ONIMANIA

鬼の召喚法


一・嘯を使う。

「口をひそめて声を出す」ということで、すなわちいまいうところの口笛にほかならない。嘯は初めは巫術を施すときに使われ、魂魄を呼び寄せたり、雨ごいに使われたりもした。

前漢代の劉根が道術を会得すると、群の太守がそのことを聞きつけ、劉根に鬼を呼び寄せるよう命じたが、
「鬼を呼び寄せられなければ、戮するぞ。」とつけ加えた。そこで劉根が長嘯すると、その音は非常に澄みわたり、聞く者はみな粛然となり、客人もふるえあがった。
突然、南側の壁が数丈にわたって裂け、多数の兵が一台の車を護送してきたが、その車上にはいまは亡き太守の父母が太い縄で縛り付けられていた。

二・煎餅を使う

煎餅とは、麦や雑穀の粉を水で練って糊状にし、熱した鉄板の上に薄く大きく伸ばして焼いたもので、中国北部のありふれた食べ物である。
よる煎餅を作ると、鬼神を呼び寄せることが多い。

ある儒者が大通りを歩いていると、
「昨夜、崇福院で僧が煎餅と肉入りスープを作っていたが、わしがその鍋をひっくり返したので、スープは灰といっしょに花壇にこぼれてしまった。」と言う者がいた。
ある鬼はその家で煎餅を手に入れることが出来なかったので、その家の下女を火に突き落とした。すると別の鬼が来て、
「わしは火傷の痕を治すことができるから、わしに煎餅をくれ。」と言った。そこで、夜、妾に煎餅を作らせていると、窓に突然青い片手が現れたが、煎餅をやると消えてしまった。

三・歌を使う

南宗代の王灼の「碧鷄漫志」には、「凌波曲」という歌には鬼を呼び寄せる力があると代々つたえられている。


最初のページににもどる