|
||||
![]() |
||||
御覧の様に、ガードレールに左側からクラッシュしたモノコックは、右側迄皺がよっています。ここ迄の状況とは思っていませんでした。ここから、小島のメカニックの力だけで修復が行なわれました。殆ど板金作業による修復で、歪んだモノコックの上に、メカニックの方が乗り、入らないリベットを打直したそうです。当時、モータースポーツ誌で読んだ記事と007のメカニックだった杉本さんから伺った事実には、色々な点で開きがありました。 徹夜の作業の末、ようやくパドックへマシンを運び込んだ時。007と杉本さんを出迎えてくれたのは、外国チームのメカニックからわき起こった拍手だったそうです。レース後に、ロータスの総帥コーリン・チャップマンも、この短時間での修復を『奇跡』と表現したそうです。 誰が見ても修復不能と思われたマシンを、僅か1日で、コースに送りだした小島のメカニックの方々に敬意を表する拍手。当時のFー1は素晴らしい世界だったんですね。そう言えば、MAKIのメカニックの方々が悪戦苦闘している所に、他のチームのメカニックが教えに来てくれたと聞いた事が有ります。Fー1のエントラントが一つの家族だった時代なんですね。苦労している仲間と助け合いながら、レースを戦っていた時代。今日の様に、メーカー以外の弱小チームには勝ち目の無い世界ではなく、新規参入したチームのマシンが、デビュー・ウィン出来る、まだまだ夢ある世界でした。 |
||||
|