2001年4

4月29日(日) 戦場からのアップデート

というわけで、いよいよわが家のリフォーム工事が始まった。
事前に聞いた話とは、若干手順が違うこともあって、わが家は上を下への大騒ぎ。

とにかく、荷物が多すぎるのだ。

家に住みながら工事をすすめるため、家具やら何やらをどんどん動かす必要がある。
20年近く住んでいるため、いらないものがうんざりするほどたくさんある。

家族が一丸となり、ひたすら、どんどん、捨てる。

「これは?」「いらない」
「こっちは?」「いらない」
「じゃ、これも?」「もちろんいらない」

みな、物に対する執着がどんどん失せていく。
諸行無常、色即是空。

いっぽう、工事のほうは淡々とすすめられている。
淡々と各扉のワクがこわされ、淡々と壁紙がはがされる。
そして、雨月物語にでも出てくるような荒れ屋敷になってしまった。

壁紙は、見ていると、けっこう簡単にはがれる。
日焼けの皮をむくのに似ている。

おもしろそうなので、すみっこのほうの壁紙をぺりぺりとはがしていたら、
工事のおにいさんに見つかった。
ぱっと手を離したら、おにいさんはにっこり笑って
「いいよ、はがしても」
と言ってくれる。
お言葉に甘えて、しばらく壁紙をはいで遊んだ。

明日のゴミ出しがたいへんだぞ、こりゃ。

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本日の細胞

それでも細胞は毎日育っている。
今日は、フリーズストックをつくった。
大量に作ったので、ちょっと手間取ってしまったが、ちゃんとできていてくれることを祈る。


4月26日(木) 文献のはなし

今日は、参考文献を集めたり、実験の考察をし直したり、の日。

たまに一気にこういうことをやらないと、なかなか「お勉強」をしないのは悪いクセ。
われらがP先生は、実験とお勉強を常に両立させられるという、驚嘆すべき能力をおもちだ。
しかも、その勉強量と整理の能力がハンパじゃない。
先生の10分の1でも追いつかなくては。

異業種の方向けに・・・

私たちは、おのおの興味のおもむくところの研究をしているわけだが、
その研究の成果は、ひとつの論文にまとめ、専門の雑誌に投稿し、
掲載された時点で初めて、業績として認められる。

論文を書いてナンボ、というやつだ。

自分の研究を進めるにあたっては、もちろん先人の業績を参考にする。
最新の研究成果も知りたい。
したがって、過去から現在に出版された、大量の論文を読む必要がある。

大学などの各研究機関では、さまざまな専門誌を購入し、図書館(室)においている。
私たちが日常的にとる行動は、あるテーマについて、どんな論文が書かれているかを調べ、
その論文を図書館で探してコピーし、読む、というものだ。

さて、私は、図書館で古い雑誌を見るのが好きだ。
文章が格調高いし、なにかとおもしろい記事がある。
1918年のGeneticsには、なんと、「メス化されたオスの鳥」という話が載っていた。

内分泌を学ぶものとしては、実に興味深い。
今度ゆっくり読もうっと。


4月25日(水) 活字中毒の大掃除

いよいよ、今週末からわが家の本格的なリフォームが始まる。
それに備えての大掃除がたいへんだ。

私の部屋にある大量の本も、いくらかはリストラしなくては、というので、
ブックオフに売ることにした。

売る本を決めるのに、けっこう時間がかかった。
もう未練はないけれど、手元を離れると決まったら、もう一度読み返したくなったり。
男と別れるときと同じ(なんだろうなあ、と推測する)。

私の部屋には開架書棚が2つ、閉架書棚(要は押し入れにある本棚)が2つある。
せめて、本棚ひとつぶんくらいは処分しようと決めて、取捨選択の作業をした。

いざとなると、自分がほんとうに大切に思っている本がよくわかる。

ちょっとおもしろいから、暇つぶし用に手元に置いておいた本は、重点的に削除対象になった。
たとえば、清水義範、群よう子、椎名誠、田辺聖子などのエッセイ。
そして、おぼえてしまうほど読み倒した、大量の星新一。

