体感音響研究所

ボディソニック効果の探求
目次
第3章 ボディソニック・システムの応用施工例
第4章 期待される体感音響振動の応用





第5章 音楽療法について 健康科学の視点から

序章 情報を持つ体感音響振動こそがボディソニック効果の正体である
第1章 音楽療法とボディソニックの効果
第2章 ボディソニックはなぜ音楽療法に効果があるのだろう

ボディソニックの技術開発
ボディソニックの研究


  bodysonic laboratory


第4章 期待される体感音響振動の応用


第3節 メンタルバイブレーションと振動音楽  

 

    1.メンタルバイブレーションとその応用分野  聴覚障害者への応用「聾学校宿舎用の 非常放送システム

           藤田佐織さんからの感銘深い手紙 「振動で音楽を初て聴くことが出来ました」

    2.振動音楽 バイビック(VIBIC)   ●能動的ボディソニック    謝辞

 

1993年 Muramatsu Planning  

1.メンタルバイブレーションとその応用分野

1.1 メンタルバイブレーション とは

 マインドミュージックなど、ある種の曲は単調でゆっくりした鐘の音や波の音を想わせるような音で成り立っているものがある。リラクセーション、誘眠などに効果がある。
 ボディソニックで、音楽を用いる代りに鐘の音や波の音の感じを抽象化した信号を、電子回路で合成して駆動すると非常に高い効果が得られる。単調で比較的ゆっくりした繰り返しが快く「感性のバイブレーション」 「心のバイブレーション」として、大きな効果が得られる。これを 「メンタルバイブレーション」 と呼ぶ。     
 周波数の変化と組み合せ、エンベロープの変化、リズムなど、いろいろな波形と効果の研究が進むにつれて、リラクセーションや誘眠だけでなく、快活な気分の信号や、「起床」や「非常」に使う、目を覚まし緊迫感を与える信号も開発された。

メンタルバイブレーションが搭載されている
ボディソニック・プラス1




 ★緩やかで深い「揺れる波」
 ★高まりと開放をゆっくり繰り返す「砕ける波」
 ★うねる感じを交互に伴いながらゆっくり揺れる「交互波」
 ★高い鐘と低い鐘が交互にゆっくり鳴る「ふたつの鐘」
 ★身体に深く響くようなうなりを伴って鳴る「うなる鐘」
 ★徐々に盛り上り長い緊張が最高潮に達したとき突然虚脱状態になる「緊張と虚脱」
 徐々に目を覚まし最後は強烈になる「起床」
 火災などの非常事態を知らせる緊迫感のある「非常」

 その他、いろいろな心理生理的効果を与える信号波形が開発されている。

 「揺れる波」「砕ける波」「ふたつの鐘」などの信号波は、自分の鼓動や呼吸を忘れるような非常にゆっくりした周期を持っている。母親が安心して眠っているときの最もゆっくりした穏やかな鼓動に相当するものであり、意識下に残る胎児期の記憶からリラクセーションや誘眠の効果がある。
 また、1/fゆらぎ特性を持つとともに0.04〜0.06Hzに線スペクトルが現れるような構成になっている。このため全体的な感じは、1/f2ゆらぎに近い単調な印象を与え、弛緩を生じ、安堵と休眠に導くような作用をもたらす。

 「起床」信号波は、周期が早くなり、自分の鼓動や呼吸を意識する。このため意識下に残る胎児期の記憶から、落ち着かなくなるような心理的効果がある。また、1/fゆらぎ特性を持ちながら 5Hz付近に線スペクトルが現れる様な構成になっている。
 このため全体的な感じは、1/f0ゆらぎに少し近い様な感じの、やや刺激の強いものとなり目覚し、起床に適した効果を持つ。
 「非常」信号波は、自分の鼓動や呼吸を意識する様な早い周期と激しさが有り、意識下に残る胎児期の記憶から、危険が迫っていることを察知する心理的効果を及ぼす。
 また、1/fゆらぎ特性を持ちながら1Hzと5Hz付近に線スペクトルが現れる様な構成になっている。このため、全体的な感じは、1/f0ゆらぎに近い様な感じを与え「起床」よりも更に刺激の強い緊迫感を与えて目覚めさせ,非常事態を知らせる。

 そのほか、上記の中間的な周期を持つ信号波は、快活、快適、覚醒状態で精神の安定が得られる状態などの心理的効果をもたらす性質があり、それらの信号波もいろいろ開発されている。

