■ vol.24 「素敵なおとなたち」(2001/07/02)
とっても素敵なことがあったので、紹介したいと思います。
ぼくは、浪人会というコミュニティを運営しています。この会のコンセプトは「自発的」「自律的」。
浪人会というフィールドを使って、より多くの人に「自発的」な楽しさ、おもしろさを実感してもらいたいというのが趣旨なんです。
会費さえも自発性を大切にし、納入の義務はおろか、金額も全然決まってません。払いたい時に、払いたい金額だけを払う、というものですが、不思議とこれで赤字にはなってないからおもろいですね。
スタッフも、手弁当で、その時にそれぞれが協力できることでやってもらってます。
このようなスタッフと意気に感じた方々からの会費で、毎月会報を300部近く発行し続けて、15年になります。
このこと自体、驚異でしょう。
で、この会報作りにおいて、一番大変なことは、発送作業なんです。
一時期は、2,3人のスタッフで、毎月泣きながらやってた時もあるんですが、何人かの人が、「原稿を書いたり、編集したりする時間はないけど、発送作業なら手伝える」と言ってくれたんです。
で、今では、毎月、全国のチームが交代で、その作業をやってくれているんですが、ほんまに助かっています。
ところが、交代といっても、順番があるわけでもなく、時には、「今月の発送やるで!」と連絡が来ることもあれば、ぼくの方からやってくれそうな人に声をかけたりして、何とか凌いでいます。
こんな綱渡りで何年も回っているのですから、これはこれで驚異かも。
で、いよいよ素敵な話。
実は、いつも発送作業をしてくれている茨城のHさんから、「発送作業をしている者同士でも交流できたらなあ」との話があり、Hさんの翌月の発送をしてくれる、福井のKさんに連絡をとったようです。二人は、今まで面識はなかったようですが、いろいろと情報交換しあったようです。
そして、Hさんからの提案を受けて、Kさんなりにアレンジした意見として、ぼく宛にメールが入りました。
「発送作業をした人が、次の発送してくれる人を探すっていうのはどう?」と。既に次の発送をしてくれそうな人も当たりをつけているとか。
もちろん、反対の理由なんかありません。どんどん好きにやってちょうだい、と。
で、福井のKさんの次に、兵庫県のAさん、そして次は広島のAさんと、次々と夏までのメンバーが決まってしまいました。
素敵な話でしょう。どこが素敵かって? この自発性が素敵で、尊いんですよ。
実は、今までに浪人会の活動を傍観している人たちからは、「各県で幹事を決めて、その人たちにいろいろな活動をやってもらったらいい」というような意見を多々いただきました。
「あ〜、そうですねえ」と聞き流していましたが、腹の中では「そういう発想やからあかんのや!」と思っていました。
「おまえ、幹事やってくれ」と、ある日、突然言われて、誰がやる気を起こします? つきあいで引受けたとして、待っているのは、愚痴ですよ。「○○さんから言われたからやってるけど、なんで俺がこんなことせないかんねん」と。
上から押し付けるとたいがいこういう結末になりますね。
自発的な活動の何がいいかというと、2つあります。
ひとつは、とにかくおもろい。自分からやりたいと思うことをやるんやから、おもろないはずがない。子供が遊びに夢中になるのと同じです。
もうひとつは、誰のせいにもできん、というリスクです。自分から始めたんやから、自分で決断もできる代わりに、自分で責任もとらんといかん。愚痴を言うとったら、「嫌ならやめたらええやん」と言われるのがオチです。
前述の自発的発送作業に関わった人たちは、自発性のおもしろさとリスクをわかった上で、関わってくれているんです。
とっても素敵な人たちじゃないですか。
さらに、おもろいのが、自発的な人たちが集まって何かをやろうとすると、不思議とバラバラにはならずに、自然に秩序ができるんです。
発送作業については、ぼくは何にも関与してないんです。でも、勝手にああいう流れができるというのは、これまた素敵でしょう。
秩序はつくるもんではなくて、できるもんなんですね。
子供の頃は、みんな自発的やったんです。
ところが、おとなになるに従って、縦割社会に組み込まれ、本来、持っているはずの自発性を自己規制し始めた。
結果、無責任な言動が増えるという図式です。
自発性のおもしろさとリスクを実感した人たちが、抑圧された社会の突破口になるのでは、と思っています。
これ、先月号でチラッとお伝えした "ちゃんとしたおとなになるための活動"の一端です。
(三浦伸也)
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