はじめに
私たち歯科衛生士は、歯科衛生士学校で学んだことや、歯科医院に勤務して教育指導さ
れたことを忠実に守り、予防処置と診療補助を行い、患者さんに明るく親切に接している
だけでいいのでしょうか。
歯科衛生士の業務は、歯科疾患の予防および口腔衛生の向上を目的としています。一般
的な公衆衛生活動は、保健所や市町村が中心になつて推進されていますが、歯科医学や歯
科診療に密着した保健指導や衛生教育が強く求められる歯科診療所での公衆衛生活動は、
今やますます重要になって来たと思います。
このため「8020運動」に呼応した、幼年期から老年期に至るまでのライフステ−ジに
応じた健康教室が必要であると考えます。
その中でも、日ごろ患者さんに接していると、もっともっと母子保健が必要であり、母親
に「幼児の歯の重要さ」を真剣に考えてもらい、子どもには「歯についての興味」を持っ
てもらわねばならないと痛感しています。
私たちの勤務するシバタ歯科には、後述するように毎日大勢の小児患者があり、十分な
診療設備もあるので、親子ぐるみの歯科保健体制を作ってはどうかと考えるようになりま
した。
そこで、院長の積極的なご理解をいただき、歯の健康教室として「歯っぴ−くらぶ」を
結成することにしました。
その第一段階として、平成7年に「親子でアタック歯の健康づくり」(4回)で一般的な
啓蒙をし、続いて「6歳臼歯は歯の王様だ」という教室(2回)で特定のテ−マ)深く突っ
込んでいくこととしました。
その中でいちばん頭を痛めたことは教室の組み立てでした。母親だけを対象とするなら
すぐにまとまりそうですが、母親に聞いてもらうことと子どもたちを指導することは異な
り、兄弟も同伴され大勢の子どもが来るであろうし、また、幼稚園前の幼児が長時間飽き
ないようにするにはどうするかなど問題は山積みでした。
いくら討議を重ねても容易に結論が出ませんでした。結局、「親子一緒に参加する場と、
親子別々に楽しめる場を設定し、親子ともに意義のある時間であるように配慮する」が結
論となりましたが、具体的な設定にこぎ着けるまでには4カ月を要しました。
教室参加者の募集のために、当医院が園医をしている幸田あけぼの幼稚園 (園児数6
00人)に協力を依頼したところ、事前のアンケ−ト調査で適切な教室の月日、曜日や内
容に関する母親の希望などを聞くことができました。実施にあたっては、遠山賢治園長や
平岩昌平副園長、あるいは父兄役員会長の鈴木さんなど積極的に参加者の取りまとめや連
絡のご協力をいただき、毎回、円滑な運営をすることができました。たいへん感謝してお
ります。
「歯っぴ−くらぶ」を通して、私たち歯科衛生士という職種に対する理解を世間に広め、
地位向上に役だてるきっかけとすることができるだろうと、全員が奮起してスタ−トし
ました。
以下で実施内容について詳述します。

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