聴覚障碍者への非常放送システム     

1.2 聴覚障害者への応用 「聾学校宿舎用の非常放送システム

 聾学校の宿舎に、このメンタルバイブレーションを応用し、耳の聞こえない生徒達に、火災などの「非常」を知らせるシステムが導入されよろこばれている(聾学校では普通の非常放送設備だけでは聴覚に障害があるので役にたたない)。
 このシステムには「非常」だけでなく、日常的な「起床」の他に「食事」「学習」「点呼」「風呂」「就寝」などの信号も搭載されている(体感振動は生徒の部屋のベッドに設置されているボディソニック・ベッドパットによって伝達される)。
 

聾学校宿舎用に設置されている ボディソニック・ベッドパッド。 これに「非常」「起床」などの信号が送られる。

  

        入口から見た宿舎室内         「非常」「起床」などの 信号送出システム

 

リンク メンタルバイブレーションの詳細な説明      

 


感銘深い手紙    

感銘深い手紙

 

 新年を迎えても暗い話題が多い中、仙台営業所へ一通の手紙が届き、その内容に深い感銘を受けました。差出人は23才の聴覚に障害のある女性からでした。当営業所の三浦さんの友人の会社に勤務しているこの女性と、年末にスキーに行き、その帰途に当社へ立寄り、ボディソニック・リフレッシュ1 に座ってもらったそうです。その事へのお礼の手紙でした。ボディソニック・リフレッシュ1に座らせたのは当営業所の千葉君でした。

ボディソニック・リフレッシュ1


 彼から聞きましたら、座らせたのは、それ程深い意味はなく、軽い気持からだったそうですが…。
 驚いた事にその話の女性は、私が昨年TVで見たドキュメンタリーの主人公だったのです。私の記憶ではTVの内容は、ご両親の厳しい教育で健聴者と同じ教育を受けたそうです。バレーボールに魅了され、仙台の東北福祉大(バレーが強く、全日本女子主将・佐藤選手の出身校)へ単身で進学し、寮生活を送りながらバレーボール部に籍を置いていたと記憶しています。TVはその3〜4年間の生活をまとめた内容だったと思います。
 彼女に音楽という未知の世界を知らせる手掛りを提供できた事に、我々一同、感動を覚えました。彼女の了解を得ましたので、手紙を紹介させて頂きます。また、本への掲載も許可を頂きました。

 

仙台営業所長 岩谷朝光     

(ボディソニック株式会社)1993/1/9   

藤田佐織さんからの感銘深い手紙


    振動で音楽を初めて聴くことができました


 

三浦恵子 様
千葉明彦 様

 

 今日は本当にありがとうございました。とても楽しかったです。初めてスキーの上手な人と出会えたこと、そして振動によって音楽を伝える製品の仕事をなさっている人に出会えたことが何よりうれしく思いました。
 アパートに帰ってから涙がなかなか止まりませんでした。こんなに素晴しいものを目にして、言葉ではいい表わせない程のすごい感動を覚えました。
 私は一生、音楽を聴くことはとても不可能だと思っていました。補聴器があっても雑音のような感じがするのです。振動だけでもかまわないから、人の手を借りずに自分で音楽を聴きたい!と心の中でずーっと想い続けていました。
 うちには兄がおりますけど、音楽を聴きながらギターをひいたり休んだりしているのをみて「えーなー」と思っていました(昔の話ですけれども)。
 音楽はとても興味があります。でも聴こえないので良くは分からないのですが、音の大きさというか、大きさ、小ささ、低さ、太さ、細かさのような音ってありますよね。ボリュームというか…、それに関して興味があるんです。
 私、踊るの好きで、一人で音楽を聞きながら踊れたら、もう最高だなと思っています。23年生きて、初めて音楽らしいものを耳にして大変うれしいのです。ありがとうございます。
 
