TVドラマ97
1997年テレビドラマの記録
The Memories of TV Dramas in 1997
Last Updated : 01/21 / 98


特殊企画 by かわの
おさらいベストテン
→桜井さんのおさらい

  Nr.1 「恋のバカンス」
 毎回、観終わった直後に、同録していたビデオを巻き戻してまた観ていた。スペシャルも制作されたが、視聴率的にはそれほど成功した番組ではないだろう。フツーに観れば、フツーの恋愛関連ドタバタコメディということになるのだけれど、実は、恋愛ドラマに対する批評と、実験を行っていたのである。
 でも、そんなのは、実はどーでもいいのだ。軽やかに動き喋りまくる明石家さんまを観ているだけで、なんと楽しいことか。「恋愛ピカレスク」なんて、他に誰ができるというのか。いま、この人は、日本の宝だと、心底そう思う。この番組を「オマエのドキュメンタリーやっとったろ」とさんまに言った、島田紳助の言葉が、最大の賛辞であろう。
Nr.2 「爆裂!!分身娘」
 古きよきメリケン・ドタバタ・カートゥーンの世界が、ここに蘇る。しかも、実写で。「FIVE」でハードボイルド・レイディをやった、ともさかりえが、頭痛がしそうなほどのぶちきれ役を好演。しかも、演出も凝りに凝っていて、テレビでやりたい放題なのであった。もう一度、復活してほしいなあ。いやほんと。
 歴史には残らなくても、記憶に残る番組というのは、きっとこのドラマのことだと思った。
Nr.3 「踊る大捜査線」
 感想は、一度も書かなかったんだけど、けっこうよく観てた。再放送観てまたびっくりして、おまけに年末のスペシャルも観てしまった。よくできてるドラマなんだよな、これが。コメディ部分も比較的ちゃんとしていて、これって、こんどまたスペシャルやって、その上映画化もされるらしいから、とりあえず、オススメしときましょうかねえ。
 ワキのいかりや長介と深津絵里がたいへんよかったのであります。
Nr.4 「いいひと。」
 視聴者は多くの場合、その物語にしか関心を持たないことが多い。しかし、画面構成や音楽によって、そのドラマがいかに豊かになったり、笑いを創造したり、さらには、感動を生むのかを、多くの人が知ったのではないだろうか。「草原の中にぽつんと立っている電話」というファンタジーを成立させ、またそれが、あふれるばかりのドラマを生んだことを、とても美しいと感じる。多くの人の記憶に印象深く刻印されたのではないだろうか。しかも、比較的上質のスラップスティックも経験できたわけだ。
 また、このドラマが、草弓剪剛と菅野美穂という新しい、アクターにしてコメディアンとコメディエンヌを生んだことも特筆しておきたい。「アクターにしてコメディアン」という言葉は、本来、伊東四朗に付けるべき冠であるが、その伊東四朗がこのドラマの要所要所を支えていたことも事実である。
Nr.5 「FIVE」
 ともさかりえ、鈴木紗理奈、篠原ともえ、遠藤久美子、知念里奈。いちばんイキのイイ女の子たちを集めただけの番組であったはずが、図らずも(あるいは予定通り)オーヴァドライヴしてしまった。このドラマに対して「破天荒」という言葉を使うのは、実は、たいへんなホメコトバを使っていることになるのである。
 とはいえ、ラストに向けてプロットもなにも、分裂的になっていったことは否めず、むしろ、このような設定は「スパイ大作戦」のように、恒久的に一話完結で続いていってほしかった。第5位にしたのは、もちろん、単に「FIVE」だからであるが、この枠は、「サイコメトラーEIJI」と交換してもかまわない。わはは。
Nr.6 「こんな恋のはなし」