同じエッセイでも、佐藤愛子氏のものは、お取り置きの部へ。
これは、暇つぶしの枠を越えて、元気の素、さらに古典落語の域に達しているからだろう。
同様に、北杜夫、遠藤周作の著作は、すべて取っておくことに。

ミステリでも、処分する気になるものと、取っておきたいものは、はっきりと分かれる。
フロスト警部シリーズは、けっこうおもしろく読めたのだが、何度も味わおうとは思わない。
キャロリン・G・ハート、サラ・パレツキー、ジョン・ダニング、パーネル・ホールも
一回読めばいいや、という感じ。
取っておきたいのは、ナンシー・ピカードのジェニー・ケインシリーズ、
そしてジェフ・アボットの図書館長シリーズ。
ユーモアと、深い心理的洞察と、そして人情が、ミステリには欠かせないと私は思うものだ。

マンガも、大和和紀のもの以外はすべて処分。
小学生の頃からもっていた「あさりちゃん」には、さすがに愛着があるが、読まないものはしかたない。
名作「つる姫じゃ〜!」は、かなり悩んだものの、さんざん読み倒したので、処分。

岩波文庫は文句なしにすべてお取り置き。詩集、絵本、そして通俗科学書の数々も取っておくことに。
異色な本では、夢野久作の「ドグラ・マグラ」「悪魔祈祷書」が出てきた。
さすがにアングラを好む年でもなくなったので、これらは処分。

・・・などなど、書いていけばキリがないが、結局ダンボール箱4つぶんの本を売り払うことに決定。
たいへんな作業だった。

さあ、仕上げの大掃除、がんばるぞ〜!

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本日の再会

今日のZoological conferenceの演者は、新しくいらした武田先生だったので、大入り満員。
駒場で同じクラスだったCくんが来ていた。なつかしくて少し話す。
彼も新婚。最近、身のまわりに幸せが多いなあ。


4月23日(月) 躑躅

今日は、研究室のみんなで、根津神社のつつじ祭りを見に行った。
帰りに、根津は「車屋」で飲む。

而して、酔っぱらっている私。

M嬢へ:
キミが取(りまく)った金魚、私の実験机の上にいます。
水とエサはやっておいたので、明日の世話は頼んだ。よろしくベイベー。


4月22日(日) おめでとう!

今日は、かつてのバイト(河合塾チューター)の先輩、菊池さんと西村さんの結婚式だった。
長いおつきあいの末のご結婚、ほんとうにおめでとうございます。

飯田橋のTWINSTARにて、結婚パーティー。
チューター仲間も大量に集結。なつかしい顔ぶれに会えて、楽しかった。

新郎・菊池さんのご友人によるバンド生演奏がすばらしかった。
菊池さんのトロンボーンを聴くのは初めてだったが、さすがバンドの「幹事長」。
すてきなソロでした。

新郎新婦が、互いにお手紙を読み合うA Letter For Youでは、思わず目頭が熱くなってしまった。
女性陣の間で、ひそかに「やっぱり菊池さんはすてき〜♪」と盛り上がってしまう。

菊池さんファンクラブの副会長だった西村さん、これからは永世会長ですね。
末永くお幸せに。

*印南君、呑みすぎ。ちゃんと帰れたのかな?


