体感音響研究所

ボディソニック効果の探求
目次
序章 情報を持つ体感音響振動こそがボディソニック効果の正体である
第1章 音楽療法とボディソニックの効果




BSR・テラピー

ボディソニックルーム

老人痴呆の映像音響療法



第2章 ボディソニックはなぜ音楽療法に効果があるのだろう
第3章 ボディソニック・システムの応用施工例
第4章 期待される体感音響振動の応用
第5章 音楽療法について 健康科学の視点から

ボディソニックの研究
ボディソニックの技術開発

 
  bodysonic laboratory



第1章 音楽療法とボディソニックの効果


  第3節 2 老年医学領域 ボディソニックを使用した音楽療法例(2)

    2.老年医学領域   音楽療法 老年期心身症への応用    ボディソニックルーム・テラピー 
      ボディソニックルーム    老人痴呆の映像・音響療法     謝 辞

 

2.老年医学領域

 河野友信先生(都立駒込病院心療内科)は、「音楽療法 老年期心身症への応用」として音楽療法を行なっており、日本心身医学会で発表されている。
 また、田中多聞先生(福岡大学医学部非常勤講師、原土井病院デイケアセンター担当医師)は、BSR(ボディソニックルーム)テラピーとして 「老人痴呆の音楽療法」 など、多数の臨床報告がある。

 

    【編者注】 本稿の原文は1980年代から1990年代初期に書かれたものであり、
           当時の医学用語である「痴呆症」などが使用されていることをご理解をいただきたい。

 

老年期心身症     

「音楽療法 老年期心身症への応用」

      河野友信(都立駒込病院心療内科)

 

 入院及び外来で治療中の65歳以上の心身症患者を対象に音楽療法を適用し、その効果、適用の仕方、音楽処方、療法上の注意点などについて研究調査した。音楽療法は、ボディソニック装置で聴く受動的な療法と、歌うという能動的な療法(カラオケ装置で歌う方法と合唱する方法)を行なった。
 その結果、受動的な音楽療法では約85%、能動的な音楽療法では約95%の患者が効用を認めた。客観的な症状の改善も認められた。音楽の好みは個人差があるが、演歌や民謡、唱歌、古い歌謡曲が好まれ、受動的には自然音やバロック音楽が好まれる傾向がある。受動的な療法では、聴き方は患者の好みに合わせた方がよい。能動的には合唱が効果的である。今回は検討していないが、楽器の演奏も有用性が予測できるだけに、今後検討を要する。環境調整や言語的アプローチが十分効果を上げ得ないケースにも音楽療法は有用である。音楽療法の効用度は過去の音楽体験の影響を受けていることが考えられる。結論として、老年期心身症に音楽療法は効果的で有用であるとしている。


引用文献

 河野友信:音楽療法 − 老年期心身症への応用 − 日本心身医学会誌(心身医学) 1991.Vol.31 P10


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ボディソニックルームテラピー

 


老年医学領域


老年期心身症への応用

BSR・テラピー

ボディソニックルーム

老人痴呆の映像音響療法





●BSR ボディソニックルームテラピー

 田中多聞先生(福岡大学医学部非常勤講師、原土井病院デイケアセンター担当医師)は、BSR(ボディソニックルーム)テラピーとして「老人痴呆の音楽療法」など、多数の臨床報告がある。田中多聞先生はわが国に於ける音楽療法の先駆者であり実践者であり、老人病、老人痴呆症などの領域に音楽療法を取り入れたのは、音楽療法先進国と比べても先駆的なことであった。
 早くから老年医学の必要性を予測し実践してきたことは、今日、高齢化社会を迎えて、老人問題は重要であり、老人痴呆の音楽療法は重要度、必要度ともに注目されている。