  もう、こんなにうれしいことはありません。
  もう、幸せで、言葉で 言い表わせない程うれしい…!。
  正直言ってうれし涙を流したのは生まれて初めてです。

 私は生まれた時から音を一度も聞いたことありません。生後10ヶ月目に聞こえないことが判りましたけれども、1才〜6才まで、早期教育による発声、言葉の理解など厳しい訓練を受けました。その結果、今、話せるのかもしれまん。小学校から普通校へ。他の聞こえない人は、ほとんど、ろう学校に残りました。
 私は、他の聞こえる人たちと一緒にやりたいという気持ちが大きかったので、普通校へ行かせてくれましたけれど、あの頃は、私は負けず嫌いだったためか、がむしゃらにやってきたので、今思えば、聞こえないために勉強の面で(授業中、特別あつかいはありませんでした。先生は45人の児童に平等に教えました。先生のロの動きはあまり大きくなかったので、口の動きから言葉を読み取ることが難しく、そのため、理解しにくいことが多かったです)。他の聞こえる人に遅れをとらないように予習、復習をいっぱいしなければなりませんでした。本人よりも母の方がずっと大変だったのではないかと思います。
 小学校4年からチピッ子バレー教室に自分から希望して入り、バレーボールを始めましたが最初両親に反対されました。皆と一緒に勉強するのが精いっぱいなのに、バレーをやるともっと大変になると思ったから反対されたのでしょう。
 私は聞こえないという障害をもっていることは解っていましたけれど、聞こえないことがつらいとか苦しいとか悲しいとか思う暇がなかったのです。聞こえる人に負けたくないと必死にやってきたかなという感じです。
 はやくからバレーが上手になってしまって、中学に入るともうトップ選手を目指していました。バレーも好きだったし、死ぬまでバレー人生を送るのかなあと思っていました。でも大学1回生までは順調にいっていましたけれど、2回生の時に体をこわしてしまい、1年近くも。バレーが出来なくなってしまったのです。
 バレーが私にとって、とりえだと思っていただけに体をこわして、すべてがダメになってしまった時のショックは大きかったです。その後、がんばって復帰はしましたが、元には戻れませんでした。もう今はバレーは出来ない体となりました。今の私は自信がないまま生きているんです。だれにも言えないことなんだけれど、本当です。
 今までは、バレーだけはだれにも負けないという気持ちがあって、何があってもがんばれたんだと思いますが、体をこわしてからは、もう自信なんかなくしちゃって、大学の3・4回生は、ずーっと体をだまして無理にプレーをやっていましたけど、その結果、今はもうできないし、前の職も スポーツ関係の仕事で、やはり、肉体的に問題が出てしまい、長くスポーツの仕事には就いていけないと思った時、辞めようと考えて、辞める時、家も出ようと思ったのです。別の生き方をするときに、苦しむ姿を親にみせたくなかったのです。
 それに、知っている街、仙台が大好きだったからこそ、また仙台に戻ってきました。すべてではありませんが、自信をなくして生きている自分を、少しでもいいから自信を取り戻そうと思ってスキーを始めました。目標は大きくもった方がいいだろうと思って、スキーの資格をとってみようと考えたんです。゜
 今のところ、スキーは私にとってストレス解消になるし、唯一の心の安らぎを与えてくれるものだと思っています。笑われるかもしれませんが。
 だれかスキーの上手な人と出会えたらと考えていた時に、石渡さんや千葉さんと出会えてうれしいです。…(中略)…

 ボディソニックを、たまに使用させていただけますか。私、ストレスが溜りやすいタイプであるのか分からないけれども、どこへ行っても、私のことを「すごい人だネ」と言われます。親しい友は別にして、やはり、みんなと一緒にやれるようにがんばるのが当然だし、私のことをただの人間だと思ってくれたらええのにって思うことがあって。
 知らない人と接する時、「聞こえないのによくやるわね」とか「すごいね」とか言われたら、神経質になってしまうんです。やっぱりフツーにみて欲しいって思ってしまうんですよね。
 これからも、どうかよろしくお願いします。ボディソニツク株式会社仙台営業所の営業時間は、何時から何時までですか。
 ボディソニック、すごぐ気に入ってしまいまして、迷惑かけないように考えたいですが、私は火曜か木曜、月3〜4回位ボディソニックで音楽を聴きたいと思っています。…… (以下省略)


藤田佐織    

藤田さんからのコメント

 ボディソニックは、本当に素晴らしいものだと私は思っております。音が聞けなくても、体で聞くことが出来る。体によって音楽を聞く喜びは何とも言えないものがあります。
 音楽を聞くことが出来て、私は本当に幸せだと思っております。音楽を愛する者として、また、耳の聞こえない者として、これ以上うれしいことはありませんでした。最近では聞くジャンルも増え、毎日が充実してます。