4月21日(土) 同窓会

今日は、高校のときの同級生たちと新宿でランチ。
20人も集まった。

昨年の暮れに呼びかけた同窓生メーリングリストの参加者が、現在なんと77人。

顔を合わせるのはほぼ6年ぶり、という人も中にはいたが、
みんなちっとも変わっていない事実にうれしくなった。

それにしても、顔を合わせてなつかしさに涙ぐむのではなく、
いきなり爆笑するっていうのも、また女子校ならでは。

定期的に、こういった「お茶会」をしよう、という話になった。
次回は7月。楽しみにしています。

みなさん、今日は楽しかったです。ありがとう。


4月20日(金) リフレッシュ

運の悪さをそろそろウチドメにすべく、髪を切った。
その上、ちょっと色を入れてみた。

研究室の女性陣は「わーっ」と感心してくれるのに、男性陣はノーコメント。
気づかないのか、気づいてもどうってことないのか。
どちらにしても、女心は不満である。

カラーリングの作業の間は、姿勢を保ったままじっとしておかなくてはいけない。
暑いし、けっこうしんどい。
すべてが終わって、髪を洗ってもらうとほっとする。

すーっとするヘアパックをしてもらって、ついでに頭のマッサージも。
こめかみを押してもらったとき、思わず腹の底から「あ゛〜っ!」とうめいてしまった。
美容師のおねえさんはげらげら笑って、手を震わせていた。

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コピー機のところに置き忘れていた申請書類を、昨夜、SSKさんが届けに来てくれたらしい。
しかもマメなことに、一部訂正して。

さきほどお礼参りに行ったら、「こんなメールが来た」と見せてくれた。
Nature誌のコラムに、ボルバキアの話を紹介しようとしている人からの質問メールだ。
ってことは、Natureに論文が引用されるってことで・・・!
「わーいわーい」と、子どもみたいに喜ぶSSKさん。

私も今の仕事をがんばらなくては。

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本日の細胞

培地のpHを上げたら、めちゃめちゃ元気に育っている。
P先生(低すぎるpHの培地をつくった元凶)は、
こっそり私の細胞の育ち具合を確かめたんだそう。

びっくりした顔で、
「ほんとにちゃんと育ってますね」

疑り深いんだから、先生ってば。


4月18日(水)どじどじパートII

そのとき私は、フェノールとクロロホルムを1対1に混ぜた試薬をつくろうとしていたのであった。

つつがなく混ぜ終わり、水層と有機層を分離しようとして、遠心分離機にかけた。
5分ののち、チューブを見たら、中身がない。
・・・チューブの底がみごとに抜けていた。

Gが強すぎたんだろう。私のミスである。あーあ。

ローター(遠心分離機の部品)を洗っていたら、P先生が細胞の調子を聞きにみえた。
あたり一面にただようクロロホルムの香気から、何が起こったかは察せられただろう。
昨日に引き続き、いいタイミングで登場する先生だ。

くさった気持ちを引き立てるべく、6月の学会開催地・マレーシアはペナン島のガイドブックを開く。
どこからどう見たって、リゾート地である。
泊まる予定のホテルは、ラサ・サヤン・リゾートホテル・・・一番の老舗、最高級ホテルではないか。
少し機嫌がなおった。

ふと見たページにあった注意事項:
「ビーチボーイとは、節度あるおつきあいをしましょう」

日本男児とだったら、節度を欠いてもいいのかしら。


4月17日(火) ついていない一日

免疫系の機能が低下しているのか、右目が腫れて痛い上に、腿の一部も腫れている。
熱っぽくてボーっとしているので、次々とドジをやらかす。

昨夜は、液体窒素の容器(高さ1メートルくらいある、でっかいカメのようなもの)の中に、
細胞の入ったチューブを数十本、ざらざらーっとばらまいてしまった。

同業者のヒトは、いかに私が青ざめたかわかるはずだ。

ご存じのように、液体窒素はおよそマイナス200度、超低温の物質である。
それが数十リットル入っている、口の狭い容器の中から落ちたもの(しかも小さい)
を拾うのは、容易ではない。
ふつうは、タワーとよばれる金属でできた細長いラックの中に小箱にわけてしまっておき、
タワーごと液体窒素につけておくのだ。

