●99年ベスト公演&ダンサー
<特別賞>
酒井はな(新国立劇場バレエ)
‥来年はアクシデントさえなければかなり多様な作品を踊る予定なので、それを見てからにしようかとも思ったのですが、やはり近年まれに見る巨大な起爆力を感じたダンサーであり、見るたびに私を驚かせ続け、涙を誘った(キトリでさえ!)ということで特別賞を贈りたいと思います。
<ダンサー>
とても絞り切れなかったので、まとめて挙げます。
*女性
リャーン・ベンジャミン(英国ロイヤル・バレエ)
‥とにかくマノン!!
ギエム、バッセルと三者三様のマノンを見ましたが、「マクミランのマノン」として完璧だったのが彼女です。
次は古典(オデット、オーロラ、ジゼル)をぜひ。
ダーシー・バッセル(英国ロイヤル・バレエ)
‥ビデオで見てファンになった彼女ですが、日本で私が見た公演での出来は決して彼女の最良のものとは思えないものが多かったのです。
ところが99年はオデット/オディール、そしてマノンで技術も表現も見事なバレエを見せてくれました。
やはり現在のロイヤルのプリマは彼女だと納得です。
下村由理恵
‥残念ながら「ライモンダ」のグラン・パ・ド・ドゥしか見ていないのですが、あまりにも素晴しかったのでベストに挙げるのにためらいはありません。
2000年は2月にオーロラ、3月に「海賊」のパ・ド・ドゥが決定しています。
ニーナ・アナニアシヴィリ(ボリショイ・バレエ)
‥別格ですね。
彼女のようなバレリーナは世界に一人もいないでしょう。
スターとは、本当に輝きが目に見えるものだと教えてくれました。
*男性
小嶋直也(新国立劇場バレエ)
‥彼もまた酒井さんと共に驚きを与えた人です。
98年のフロロの名演以来、バジル、「アルルの女」、「シャブリエ・ダンス」と優れたバレエを見せてきましたが、年末になって「シンデレラ」の王子役で著しい進境を見せたのが最も印象的でした。
森田健太郎(牧阿佐美バレエ団)
‥しかし、王子と言えばやはりこの人。
個人的には「眠り」や「ライモンダ」といった近代ドラマと無縁な古典世界のノーブル役での彼が最高に魅力的でした。
ことに下村さんと踊ったジャン・ド・ブリエンヌはまばゆいばかりの輝き。
もちろん「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」のコーラスで見せたような濃い演技力もいい。
熊川哲也(Kバレエカンパニー)
‥少なくとも男性テクニシャン・ダンサーのカテゴリーにおいては今世紀最高の名手の一人であることを有無を言わさず納得させた。
しかもそれが決して曲芸や体操になってしまわないこと、常に美しいバレエであることが実に素晴しい。
何度見ても彼の跳躍や回転を見ての驚きと興奮が色あせることがないのがその証拠。
そして99年バレエ納めとなった「ボレロ」での立派な姿は、彼のさらなる成長を期待できるものでした。
ブルース・サンソム(英国ロイヤル・バレエ)
‥「白鳥の湖」、「リーズの結婚」、「マノン」。ロイヤル来日公演の演目全てに主演した唯一のプリンシパル。
そしてその全てが優秀。
古典、アシュトン、マクミランの全てをこれほどの質の高さで踊れるダンサーは、残念ながら今のロイヤルにはいないだろう。
ことにベンジャミンと踊った「マノン」はもう絶句。
ホセ・カレーニョ(アメリカン・バレエ・シアター)
‥2月にバジルを踊ってからわずか数ヵ月後の7月の彼のバレエは、明らかにダンサーとして一段高いレベルに達していた。
「ファンシー・フリー」の水兵も見事だったが、彼と結び付くとは思えなかった「プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ」での完璧さには目を見張った。
そして横須賀での「海賊」のグラン・パ・ド・ドゥは正にバレエとはどう踊るべきかのお手本のよう。
バレエを見る喜びと幸せを心から味あわせてくれました。
2000年2月の「ラテンの旋風」。私は多分4日間皆勤です。
イレク・ムハメドフ(英国ロイヤル・バレエ)
‥彼のレスコーは絶品。
東京初日はもうほとんど彼だけしか印象に残っていない。
<公演>
これも絞り切れなかったのでまとめて。
私としては珍しく全幕物ばかりです。
英国ロイヤル・バレエ「マノン」(ベンジャミン、サンソム、ムハメドフ)
‥「マノン」の魅力と本質を初めてパーフェクトな形で教えてくれた名演。
私はもう一生「マノン」を見なくてもいい。
ボリショイ・バレエ「ドン・キホーテ」
‥これほど活気がありバレエも見事な「ドン・キホーテ」をまた見られるかどうか。
ステパネンコはこれで確実にファンを増やしただろう。
スターダンサーズ・バレエ団「ジゼル」(両日、ゲネプロ)
‥「ジゼル」嫌いの私ですが、このバレエ団によるライト版ならあと10回は大丈夫!
それほどこの版はよくできています。
ミルタが怖い〜。バチルドも怖い〜。
新国立バレエ「シンデレラ」
‥ダンサー、作品、衣装、装置、指揮、オーケストラと全てが見事。
2001年2月の再演は必見。
うーむ、なぜイギリスが多いのだろうか?
<印象に残ったダンサー>(順不同)
ガリーナ・ステパネンコ、アンドレイ・ウヴァーロフ、根岸正信、左右木健一、佐藤雄基、ダナ・カスパーセン、逸見智彦、西山裕子、前田新奈、西川貴子、高櫻あみ、真忠久美子、吉岡まな美、草刈民代、田中祐子、上野水香、カルロス・アコスタ、イーゴリ・ゼレンスキー、ゲイリー・エイヴィス、マシュー・ディボル、ジェリー・ダグラス、森下洋子、清水哲太郎、久保阿紀、ローラン・イレール(第9のみ)、カデ・ブラルビ、バンジャマン・ペッシュ、ナタリア・レドフスカヤ、アーラ・シガーロワ(踊り手としてのみ)、大柴拓磨、篠原聖一、山田秀明、堀内充、坂本登喜彦、イーサン・スティフェル、ロバート・ヒル、ジュゼッペ・ピコーネ、ホアキン・デ・ルース、マキシム・ベロツェルコフスキー、アマンダ・マッケロー、マルセロ・ゴメス、ウラディスラフ・カリーニン、フリオ・ボッカ、イリーナ・ドヴォロヴェンコ、スーザン・ジャフィー、ドワナ・アディアハ、マシュー・ラッシング、ナタリヤ・マランディーナ、マリーヤ・アラシュ、ニコライ・ツィスカレーゼ、岩本桂、荒井祐子、市来今日子
<印象に残った公演>(順不同)
英国ロイヤルバレエ団来日公演、牧阿佐美バレエ団「ローラン・プティの夕べ」、アメリカン・バレエ・シアター「オール・アメリカン・ガラ」、アルビン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター、Kバレエカンパニー公演
見たバレエ・ダンス公演は60回で平年並でした。