2003年5

5.26 (Mon.)
 朝からつくばの研究所でセミナー&研究室見学をさせていただいた。
 バラエティに富んだ仕事が,精力的になされていることに感動。

 結局,行き帰りともN先輩の車に乗せていただく。感謝。

 明日からは釜山で応用動物昆虫学会。発表は29日。

5.19 (Mon.)
 梅雨のような雨降りが続く。土曜・日曜と書き物ばかりしていて,気が滅入ることこの上なし。やっと入れたATOKのおかげで,変換のストレスがなくなり,思考のペースを乱されなくなったことがせめてもの慰め。

5.17 (Sat.)
 ナスタチウムの種をまき,ラベンダーの苗を植え替える。ジャーマンカモミールの花は,次々と咲いている。しかし,思ったほど香りがしない。少し徒長した苗を買ったからかな?

5.16 (Fri.)
 今日の英会話教室は,Jim先生のプライベート・レッスンであった。どうしたわけか,先生は「人生は複雑です」とおっしゃってため息をつく。あまり深くは聞かないことにして,「Little Princess」の話などをする。
 あとは文法をみっちり。さすがにしんどい。

5.15 (Thur.)
 なつかしい小公女にひさしぶりに会った。
 新潮文庫の訳は伊藤整。美しい完訳で再会したサアラ・クルウは,前に思っていたよりも強く,勝ち気であった。決してただのおとなしい天使なんかではない。
 引き取ってやるのだから私の親切に礼を言いなさい,というミンチン女史に,サアラは礼など言わなかったばかりか,こう言ってのけた。
「先生はしんせつでなんかありません。しんせつでもありませんし,ここは家でもありません。」

7歳のサアラはこうも語る。

 「ものごとってひとりでにおこるものね。わたしには,いいことばかりいろいろとおこったのよ。わたしが本や勉強が好きだということも,読んだものをおぼえるということも,ひとりでにそうなったのよ。(中略)きっとほんとうは,わたしはいじわるなのかもしれないわ。でも,ほしいと思うものはなんでももらえるし,だれもがしんせつにしてくれるのだから,いじわるなんか,してはいられなくなるでしょう。いったい」と言って,サアラはまじめな顔をし,
 「わたしがいい子なのか,悪い子なのか,どうしてもはっきりしないの。きっとわたしはひどい子なのよ。だけど,一度もつらいめにあわなかったから,それがだれにもわからないのだわ。」
 「ラヴィニアは一度もつらいめにあわないけど」とアーメンガアドが,ぼんやりと言った。「あの人あんなにいじがわるいわ。」
 
サアラはそのことを考えながら,いつものくせで鼻のあたまをこすっていた。そしてとうとう,こんなことを言った。
 「そう,それはね,きっと----きっとラヴィニアがおとなになってきたからよ。」

5.14 (Wed.)
 某所に進化医学の解説文を書く仕事上,西洋医学史の参考に読んだ「医学と医療 総括と展望」(文光社)がとてもおもしろかった(5000円もする!当然,医学図書館で借りた)。
 基礎科学と医学の共進化という視点で見ると,科学の発展の歴史は,またおもしろさを増す。最終的に,なんとか進化医学の意味づけまでこぎつける。

 総合図書館へ図書館カードの更新に行ったついでに,書籍部へ。この,まるで受験生のようなD3生活の中,文学的なもの,精神的なものへの憧れは増すばかりだ。なだいなだ「神 この人間的なもの」(岩波新書),バーネット「小公女」(新潮文庫)などをもとめる。

 昨夜は,モーパッサン「脂肪の塊」を就寝前に。
 ブール・ド・シュイフほどの悲しみに,今までわたしは遇ったことがあるだろうか。

5.9 (Fri.)
 第一回共生ミーティング。コロキウムをやったばかりだが,またしゃべることに。イントロを練ることができて感謝。

 育てていた「幸せを呼ぶワイルドストロベリー」が,実は単なるヘビイチゴであることが判明。たしかに“ワイルド”には違いない。
 そういえば,わたしが購入した苗には,Duchesnea chrysanthaという学名が記載されていた。これは正しく「ヘビイチゴ」。この和名が書かれていなかったほかには“表示に偽りなし”で,誰をうらむわけにもいかない。(ちなみにほんとうのワイルドストロベリーの学名はFragaria vesca

