
vol.14 特別寄稿「スギちゃんと姐やん〜“夏の三重合宿”裏話Vol.1」
振り出しは、愛知のスギちゃんちとウチとで、三重の中山フミちゃんちに遊びに行こう、ということだった。
その話を掲示板でしていたら、気づいた時には、一緒に行こうという人が増え、合宿と呼ばれ…。
正直、我らは「え? 合宿やったん?」と。
でも、それならそれで楽しいことが起きそうだし。どうせやるなら、がっちりやろう。
で、スギちゃんとウチが事務局をやることになった。
私はイベントは、"準備8割、本番2割"と思っている。
極端な言い方をすると、本番は、事前のシミュレーションがどれだけ現実にあてはまるかを確認する作業にすぎない。
なので、参加者にとって合宿の始まりだった8月16日には、私の合宿は終わったようなものだった。
第一、 前日15日に三重・菰野に入ったが、そこで最大かつ本来の目的を達した。
スギちゃん、フミちゃんに会ったのだよ。
それに、スギちゃんに会った時、
「やっぱり、こいつは私の友達や〜」
と思えた。
この実感ひとつだけでも、合宿の成果としてはあまりあるのだ。
だから、その時点で満足のうちに、合宿は終わったぜ、と思えたのである。
スギちゃんとウチが親しくなったのは、7年ほど前。
と言っても、ダンナの友達だから、私にすれば"ワンクッション置いた関係"だった。
スギちゃんにしても、"友達の奥さん"という意識は拭えなかったはずだ。
そんな2人が今回、一緒に事務局をすることになった。
思考として、私≒ダンナ≒スギちゃんである。
だから、私≒スギちゃん、とは思っていた。
が、実際、メールや電話、FAXで作業を進めているうちに、合宿に対するイメージとか方向性が面白いように一致しているのがわかった。
それでいて、私は食事の献立に気が行き、スギちゃんは経理に細かい注意を払い――といった風に、互いの得手で相手の不得手を補完し合えた。
こうなると、準備作業が快感以外の何物でもなくなる。
我々だけで「無敵のコンビ」と悦に入っていたのは、言うまでもない。
尤も、我らは似すぎてて、思考的なドつぼにはまる時には、仲良く一緒にはまっていたが。
そして、ダンナの「こうしたらええんちゃうのん」の一言で、2人一度にあっさり救い上げられたのも、1度や2度ではないのだ。
スギちゃんはいつも、私を「あづさん」と呼んでいた。
その調子には"奥さん"という、ちょっとよそよそしい隠し味が感じられた。
それが、共同作業するうちに、"あづ姐やん"になり"姐やん"に。
心理的な距離の縮まり、ダイレクトなつながりが、そこに感じられて、嬉しかった。
スギちゃんと姐やんは、菰野に行ってからも、幾度か打ち合わせをしていた。
ノートパソコンをつなげて、資料も出して。
でも、2人で腹ばいになり、ごろごろしながらやっていた。
夜、朝明茶屋のバンガローでは、子供達だけ1階に寝かせていた。
スギちゃんと姐やんは、2階で雑魚寝だ。
もちろん、ダンナもいたが。
そして3人で、我らでしかできない話を、やっぱり寝っ転がりながらしていたのだ。
スギちゃんにとって、明らかに私は異性ではない。
でも、男扱いしているわけでもない(だろう、たぶん)。
言うなら、一人の人間として裸のつきあいをしてくれるようになった……と、とりあえず私の方は思っている。
この合宿で、私はスギちゃんという、得がたい友人を得たのである。
追記:
今回、私はスギちゃんに道着をもらったが、そんなスギちゃんにもらったからこそ、嬉しいのだ。
もちろん、緑の卍の下には「あっという間道場」と書き、襟には「あづ」と入れ、帯には今回の合言葉を書いた。
「楽しむことに遠慮はいらないぜ!」