[歯の事故と応急処置][機関誌][歯の健康教室]
 [INFORMATION][おしらせ]
 [強酸性水について][L I N K][本の紹介][歯科医療]

松本歯科大学名誉教授 シバタ歯科顧問/医学博士

橋本京一




良い義歯(入れ歯)について(2)

前回は、良い義歯の第一条件としてピッタリと良く合って、落ちたり浮き上

がったりしないように作ることの難しさについて、かなり専門的な説明をし

ましたが、今回は、第二の条件と して、義歯の役目(機能)の大黒柱とも云

える「良く噛めて、痛くない義歯とはどんな義歯か?」と云うことについて

考えてみることにしましょう。

良く噛める義歯は、第一条件が十分満足されるように作られている上に、次

のような点に注意して作られています。

1 入れ歯の噛み合わせが、年齢に応じた適切な高さであること。

人の噛み合わせは正常な高さの時に最も強い力が出るような仕組みになっているのです。

高過ぎても低過ぎても、十分な力が出ないだけではなく、顎の関節に異常が現れることが

しばしばあります。

2 上下の義歯の全部の歯の噛み合わせが、その人の顎の動きと同調するように作られて

いること。

このような義歯を作るには、顎の運動や機能に関する深い知識と、卓越した技術を兼ね備

えた歯科医と、歯科技工士の共同作業が必要であります。歯は、食物を噛み砕いて擦り潰

すのに最も効率の良い形をしており、それらが極めてバランスよく配列されているので

す。

良い義歯は、造物主から与えられたそのような条件に、限りなく近いものでなければなら

ないと思います。

3 噛んでも痛くない入れ歯であること。

このことは、患者さんの最も強く要望されることであります。

義歯の下の軟らかい粘膜はどんな環境に置かれているのでしょうか?体の中で最も硬い組

織である骨と、硬いプラスチック製または金属製の義歯に挟まれているのです。

そして、奥歯では、約五十〜六十Lという強い力で噛まれるのです。このような強い力が

加わっても痛みを生じないように入れ歯が作られていれば素晴らしいものですね。

 そのためには十分な診査、設計および、適切な前準備がなされた上で、優れた技術が

必要とされます。 そしてなお、患者さんの理解と協力も大切な条件となります。

(以下次号)