閉店間際のハンズに寄って、アウトドア用品のコーナーで、
バーベキューの炭をつかむトングを購入。

そして今朝、まだ先生もEくんも出勤してこないうちに、こっそり拾っちゃおうと目論んだのだった。

ところが、チューブの入っていた小箱は取れるのだが、
肝心のチューブがいっこうに取れない。
はさもうとして熱中していると、いつのまにか軍手をはめた手が液体窒素につかっていて、
「あちっ」ということになる。

汗をかいて奮闘していたら、まずEくんが、そしてついに、先生が来てしまった。
予想はつくけど事実であってほしくない、という顔で先生が聞く。
「何が起こったのですか?」
もうごまかしはきかない。
「・・・ごめんなさい。落としました」

結局、大量の発泡スチロール容器を用意し、その中に液体窒素をすべてあけ、
チューブをがらがらと取り出す、というたいへんな作業になった。

取り出したチューブは、いちいちラベルをたしかめながら、小箱にわける。
作業はすべて、低温に冷やした状態でやらなくてはいけない。
(温度が上がると、細胞のためによくない)

しばらくして、なんとか救済は終了。
先生、Eくん、ありがとうございました。

右手の指は、軽いやけどでヒリヒリする。自業自得を絵に描いたようだ。

実験は、意識をしっかり保って行おう


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本日の細胞

起こした細胞は、元気に育っている。よかった〜。
やはり、前の培地はpHが低すぎたようだ。


4月13日(金) ものかき

最近、論文や学会発表の要旨を書いていると、どんどんハマっていく自分がいる。

白状すると、ほんのちょっと前(修論を書いているころ)までは、
なかなか「自分の」文章がかけなかった。

HPに書く文章や、アルバイトで書く高校生向けの科学エッセイのようなものなら
さらさらと筆が走るのに、本来の自分の仕事である論文が、どうして書けなかったのか。

まず、研究内容そのものが、自分のものとして納得がいっていなかった、ということがある。
そもそも修士課程に入学した当初、私は別のテーマに興味を持っていた。
やむを得ない事情から、途中でテーマを切り替えて現在に至っている。

ゆったりとした視野で見れば、私のこだわりなどは、ひとつの大きなテーマの中に入ってしまう。
そのことに気づくまで、ずいぶん長いことかかった。

気づくべきことはまだまだたくさんあるんだろうけど、とりあえずは、進歩。

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本日の細胞:

やっとよい血清が手に入ったので、培養を再開。
さあ、一気に働くぞ!


本日の笑声:

私の席は、中庭に面した窓際。
小講義室で飲み会なんぞが開かれていると、
そこでの楽しそうな談笑の模様が丸聞こえである。

今日は、細胞生理化学研究室に新たに着任なさったK先生と、メンバーの顔合わせのようだ。


4月12日(木) 白衣の役割

朝から、とてもさわやかな天気だ。
教室でじっとしていられない小学生のように、ふらふらと生協方面へ出歩いてきた。

私よりは、もうちょっとちゃんとした目的意識をもっているのだろうが、
白衣をはおって構内を歩いている人が、今日はなぜか多かった。

白衣・・・さまざまな思惑の渦巻くユニフォーム。
その役割としては、次のようなものが考えられる。

その1・清潔であるべき外部環境に、自分の汚れをもちこまない
その2・外部の汚れや危険物から、自分および自分の衣服を保護する

その1は白衣が清潔であることを前提としている。医療関係の白衣は主にこの目的だろう。

しかし、その2は違う。
薬品のシミがつこうが、ネズミのふんがつこうが、1ヶ月洗わなかろうが、
自分の服さえ守られれば、白衣の目的は達せられる。
理学部関係の白衣は、まちがいなくこっちだ。
「白」衣という名前が詐欺に思えるようなシロモノを着ている人もよくいる。