 田中多聞先生によると、『老人人口の増加は、必然的に脳の老化、器質的疾患、その他の原因による疾患によって、痴呆症(demented syndrome) を有する老人が増加する。私は、老人痴呆について、BSRを応用した治療法を行ない興味ある成績を得た。
 治療対象は15例(男性7例、女性8例)で、その疾患別分類は、老人性痴呆(senile dementia)
3例−女性3例。アルツハイマー型老年痴呆(Alzheimer's disease) 1例−女性。SDと血管性痴呆(vascular dementia) の混合型6例−男性5例、女性1例。クモ膜下出血(subarachnoidal hemorrhage)術後後遺症1例−男性。パーキンソン病(Parkinson's syndrome)による痴呆1例−女性。抑うつ性仮性痴呆症(depressive pseudodementia)2例−男性、女性各1例。対象例の平均年齢は、男性73.4歳、女性76.1歳である。
 BSR療法を行なった結果、対象15例の成績は、改善されたのが10例で、不変が5例であった。不変の5例は、受療回数が1〜2回と、少なかったのが主な原因と考えられる。改善された10例の中では、重症1例(アルツハイマー型老年痴呆)、中等症6例、軽症3例(抑うつ性仮性痴呆症2例、血管性痴呆1例)であった。
 痴呆患者にBSR療法を行ない、薬物療法が無効で、音楽療法も効果が期待しえなかった症例に効果をおさめた。高品位質の映像と音楽が、快適な強い刺激を与え、症状に適したソフトの選別と、目的とする反応を促進させるべきパイロットの医師が必要である』としている。

BSR とは

 ボディソニック・フロアパネルF32を床に敷き、体感音響振動は床から伝わってくるようになっている。そして、大型ビデオスクリーン、ビデオ・モニター、高品位質のオーディオ機器(レーザー・ディスク、ビデオ、CD、カセット・デッキ、その他)を備えつけた部屋で、次のような特徴を持っている。
 
  @部屋全体に防音装置が完全である。
  A照明が適当に調節される。
  Bトランスデューサーにより低音域の振動を体に伝達できる。
  C音楽のみならず、高品位映像を投映できる。(大スクリーン、テレビモニター)
  D高級サロン風の部屋であり、患者はくつろいで治療がうけられる。



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ボディソニックルーム

 


老年医学領域


老年期心身症への応用

BSR・テラピー

ボディソニックルーム

老人痴呆の映像音響療法




ボディソニック(株)広瀬輝之 福岡支店長 談

 「初期の頃はBSRとして、当社福岡支店のイベントルームを使用していました。このため、この療法には実感があります。BSRに入っていった患者と、セラピィが終って出てきた患者が別人ではないかと思うことがよくありました。
 最初、患者が来たときは誰の目にもボケそのものなのが、セラピィが終って出て行くときには表情が変わっている。話しかけに対する反応もこれは、さっきBSRに入って行った人とは別人ではないか、と思うようなことが沢山あました。それは受療回数を重ねていくに従って顕著になり、それを目のあたりにして非常に驚いていたものでした」。
 「田中先生はBSR療法を進めるにあたって、映像を含めたソフトの収集、選択と分類などに、非常に多くの手間と時間を掛けていました。本当に周到な準備をされていたのをよく知っていますので、納得することが多いです」。

     (テレビのインタビューに答えて)


BSR(ボディソニック・ルーム)
 老人痴呆の映像・音響療法、ボディソニックルーム・テラピーが行なわれている。

 初期の頃はBSRとして ボディソニック(株)福岡支店のイベン トルームが使用されていた。


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老人痴呆の映像・音響療法

 


老年医学領域


老年期心身症への応用

BSR・テラピー

ボディソニックルーム

老人痴呆の映像音響療法




「老人痴呆の映像・音響療法、ボディソニック・ルーム・テラピー」

  田中多聞(福岡大学医学部非常勤講師、原土井病院デイケアセンター担当医)

 