 途中から、物語の視線がずれだして、このドラマは失速を始めた。本来、真田と玉置の物語であったはずのものが、だんだんと、玉置浩二から遠ざかっていった。現場の諸般の問題というのもあったのかもしれないが、「リッチマン/プアマン」の話が「リッチマン/プアガール」の話に変貌していったのが、なんとも残念である。それでも、真田広之という一演技者の力量によって、ひとつの物語を支えたのは事実である。激痛に倒れる人物をやって、あそこまで「絵になる」人は、他にいない。
 手軽な涙に逃げることなくドラマを進め、完了させた、そのことだけは、高く評価したいと思う。
Nr.7 「ぼくらの勇気/未満都市」
 小学生にもどって、少年ドラマシリーズを観ているかのような気分で、毎週を楽しみにしていた。SFの原初的な快感をこの番組で思い出した。大人を象徴する白竜をはじめとする俳優たちの設定に、変化はあったとしても、それでも、子どもがなんとかして解決策を探るその方法論にこそ、このドラマの核心はあったと思う。野菜畑を耕したり、海賊放送をやったりするディテールに、忘れていたものを、たくさん思い出した。
Nr.8 「心療内科医・涼子」
 ベタな設定で、ベタな物語。そんなことは、じゅうじゅうわかっているのだけれど、毎回毎回うるうるしてしまうのは、なぜ? 女優さんたちのキチガイ演技カタログとしての面白さもあって、毎回たいへんにたのしかったものだ。
 きっと、続編もやってくれると信じているのだけど、そのときは、「スマ裏」じゃなくて、ほかの時間帯で勝負してほしいなあ。
Nr.9 「ふぞろいの林檎たちW」
 脚本の圧倒的なうまさ、これに尽きる。しかも、安全なところを狙っていくのではなく、実験的な部分を決して忘れていない、この超絶技巧。長瀬智也と中谷美紀という俳優を輝かせたというだけで、1本のドラマ分のボルテージがあるのに、さらには、レギュラーメンバーの演技合戦まで堪能できた。
Nr.10 「青い鳥」
 このドラマは、3話で終わるべきだった。帽子を捨て、鈴木杏を抱えて、電車に乗り込む豊川悦司のショットで、このドラマは、すでに語るべきものをすべて語ってしまったのだから。しかし、それでは、もはや「テレビドラマ」ではない。「テレビドラマ」として成立させるために、不要なストーリイをつなげたのが、このドラマの最大の敗因である。にもかかわらず、前半のさらに前半。物語の動機部分は、絵も音楽も演技も、すべてがすばらしい。
 わたしなら、逃げ込んだ電車で、互いに微笑みあう3人の顔にエンドタイトルをかぶせる。それが、明るさに満ちた微笑みか、あるいは、暗雲を予感しつつも、凛として立つ哀しい微笑みか、それは、それを観るものに任せるべきであると思う。

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. 97年のドラマ
(主なもの)

メロディ
毛利元就
バージンロード
ストーカー
  ・逃げきれぬ愛
踊る大捜査線

恋のバカンス
ストーカー・誘う女
彼女たちの結婚
サイコメトラーEIJI
理想の結婚
君が人生の時

総理と呼ばないで
ガラスの靴
新幹線'97恋物語
友達の恋人
ふぞろいの林檎たちW
理想の上司
ひとつ屋根の下2
せいぎのみかた
いいひと。
ギフト
最高の食卓
ミセスシンデレラ
いちばん大切なひと
FIVE

月の輝く夜だから
フェイス
それが答えだ!
デッサン
金のたまご
智子と知子
こんな恋のはなし
職員室
D×D
オトナの男
ビーチボーイズ
失楽園
ガラスの仮面
ボディガード
最後の恋

番茶も出花
はみだし刑事純情系
家政婦は見た!
不機嫌な果実
恋のためらい
青い鳥
ベストパートナー
ラブジェネレーション
心療内科医・涼子
ナースのお仕事2
シングルス
成田離婚
恋の片道切符
イヴ
ぼくらの勇気
  /未満都市

 
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