 さらに思い出してみると,イチゴの鉢に鳥が来たようだったが,実が食べられた形跡はなかった。きっと食べてもおいしくないのかもしれない。鳥はふんだけして去っていった。よほどくやしかったに違いない。

 さて,このヘビイチゴ君をどうするか。ここまで育ててしまったのだから,行く末を見届けるしかないだろう。しかし,「幸せをわけてあげようかしら」と株分けまでしてしまった自分の心を思うに,いじらしいというか,あわれというか。

5.8 (Thur.)
 朝からRIの再教育講習会。Y先生は実に話がうまい。
 RIはこんなにこわいのだから注意して取り扱いなさい,という恒例のビデオ,めずらしく真面目に鑑賞していたら,けっこうよくできていることに気がついた。「震災対策の巻」で酸化クロムに火がつく場面では,もれなく全員目が醒めただろう。みんながねむくなったころに図ったかのようだ。
 
 お昼,パスポートをとりに池袋へ。写真はいい感じに解像度が低く,ふだんより美人に見える。満足なり。

 おなかがすいたので,手近な「桂花」へ。昔々の駒場時代,渋谷で食べた味とは少々ちがうなあと思いながら太肉麺をすすっていると,見るからにコワモテのおにいさんがふたり,入ってきた。
 「地下にはテーブル席がありますよ」という店員さんの勧めをひと睨みで断ち切り,私の向いのカウンターにどすん,どすんと腰をおろす。「ねーちゃん,粋がってひとりでラーメン食ってるんじゃねーよ」などとすごまれたら,ちょっと困るなあと思っていたが,そんなこともなかった。
「桂花」の本店へは行ったことがあるか,などと尋常な会話をかわしている。聞いていると,これがみごとな博多弁。
 
細身で,目のあたりに凄みがあるのが兄貴分らしい。全身に凄みがある,体格のいい方が弟分のようだ。

 彼らにも太肉麺とライスが来た。やがて弟分のほうが,ぼそっと「俺,いま家ば探しよろう?・・・ファミリータイプば」と言う。ほほう,このおにいさんは既に家庭もちであったか。ところが彼は,「与野で籍ば入れとらんめえが」(←“住民届を出していない”の意)。しかるがゆえに,契約に至るのがむずかしいのであるらしい。ふーむ。そういうものなのか。
 兄貴分がライスを少し,弟分にわけてやろうとすると,弟分は「食いきらんけん,よか」。
 お茶を飲みながらそこまで聞いて,わたしはお店を出た。
 今日はしとしと雨。蒸し暑い。

5.6 (Tue.)
 一日,ふうちゃんの電顕を見る。グリッドづくりからひととおり,観察まで。途中,カーボン蒸着の機械の調子が悪く,大量のオイルミストが発生。神谷先生に,またも助けていただいた。自分の責任であるかのように謝ってくださったのには恐縮。
 6時からViVi。その後実験,書類書きなど。

5.3 (Sat.)
 「ソーニャ・コヴァレフスカヤ」を読み返す。今になって胸に迫ること多し。

5.1 (Thur.)
 昨日はばかみたいに忙しかった。
 R君が遺伝子のクローニングをするというので,そのプロトコールについてディスカッション。R君はそもそもDNAを制限酵素で切ったことすらないというので,初級遺伝子工学講座になった。それにしてもやはり,ViViの効果絶大。
 R君と話をしていると,I君が来て置き手紙をしていく。Genbank登録関係の処理をしているうちに,今度はM嬢の実験の結果が出る。といった具合だったため,白糸でKKさんを囲んで飲んだ後は,家に帰って眠るよりほかなし。

4. 29 (Tue.)
 みどりの日。休日にもかかわらず、31号室にはK嬢、H君、SSK氏と、人があふれている。

 登校前に、池袋リブロで「病原微生物学」など購入。

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