症例 72歳、女性、血管性痴呆と老人性痴呆の混合型
病歴 昭和61年5月頃、健忘、失見当識、感情易変、興奮で家の近くの医院を訪れた。受診した結果、老人性痴呆と診断され、脳代謝賦活剤、脳循環改善剤、マイナ・トランキライザー、催眠剤を投与された。薬物投与が昭和62年2月末までつづいたが改善されないため、同年3月、私のいる病院に外来として訪れた。初診時に、上記症状の背景には、同居している家族(次男とその嫁たち)との人間関係がうまくいかず、感情的なトラブルが絶えずに、症状が増悪していることがわかった。
 初診時より40日間、週2〜3日間、通院して、面接療法、音楽療法、家族への指導と助言を行なったが、その効果なく、4月中旬に突然、自殺企図の知らせをうけた。

BSR療法

第1回 他の患者2名とグループでスクリーニング用ソフトを提示した。患者は、他の患者よりも反応が速く、多弁であり、問診に対する答も速く、そして比較的に正しい答が多く、心理的な優位性が認められるようであった。患者は、診療室にいる時にくらべて表情が柔和で情緒的に反応していた。
 
第2回 家族の訴えによると、前回のBSR療法後、感情易変、興奮が減少し、無断外出、家族とのトラブルも少なくなり、BSR療法をうけることを楽しみにしていたとのことである。提示ソフト(映像中心)は、美的であり、鎮静的効果が期待されるような数種類を使用した。患者は、「美しい」、「なごやか」を連発し、表情がやさしくなったので、映像を中止して音楽に変え(背景音楽的効果)、面接療法を行なった。 音楽は、リズミカルで楽しい楽曲を使用したが、結果は家族への“心のわだかまり”は解消できなかったので、別室で家族に対し、患者への接し方、態度、症状の理解などについて指導した。
 
第3回 同じ程度の症状の他の患者とグループ療法を行なった。使用ソフトは、背景映像、背景音楽的効果を期待して、面接療法を行なった。患者は、他の患者よりも優位に立ち、映像・音楽の説明、他の患者の質問に答えるような指導的立場に立ち、前回の諸症状が著明に改善した。
 
第4回 面接療法で外国旅行の懐古話が得られたので、ソフトは外国旅行紹介の映像を提示した。患者は、各国の社会的風物に注目し、約60lの正確さで字幕を読み、他の患者へ解説する積極性が認められた。
 本症例はこの後、週1回の通院治療で面接療法を中心に行なったが、感情易変、興奮、地誌的失見当識は著明に、改善した。

まとめ

 老人の難治性脳疾患である老人痴呆は、病理学的検索から大別すると脳血管の硬化(脳動脈硬化)と原因不明の脳実質性変化(萎縮と変性)に起因するものが多い。治療法は脳循環・代謝改善剤および対症療法、終末期までの看護が主なものである。痴呆に著効を呈する薬剤が現在欠けるので、脳のリハビリテーション療法としてBSR療法を試みた。
 
1.目的 感覚刺激療法の一方法である。大脳の前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉を快適に刺激することにより、脳の代償作業(残存機能を刺激することにより、障害された機能を補う)を活性化させることを目的とする。
 
2.方法 痴呆軽度には音刺激(症状に適した)のみで十分であるが、中等度では音刺激に視覚刺激が必要であり、重度では音の振動が効果を表すことを確かめた。
 
3.理論 快適刺激の相乗効果が障害された脳の神経細胞を賦活し、循環を改善させると考えられるからである。つまり音響振動が細胞レベルに機能し、有効であると結論できよう。 


BSR ボディソニック・ルーム

 

