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老人の自立を支援する施設

平成8年5月にオープンした岡崎老人保健施設、スクエア

ガーデンは北羽根町の交差点角にあります。立派な門構え

の中に超近代的なセンスで飾られた豪華なロピーがあり、

各居室に通ずる廊下や壁には優しい微笑ましい自然の風景

や家庭の雰囲気を表した絵が一杯描かれています。 この

施設は病状の安定期にある寝たきり老人などに対して、療

養に必要な看護や介護を中心とした医療ケアや、機能訓練

および日常生活サービスを提供して家庭復帰をめざして

もらうことを目的としています。 他にデイケア・ナイト

ケア(通所サービス)やショートステイ(短期入所サービ

ス)もあります。

「わたしも」「わたしも」と依頼が増えて

この施設が開所されて以来、当シバタ歯科が入所者の口腔ケアをするようになり、最近で

は、ほとんど毎日、歯科医師と歯科衛生士が訪問してケアをしています。相部屋で隣の人

が歯の治療を受けているのを見ると「わたしも」「わたしも」と依頼が増えてきました。

今や、入所者の半数くらいの方のお世話をするようになりました。平均年齢は70才を越

えていますので、当然入れ歯のケアが多くなっています。身体が不自由な方が多い訳です

が、食事は自分の口と顎を使わなければなりません。歯をよくしてなんでもおいしく食べ

られるようになること。それが機能回復の第一歩であると思います。

健康な歯はもちろん、入れ歯であってもその手入れを怠ることはできません。自分の入れ

歯が行方不明になることもあるので、入れ歯やケースに各自の名前や番号をつけて管理す

るよう工夫しました。

自分の歯は自分で歯磨き習慣を

歯科医師や歯科衛生士が訪問した時だけ口腔管理ができても、日常的に自分一人でケアで

きなければなりません。これが大変です。

入所者の皆さん一人ひとりが歯磨きの努力をし、習慣づけて頂かねばなりません。洗面所

には名前の入ったコップと歯ブラシがずらりとならんでいます。

一日も早い快復を願って

 ここは歯科診療所ではないので、わたしたちが

 施設へ訪問する時はいつも、医療器材をぎっし

 り詰めたカバンを両手両脇に一杯抱えて行き、

 ドアも自分で開けらない有り様です。  施設を

 訪問すると、もうチェアーの近くで待ってい

 らっしゃる方もあれば、お部屋まで行って車椅

 子に乗せてあげてお連れする方もあります。

 歯科衛生士の仕事はベテランでも、介助の経験

はないので、この点が一番苦労しているところです。それでも一人ひとりのお顔を覚え、

皆さんとお話ししながら口腔ケアをしていくことによって、皆さんが食事をおいしく食べ

られるようになり、少しでも早く機能を回復して退所されるのを願って、一生懸命お手伝

いさせて頂きたいと思っています。

平成九年三月、「脳の活性化は噛むことから、ボケ予防と8020運動へ

の展開」というシンポジウムが開催されました。 日本歯科医師会・ボケ予

防協会・毎日新聞などの主催で「ものを噛むことによる脳の働きとボケ予

防」の関連性を科学的に立証するためでした。その時の講演や座談会など

の模様を新聞記事から抜粋します。平均78歳で長期入院の高齢者87人

の疫学調査によると、咬合(噛み合わせ)機能の低下と痴呆症状の進行に

密接な関係があると報告されています。脳梗塞の寝たきりや痴呆症状の患

者さんの義歯をよく噛めるようにすると、痴呆症状が急速に改善されたケ

ースが多く報告されています。 また、重度の痴呆患者さんも咬合状態を調

整すると症状が軽減されるという報告もあります。

このように、よく噛むことによって加齢に伴う神経機能の低下が改善され、

噛むことがボケ防止に有効であると考えられます。