ちなみに、われらが生物学科はアバウトなので、ふだん白衣で実験をしている人はあまりいない。
いかにも汚れそうな作業をするときや、RIなどの危険物を扱うときのみ着る、という感じ。
(なぜか、植物のおねいさん方の間では、エプロンをつけるのが流行っているが、
 これは女の子らしくて、ちょっといいな、と思う)

ところで白衣には、あまり好ましくない第3の役割がある。
「みずからの権威をアピールする」
というものだ。

とある個人指導塾では、学生アルバイトには全員、白衣を着せる。
教える教科に関わらず、である。
つまり、「学生サン」が、年の近い生徒たちにナメられないように、
白衣の権威で威圧しようとしているわけだ。

白衣は「特別で、エラそうに見える」のだ。

だから、白衣でコンビニに行ったりしている人たちを見ると、どうもお尻のあたりがこそばゆくなる。
単に、脱ぐのがめんどくさかったり、
カーディガンがわりにむぞうさにひっかけていたりするのだとは思うのだが、
その「白衣をむぞうさに普段着にしているんだけど、そんなこと意識してないんだよーん」
という表情が、なんとも見ていて落ちつかない。

・・・ヒガミなんだけどさ。


4月11日(火) リサイクル

家にあったパワーマックと、17インチのディスプレイを、
研究室の技官・Kさんに引き取っていただいた。

昨日、車に積んで家から研究室に運び、今日にかけてセットアップを行った。

Kさんがこれまで使っていたマックは、なんとCentris。
パワーPCの速さに感動してもらえて、マックも本望だろう。

拡張性が高いので、CPUをG3にすることも簡単。
末永く活躍してほしい。

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私の部屋からは、どんどんものがなくなる。
すっきりしてうれしい。

めざせ、オトナの女のシンプルライフ!
なのだ。


4月9日 (月) リセット

リフォーム計画が着々と進んでいるわが家。
ゴールデンウィーク明けには、まったく生まれ変わった内装になる予定である。

他の部屋に先立ち、先週末、お風呂場が改装された。
まず、見た目がホテルのようにきれいになっている。その上、機能がすごい。
台所からも自動的にお湯張りができる上、好きな時間だけ保温もしてくれる。
さらにさらに、お風呂場を暖房したり、乾燥したりする機能までついている。
IT革命の匂いがする。

浴槽のデザインも向上したので、ゆったりとつかることができ、うれしい。
シャワーのお湯も常に一定の温度。勝手に熱くなったり冷たくなったりしないのだ。
実に文化的である。

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みんなで内装の構想を立てるのはとても楽しいが、同時に片づけも進めなくてはいけない。
ここのところ、ものを捨てるのが快感だ。
昨日は、私の部屋だけで燃えないゴミが5袋も出た。
魔窟と化しているベッドの下、本棚やロッカーの上、パソコンデスク棚の奥など、
すべてを空にしたのだ。

駒場時代のシケプリ(学生が相互扶助によって制作する試験対策プリント)が、
うんざりするほど出てきた。
ノートを開いてみると、ほとんどおぼえていないながらもなつかしくなる。
まったく身に覚えのないレポートも。・・・こんな大層なこと考えていたんだなあ。

ほんとうに必要なものは、実は少ししかないということに気がつく。
今後はシンプルに、スリムに生きるのだ。
新しい人生の始まり、そう、リセットである。

高校生や大学学部時代なら、たとえば数ヶ月、なにもかも放り出して人生を考え直す、
といった行為に出ることは簡単だ。(そうでもないか)

でも、もう、さすがにそうはいかない。
私は平凡な人間だ。
日常生活をきちんと送り、義務を果たしつつ、少しずつ脱皮を繰り返したい。

経験の量をいたずらに誇って、その鎧の中でさとりすますようなことはしたくない。
・・・少なくとも、高校生や大学生のアタマで考えた枠の中では、生きたくねえや。

脱皮直後の肌は傷つきやすいかもしれないが、どうせすぐ固くなるんだ。
たいしたダメージにはならないだろう。

未熟な私が精いっぱいに感じて、考えてきた宝石のようなことごとがあるからこそ、
リセットができると考えたい。

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などとぶってみたのも、リフォームの興奮がなせるワザ。
興奮ついでに、住まわせてくれている両親に心から感謝する。

