギン・ロンドンの申し子パワーズがアナログ・プレイヤーにCDをのせて聴こうとするシーンがある。勿論聴けるわけもなく60'sを懐かしんで泣いてしまう。そこで彼が聴こうとするのがThe Byrdsの1stアルバム「Mr.Tambourine Man」である。数多ある60'sの作品の中からその作品が劇中に登場するということは(ビートルズでもいいのに)その作品がいかに当時一般的にポピュラーだったかが分かるというものである(この映画はアメリカ人から見た60'sロンドンなのでビートルズではなくてバーズというのは当然なのかもしれないが)。少なくともアメリカ人にとって、バーズはビートルズと並び称されてしかるべき存在なのである。フォークとロックを融合させた歴史的名曲「ミスター・タンブリン・マン」ここで語るまでもなく、ほとんどの人が耳にしているはずである(カラオケにもあるくらいだ)とはいいつつ、このバンド、フォーク・ロック名曲「ミスター・タンブリン・マン」と「ターン・ターン・ターン」という2曲のイメージが一般的に強いが、その2曲で語れるオールディーズ・バンドでもない。フォーク・ロックを出発点にプライマル・スクリームばりに劇的な変化を遂げていったかっこいいバンドなのである。

初期フォークロック時代('65頃、1st〜2nd)は是非、ティーンエイジ・ファンクラブ、ネオアコ好きな人に聴いてもらいたい。スリーパートのきれいなコーラスとリーダー、ロジャー・マッギンの12弦ギターのきらめきがたまらない。プライマルの1stと聴き比べるのは面白いと思います。

中期サイケ〜アシッド・ロック時代('66〜'68、3rd〜5th)はTahiti80がカバーした「ロックンロール・スター」も含む時代。3rdアルバム「霧の5次元」はインド音楽やジョン・コルトレーンのジャズに影響を受けたサイケな作品。フリーな12弦ギターが空間を埋め尽くしていく曲の展開浮遊感溢れるサウンド作りはブー・ラドリーズの2nd、3rd、ライドやマイ・ブラッディ・バレンタイン等好きな人にも是非、聴いて欲しいです。プライマル・スクリーム・ナイトで配ったテープに収録した「霧の8マイル」はこのアルバムから。この時代、サイケなヤバさの中にもポップなメロディーで個人的には好きな時代です。4枚目のアルバムタイトル「昨日より若く(Younger Than Yesterday)」はこのバンドの変わらぬ姿勢であったようにも思う。「ロックンロール・スター」はこの4枚目に収録されているので、是非タヒチ・ファンはチェックして欲しいです。5枚目「名うてのバード兄弟(The Notrious Byrd Brothers)」はバーズの「サージェント・ペパーズ」と呼ばれる凝った作り。

後期はカントリー・ロックを中心に成熟する時期。カントリーロックの先駆者として'68〜'71の解散まで活動する。68年の「ロデオの恋人」はカントリーロックの先駆けと言われている。この時期に加入しギタリストとして活躍したクラレンス・ホワイトは「カントリーロックのジミヘン」と呼ばれる程の超絶ギタリストで、スミスのジョニー・マーにも影響を与えた。その超絶プレイは70年の10枚目のアルバム「題名のないアルバム(Untitled)」でのプレイで確認できる。スミスと聴き比べるのは面白いかも。このアルバムはスタジオ録音とライブ録音を一緒にした2枚組の大作だが、ここでの「ミスター・タンブリン・マン」や「ロックンロール・スター」のライブ録音はクラレンス・ホワイトのギターにより、かなりヤバい感じで蘇っています。一聴の価値あり。このアルバムには、フォーク、サイケ、カントリー、ロックンロール、ジャズなど、様々な要素が詰め込まれていて集大成的な名盤。今回のテープには長すぎて収め られなかったが、「栗毛の雌馬」という大変美しい曲が入っている。いつかPop iTテープに収録します。

かなり駆け足だったので、表面的にしかなぞれませんでしたが、ギターポップ、UKインディーをい語る上で避けて通れな いバンドであるということで取り上げてみました。タヒチを入り口にバーズを聴いてくれる人が増えたら凄くうれしいし、Pop iT!でもバーズをプレイし続けたいと思う。ちなみに、バーズの作品は全てやばいボーナストラック付きでCDが再発されているので、手に入りやすいと思います。

下記にテープ収録曲とその収録アルバムです。もちろん他にも入れたい曲もたくさんありました、泣く泣く削って下記 の6曲にしました。勿論タヒチ80でお馴染みの「ロックンロール・スター」は入れました。

1.「The World Turns All Around Her」(2nd「Turn! Turn! Turn!」より)
〜メロディーがよくて好きな曲。
2.「I See You」(3rd「Eight Miles High」より)
〜サイケでガレージな疾走感がたまりません。
3.「So You Want To Be A Rock'n'roll Star」(4th「Younger Than Yesterday」より)
〜問答無用の名曲
4.「Lady Friend」(シングルのみのリリース「The Original Singles Vol.21967-1969」に収録)
〜バーズ流ソフトロックなポップチューン
5.「Jesus Is Just Alright」(8th「Ballade of Easy Rider」より)
〜この曲はドゥービー・ブラザーズのバージョンをPop iT!でよくプレイしています。ファンキー!
6.「Old John Robertson」 (5th「The Notrious Byrd Brothers」より)
〜カントリー・サイケ!!大胆な着想はバーズならでは。

というわけで、来月のエイプマンでまた会おうね!!(Terry)

〜Pop iT! Freezine Vol.28より〜


エイプマン・テリーの「人間になりたい」Vol.1


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