 
4.BSR療法の必要条件 治療室の騒音は 40dB 以下に抑える。ボディソニック用ソフト(LD、CDその他)、再生装置 (音楽、音響、映像その他) が高品位質であること。
 治療のパイロットである熟練医、教育されたスタッフが必要である。ボディソニック福岡支店のイヴェントルームで行なった方法を、病院で同じ患者に同一方法で治療を行なった結果、前者が有意に良好な成績を収めたのは治療室、再生装置の優劣に起因するものであった。
5.BSR療法の今後に期待するもの 老人痴呆患者で薬物療法、音楽療法が無効の症例に、静かな治療室 (40dB以下)、高品位質の音楽、体感音響、映像を併用しながら治療(面接療法)を行なうことにより痴呆の進行防止、改善に有効であることを臨床医学的に認めた。作用メカニズム、詳細な理論的究明は今後の研究に期待したい。

引用文献

 田中多聞:「老人痴呆の映像・音響療法、ボディソニック・ルーム・テラピー」
 CURRENT THERAPY 1987,Vol.5,No.10, P107-111

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謝辞

謝 辞

 文献を引用させていただき、また、多くのご教示を頂きました 福岡大学医学部非常勤講師・原土井病院デイケアセンター担当医師の田中多聞先生に厚くお礼申し上げます。
 文献を引用させて頂きました 都立駒込病院心療内科・河野友信先生、そして文献を参照させて頂きました多くの先生方にお礼申し上げます。


参考文献

 永田勝太郎、片山 蘭子、日野原重明:「不安定高血圧治療における体感音響システムの効果」
 音楽療法の研究(第1報)  心身医学26 1986.6
 
 牧野真理子、坪井康次、中野弘二、筒井末春:「うつ状態に音楽療法的接近を試みた一例」
 日本バイオミュージック研究会誌 1987,Vol.1, P61-66
 
 村林信行、坪井康次、筒井末春:「うつ症状の治療に音楽療法を併用した一例」
 日本バイオミュージック研究会誌 1988,Vol.2, P62-68
 
 平 陽一、村林信行、坪井康次、筒井末春:「心身医学領域における音楽療法の試み
 −受動的音楽療法の適用と限界について−」  日本バイオミュージック研究会誌 1989,Vol.3, P31-34
 
 山本晴義:「不登校症に対する音楽療法の活用」
 日本バイオミュージック研究会誌 1990,Vol.4, P29~33
 
 川添 篤: 「音楽教育的心理療法の研究」
 陵 雲 第11号 1990,3月, P90-139  (鹿児島県立甲陵高校芸術科)
 
 筒井末春:「心身症・内科的疾患と不眠」
 日本医師会雑誌 第105巻.第11号 1991,6月 FC16-FC18
 
 河野友信:「音楽療法 −老年期心身症への応用−」
 日本心身医学会誌(心身医学) 1991.Vol.31 P10
 
 村林信行、坪井康次、中野弘一、筒井末春:「頭頸部の不定愁訴に対して音楽療法を施行した一例」
 日本バイオミュージック研究会誌 1990,Vol.4, P49-54
 
 牧野真理子、坪井康次、中野弘一、筒井末春:「摂食障害患者の過食衝動に対する音楽の活用の試み」
 日本バイオミュージック研究会誌 1990,12. Vol.5 P15-18
 
 牧野真理子、坪井康次、中野弘一、筒井末春:「摂食障害患者に対する音楽療法の試み(2)」
 日本バイオミュージック研究会誌 1991,8月 Vol.6, P39-42
 
 小関英邦、東条英明、雨宮 浩、牛山 崇、成田令博、内田安信:「口腔心身症に対するボディソニックの使用
 経験」  日本バイオミュージック研究会誌 1988,Vol.2, P54
 
 荒井康晴、降矢英成、葛西浩史、原節子、村山ヤスヨ、桂戴作、松野俊夫、江花昭一、林 直樹、村上正人:
 「音楽療法 グラフィック・目で見る診断と治療(8)」  心身医療 Vol.1 No.8 1989, P(1119)5-(1124)10


 

第3節 3-9 人工透析、成分献血  ほか  
ボディソニックを使用した音楽療法例(3)
 

 

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