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本日の5分前精神

学会の発表要旨を書き上げ、先生に見ていただく。
めずらしく「よく書けている」とほめてくださった。うれしい。
締め切りはメールで15日。驚異的な早さでの仕上がりだ。


4月7日 (土) ふつうの女の子

昨日・今日の2日間で、わが家では風呂場のリフォームが行われている。

そのため、お風呂が使えないので、今日は昼からチャリを飛ばして、
隣町の天然温泉「スパディオ」に行ってきた。

そう。わが板橋には、「毎分310リットル、39度の自噴する天然温泉」があるのだ。

2,3年前にできた、わりと新しい温泉。
行ってみてびっくり、とても設備が充実している。
タオル大・小、浴衣貸し出し。レストランもバーもエステもマッサージもある。
パウダールームには、クレンジングもローションも乳液もある。完璧。

浴場はとても広い。
ふつうの湯船、マッサージバス、遠赤外線ドライサウナ、アロマスチームサウナ、
さらに露天風呂に加えて露天ジャグジーバスもある。

お湯の色は淡黄色とも淡緑色ともつかぬ、不思議な色。海水のように塩辛い。
露天風呂につかりながら読んだ説明書きによると、
古代、このあたりが海だったころの海水(化石水というらしい)が、地熱で温められたものだとか。
そう聞くと、とてもありがたい気がする。

高張の温泉は、とても暖まる。
すべてのお風呂を一通り以上試して上がって、お約束のヨーグルトドリンクなんぞを飲み、
ふたたびチャリで帰ってきた。

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午後は、勤務先のK塾で「開講説明会」なるものがあった。
東京地区の講師が全員、千駄ヶ谷校に集結し、昨年度の総括をし、今年度の志気を高める、というもの。

理科の分科会の部屋はとても狭い。
ぎゅうぎゅうに先生方がつまっている。
生徒たちには「やる気があるなら前に座れ」という割に、席は後ろからつまっている。
化学の名物講師・T先生なんて、一番うしろだ。
私はずうずうしく、一番前に座る。斜めうしろのI田先生と、模試についてちょっと打ち合わせ。

説明会のあとは、センチュリー・ハイアットで「懇親会」がある。
豪勢な立食パーティーなのだが、おっくうになったので、今年は欠席。

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帰り道、口紅がなくなりそうなことを思い出した。

春スーツで決めていることでもあるし、デパートの化粧品売り場へ行く。
各カウンターの販売員のお姉さま方から、どんどん声がかかる。
いつもの研究室スタイルのときとは、えらい違いである。
見た目の重要さをつくづく思い知った。

エスティ・ローダーのカウンターへ。
数年前に気に入っていた「セリーン・コーラル」という色を聞いたら、もうつくっていないとのこと。
残念だが、他の色を試す。

ローズリット・ベージュ、チューリップ・モーヴ、フィアリー・ローズ・・・
口紅をえらぶときは、色の名前を見るのが楽しい。
結局、モカ・ピンクを購入。

今日は新しい内風呂に入ることができるので、お祝いのおみやげとして、
バスエッグ(卵形の発泡入浴剤)を購入。
ライム&オレンジ、イランイラン&ベルガモット、ラベンダー&ゼラニウムの三種の香りだ。

ちょっと本を見て、文房具売り場でレターセットを買う。

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帰ってみたら工事が終わっていたため、母とともに後かたづけに奔走。
掃除機をかけ、拭き掃除をし、動かしていた家具を戻す。

