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シバタ歯科院長/歯科医師 医学博士  柴田雅志



ローマ時代にも矯正

皆さんは歯科医院の看板に一般歯科・矯正

歯科・小児歯科の区分があるのに気が付か

れたかと思います。

矯正歯科は、むし歯や歯周病の治療をした

り、入れ歯を入れたりする一般歯科とは全

く別の専門分野なのです。

矯正って何時から始まったのでしょうか。

最も古いものではローマ時代に「永久歯が

不正な位置に生えてきた場合は、毎日指で

正常な方向に押していると矯正できる」という記述があります。

それから千数百年の長い間あまり進歩はなく、一七世紀末から一八世紀のころ初めてフラ

ンスで歯列矯正装置が開発されました。

日本の矯正学は全く低調でしたが、第二次大戦後、世界の情報をとり入れて急速に進歩し

てきました。


欧米では歯並びは教養や家庭のしつけを象徴

最近では日本でも、欧米のように矯正治療が普及して来たので、矯正の装置を付けるのが

恥ずかしいとか、学校でからかわれるようなことはまず無くなったと思います。反対に歯

並びが悪いまま放置しておくと、イメージダウンになり、コンプレックスを感じるように

なります。欧米では歯並びは教養や家庭のしつけを象徴するものとして重要視されていま

す。最近は日本でも成人の矯正治療が増えています。

将来、国際人として活動していくためにも悪い歯並びが恥ずかしいと考える世の中になっ

て来ました。


不正咬合の影響

不正咬合を放置しておくとどうなるでしょうか。

生理的には

^食べ物がよく噛めなくなる

_言葉が不明瞭になる

`顎の関節の病気の原因になる

aむし歯になりやすい

b歯肉炎や歯周炎になり、口臭の原因になる

などの障害があります。

また、近代社会においては、生理的障害にまさるとも決して劣らない心理的障害が重要視

されてきています。すなわち、歯並びや咬合(噛み合わせ)が悪いと多くの場合、心理的

に劣等感やコンプレックスを抱くことが多く、内向的な性格になり人格形成にも大きな影

響を与えます。

 歯ならびが悪くなる原因

 歯並びが悪くなる原因にはいろいろあります。生まれながらの歯

 の数や形の異常などの先天的な原因と、生まれ育つ途中で生じた

 後天的な原因とがあります。

 後天的なものとして

 ^乳歯を早く失すと永久歯が間違った方向に生えてくる。

 _永久歯を抜き放しにしておくと周りの歯が傾いてくる。

 `指しゃぶりの癖、舌や唇を噛む癖、喋ったり噛んだり飲み込ん

  だりする時の舌の癖などによって歯が移動する。

 などがあります。

 歯の位置は、生えてしまえばそのままという訳ではありません。

 舌や口の周りの筋肉の力が歯に作用して歯並らびは変化して行き

 ます。ですから矯正ができるのです。

 矯正治療の方法は正しい方向に、必要なだけ力を加えて歯や顎を

 動かして行こうとするものです。

 よく観察して矯正の相談を

 指しやぶりや舌の癖は弱い力ですが、癖が毎日々々繰り返される

 間に歯や骨という硬い組織でも、長い間には動いたり変形したり

 もするのです。そういった悪い癖を治す必要があります。

 癖は他にもいろいろあります。「舌を歯に当てる」「舌を前歯で

 噛む」「爪・鉛筆・ハンカチなどをかむ」「頬づえをつく」「同

 じ横向きで寝る・うつ伏せで寝る」「口で呼吸をする」などな

 ど。

 子供の成長は早いので予測できない変化が突然現れることもあり

 ます。

 このような状態を放置すると状態悪化はしても決して良くなって

 いくことはありません。

 お母さん方の日常の観察が大切です。

 早めに歯科医師にご相談して下さい。早く癖を直してしまえば矯

 正をしなくても済むことが多いのです。

 上の写真は当院での矯正例です。

 永久歯が全部出揃う前の歯の交代期に、発育を利用してあごを広

げ、歯を抜かずに矯正しています。

大事なことは矯正を受ける心構え

矯正治療で最も大事なことは歯科医師に任せ放しでなく、患者さんの協力、特にお子さん

の場合はお母さんのしっかりした心構えが絶対必要です。

この三者の協力があってはじめてよい矯正治療が

完成するのです。口の中は、矯正装置があるので、常に汚れやすく、歯磨きがやりにくく

てむし歯になりやすい状態です。

歯並びはよくなったが、むし歯が一杯では何のために治療したのかわかりません。

ガンバって口元美人になりましょう。