Vol.1 「欲しくて欲しくて堪らない


 このハデハデしい機械は、イタリアのla Pavoni(パヴォーニ)というメーカーの家庭用エスプレッソマシンである。その名を「Professional」と言う。ここ2年間ほどずっとワタシの「欲しくて欲しくてたまらないモノリスト」の筆頭にあがっている代物で、定価は恐ろしいことに14万円以上もする。(アメリカで$600で手に入るものが、どうして日本に来ると倍以上の価格になるんだろう)

 家庭用のエスプレッソマシンでありながらプロフェッショナルな圧力計を備え、大きく突き出たハンドル、業務用かと思わせる大仰なボイラータンク、何とも形容し難い艶めかしい曲線フォルム、そして総メタリックボディ。もうデザイン的にはどこをとっても立派なイタリア野郎である。あまりに激しいコンシューマープロダクト。しかもコイツで淹れたエスプレッソは泡(Crema)もクリーミィで、素晴らしく美味いという(因みにスチームドミルクの出来栄えも絶品と聞く)。本場イタリアのバールで飲むエスプレッソと同等のものが、いつでも好きな時に自宅で楽しめるとなれば、それはもうエスプレッソ中毒患者にとって正に至福。

 実は、一昨年の1月にこのla Pavoni「Professional」を購入する代わりに(予算申請が通らなかった)PHILIPSの「NESPRESSO」というエスプレッソマシンを買った。コレはプロダクトデザインもスッキリと美しく、なかなか美味なエスプレッソが楽しめるのだが、コストパフォーマンスが悪いのが問題だった。専用のカプセルにパッケージされたコーヒー豆は1杯分=1カプセル=¥65-で、入手方法も面倒(店頭販売はされていない。電話などで注文して届けてもらうシステムでネスプレッソ(株)が総括して扱っている)。しかも、面倒な割には味がいまひとつ(抜群に美味いというわけではない)で、どうも似非ブルジョワジーな代物だったのだ。しかも最近は抽出にやたらと時間がかかるというトラブルが発生し、毎日付き合う道具としてはすっかり愛想が尽きてきた。

 もちろんマシンは修理には持ち込んだのだが「それは故障ではなく、パッケージされたコーヒーカプセルに問題があるのだ」と言われ、ネジ一本外した形跡もなく返された。その後、改めてコーヒーカプセルの注文窓口であるネスプレッソクラブに事情を説明し、代替のコーヒーカプセルをを送ってもらうが「少しはマシになった様な気がする」程度に症状が改善されただけ。う〜む、もうアタマきた。

 ・・・というわけで、ここらで真剣にこの「Professional」の購入を考えようかと思案している。この際、潔く臍繰りをはたいてしまおうか?プロダクツデザインが優秀で、仕事も一流となれば、やっぱりどうしても欲しいじゃないか。ささやかな夢ではあるが、コイツで淹れた美味いエスプレッソを愛飲する日々を過ごしてみたい。

 因に、このエスプレッソマシンに恐ろしく入れ込んでいるアメリカ人がla Pavoni非公認のサイトを開いている(実はここにある写真の基絵は彼のところから拝借しワタシがちょっとだけ加工したものだ)。興味ある方は「The Unofficial Page of the Chrome Peacock」までジャンプされたし。・・・非常にディープ。


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