父がワインを買ってきてくれたので、これからささやかにお風呂完成パーティーをする。

今日は、温泉に行ったり、デパートで化粧品やバスグッズを買ったり、と、
実に女の子らしい気分になった一日だった。

お風呂は、とてもきれいに、近代的になっている。
21世紀の香りがする。
詳しいお風呂報告は、明日。お楽しみに。


4月6日 (金)  さまざまな始業式

今日は、全国的に始業式・入学式が行われている。

朝、おめかししたお母さんが、同じくおめかしした子どもをつれて、近所の公園に来ていた。
別の親子連れと談笑している。
公園デビューののちは、公園卒業式があると見た。

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わが生物学科(学部)および生物科学専攻(大学院)でも、
進学ガイダンスという名の始業式が行われた。

博士課程のガイダンスは、欠席者が多い。
年を食うと、やはりふてぶてしくなるのだろうか。かわいくない。

こんなことではいかん、というわけで、ガイダンス後の写真撮影では、
臨海実験所のK村嬢と仲良く手をつないで写ってみた。
もうすぐ25歳のムスメさん二人。若返り大作戦である。

とは言え、住むところも研究内容も大して変わらないので、新鮮味には欠ける。

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午後、学部の3年生とおぼしき若者たちが、ぞろぞろと2号館の設備を見て回っている。
十九、二十歳だぜ、おい。

「掲示板はどこですか」と、事務のT田さんに確認している男の子がいる。
『学生への連絡は、すべて掲示板によって行うので、日頃から掲示板には注意を払ってください』
と、パンフレットに書いてあるからだろうか。まじめかつ慎重な生活態度である。
そんなもの、あとで誰かに聞こう、とか、おいおいわかるさ、などと考えないところが偉い。

そういえば、私は学生実習のティーチング・アシスタントをやるのだった。
ネズミの解剖・スケッチ、分子生物学実験の初歩の実習をお手伝いするのが、彼らになるわけね。
ふむふむ。

掲示板の位置を確認していた男の子は、のちのち実習のデータ整理やレポートなどで、
クラスメートたちに頼られる存在になるに違いない。
わが同期でいうところの、Y沢くんだ。

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今日のガイダンス、A木先生のお言葉:
「修士の学位は仮免許、博士号を取ってようやく本免許になると思ってください」

いよいよ路上教習の始まりである。
隣の教官をハラハラさせないよう、補助ブレーキは最小限にすべく、努力する所存である。


4月5日 (木)お花見パートII

今日は、院生会主催のお花見。
場所は、例によって医学部図書館脇の桜の下。

駒場のA島研のM1が、みんなで来てくれたため、
たいへん若々しい飲み会になった。

桜はギリギリ保った。
かなり冷え込む中、近くで飲んでいた剣道部の連中が、次々と大声で「自己紹介」をする。
よくわからない芸を披露してくれる。
脱いでるヤツもいる。
・・・若い。

ただいま、2号館小講義室で二次会中。

私は明日11時からのガイダンスへ向けて、そろそろ帰ることにする。
みなさま、お楽しみくださいませ。


4月4日 (水) 事務仕事

新年度、しかも進学したので、この時期は何かと書類書きをしなければならない。

授業料免除申請・育英会奨学金申請・・・
要は、少しでも多くお金がほしいのだ。

「申請する理由」の作文は、小学校の読書感想文で培ったデッチアゲの才能を生かせばよいが、
所得関係の書類がめんどくさい。

だいたい、書類そのものが嫌いだ。
「何と、何と、何を用意しなさい」とか「間違えたらハンコを押しなさい」とか。
・・・うるさい〜!!

旅行の準備なら、嬉々としてやるんだけどなあ。

6月にマレーシアである学会の要旨も書かなくては。
こっちは仕事の話をすればいいのだから、楽しい。

早く通常の生活に戻りたい。

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本日の目標

新しい指導要領を研究すべく、小・中・高の理科の「解説」を購入。
なんだか、学習内容が、不良債権のごとく先送りされているなあ。
読んでいたら、ふつふつと怒りがわいてきたが、それについては後日述べる。

高等学校の「理科の目標」曰く:

「目的意識をもって実験、観察などを行うことにより、
 知的好奇心や探求心を喚起し、自ら学ぶ意欲を高め、
 自然を主体的に学習しようとする態度を育てること」

・・・これ、私自身に言い聞かせてもいいかも。
デスクの前に貼っておこうかしら。



4月3日 (火) お花見パートI


お昼、研究室のメンバーで、医学部図書館脇の桜を見に行った。
夜ではないのでそんなに混んでもいず、ゆったりとシートを広げてお昼食。

満開も満開。まさに、今を盛りと咲いている。
ビールのコップの中に、次から次へと花びらが散りかかる。

シードルを片手に、ごろんと横になって桜を見上げる。
平日の昼間からこんなことができるなんて・・・

・・・私、この業界から足を洗えなくなってしまいそう。


4月2日 (月) スキーツアー報告

蔵王から下界へ降りてみれば、桜が満開。
今週末って、お花見できるのかな?

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スキー初日はとても暖かく、ほとんど水上スキー状態。
でも、頂上まで登ってみると、樹氷の名残がいくらか見られました。
ロープに置き忘れられたグローブにも、小さな「エビのしっぽ」が。
それを食べたM崎くん、どうかと思うぞ。

お昼ご飯・S太さんの注文:
「カツカレー、カツいらないんで大盛りにしてください」
・・・それは、すでにカツカレーではないのでは?

去年のスキーツアーでご一緒させていただいた先生方が、長足の進歩をほめてくださる。
うーむ、もしかして私って、運動神経がいいのかも。

さて、夜から雪が降り出し、2日目はとても滑りやすくなりました。
調子に乗って上級者コースも何度か。
T良先生の息子さん・Nクン、去年より格段に上手になっていてびっくり。
N沢先生Jr.・Mクンも、とてもうまい。
彼らがどんどん滑るので、私もひっこみがつかなくなってしまった、というのが実状。

夕方、さらに状態が良くなったので、宿近くのゲレンデで練習。
だいぶスピードが出せるようになった・・・ような気がしました。

実はこの日、はるか東京では大学院の学位授与式が行われていたのでした。
それをすっぽかしてスキーにやってきた私のために、みなさんが、夜、
「学位記 "引換券" 伝達式」を行ってくださいました。
ありがとうございました。
大貧民大会から、ディープな飲み会へと移り、眠ったのは2時近く。

最終日の金曜は、N嬢と近くのゲレンデで数本滑った後、M崎君もまじえて外湯へ。
pH1.3というおそろしい強酸性の公衆温泉があり、話のタネに行ってみました。
早い話が、あったかい硫酸なのではないだろうか、と思いつつ入ってみると、
思ったほどピリピリしない。
それでも、お肌はわりとつるつるになったので、ケミカルピーリングはできたかもしれません。

温泉街で、玉こんにゃくや餅などを食べつつ、おみやげを物色。
出発前に、弱アルカリ性の宿の温泉であわただしく中和してから、バスに乗り込み、帰京。

とても充実したツアーでした。
お世話になった皆さん、ありがとうございました。


(Photo by Prof.Nonaka)

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スキーツアー番外編:


解散後、研究室に寄って細胞の世話をしていたら、A助手さんがガラリと培養室の戸を開けた。
「フジイ君! I教授の最後の飲み会だ!」

ということで地下に降りると、I先生はすでになく、もとい、お帰りで、
神戸に移る新Dr.Mさんが、教授の椅子を占拠していた。
残っているみなさんとお話をして、帰宅。

春は別れの季節。
でも、出会いの季節でもある。
みなさま、新年度もよろしくお願いいたします。


本日の細胞:

GnRH受容体入りのCHO細胞を凍結保存。
行く前にやっときゃよかったものを。

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