リンク 振動音楽 聴覚障害者にも鑑賞の道を開く 新しい音楽の概念    



1.3 健常者への快眠快醒・非常システムへの応用

 このシステムは聴覚障害者だけでなく、健常者にとっても有用である。リラクセーション、誘眠などの信号で快く眠りにつき、起床信号とボディソニックによって快い目覚めの音楽とともに起きる。更に非常信号によって火災、防犯などにもそなえる。
 従来、ベッドは快く眠ることには意が注がれていたが、快醒、非常までは手がまわらなかった。こうしたことを考慮した快眠、快醒、非常システムが出来始めている。

1.4 メンタルバイブレーションの音楽療法への応用

 音楽は好き嫌いがある。音楽を聴くことを好まない人もいる。こうした人達に対してメンタルバイブレーションは音楽療法と同じ様に、リラクセーション、ペインコントロールなどの効果をもたらすことが出来る。
 こうしたことから成分献血、人工透析、末期医療領域などでメンタルバイブレーションが応用されている。


メンタルバイブレーションが搭載され、音楽療法に使用されている医療用BS・ベッドパッドシステム



2.振動音楽 バイビック(VIBIC)

2.1 振動音楽とは

 メンタルバイブレーションによつていろいろな心理的生理的効果を得られることが解り、これをさらに押し進めていくと、振動音楽とでも呼ぶべきものに行き着く。
 信号波の周波数、エンベロープ、周期、リズムなどをさらに効果的に組み合せていくと体感振動によって、音楽にも似た表現力の可能性が開けてきた。その初歩的なものは、実験的に試みている。振動音楽だから音楽になぞらえて 「振楽」 とでも呼ぶべきなのだろうか。
 あるいは MUSIC になぞらえて 「VIRBIC」 とでも呼ぶべきなのだろうか。振動を意味する VIBRATE VIBRATION の VIB に MUSIC の IC を付けて VIBIC である。そこで以降では振動音楽と言わず 「VIBIC」 とし 「バイビック」 と呼ぶことにする。

リンク 振動音楽の詳しい説明      

2.2 バイビックの可能性

 優れた表現力を持つ作品が生まれてくれば、新しい芸術分野が誕生する。現在の音楽は音によるため、聴覚障害者には鑑賞することが出来ないが、バイビックは体感振動なので健聴者も聴覚障害者も同じ様に作曲したり演奏したり鑑賞したりして楽しむことが出来る。これは聴覚障害者に福音をもたらし得るであろう。聴覚障害者がボディソニックによって音楽のほんの一部に触れることだけでも大きな喜びの表情を見せてくれる経験からも言えることである。
 また、音楽療法の場で経験することだが、音楽を聴くことを好まない人もいるが、メンタルバイブレーションは好み、音楽療法と同じ様に使われてもいる。こうしたことから音楽とは異なった愛好者層が出てくる可能性もある。そして音楽療法に対比されるバイビック療法が生まれる可能性は高い。VIBIC THERAPY である。
 多くの才能有る人達によって作られれば、バイビックは実用的なもの、娯楽的なものから芸術的なものまで、多様な作品が生まれることだろう。振動だけに留まらず、音を併用しても勿論良い。

2.3 才能あるクリエーター、アーチスト、エンジニアの参画を呼びかけ

 こうしたことが可能になるためには、まず優れたバイビックが生まれることが必要である。これ迄は、筆者独りがこの研究をしてきたが、これからはより多くの才能を持った人達の参加がなければ叶わないことである。
 優れた作品が生まれてくるためには、新しい分野を切り開く意欲に燃える、クリエイティブな才能を持った作曲家が必要である。そして同じ様に意欲的な演奏家が必要である。
 これら作曲、演奏が出来るためにはそれに必要な機材、楽器、ツールが必要である。バイビック鑑賞用の装置、ツールも必要である。これらのツールを生み出すためには創造的なエンジニアの存在が欠かせない。新しい分野に取り組むことに意欲的な、才能あるクリエーター、アーチスト、エンジニアの参画を呼びかけるものである。
 グループ、研究会などを作り、推進することを提案するものである。


能動的ボディソニックシステム  

 ボディソニックは、音楽再生装置として使われているが、「演奏」の出来るボディソニックの研究が進んでいる。
 ホワイトノイズを音源信号として打楽器的な音の信号を作ったり、入力音楽信号を分析してピッチ成分、その他のパラメータを検出して、音程感のある楽器信号を合成したりして、これをキーボードを叩くことによって体感音響振動を発生可能にしておくことにより「演奏」が出来るようになる。
 この機能をボディソニックシステムに付加することにより、音楽を再生し、スピーカからの音を聴きながら、音楽のリズムに合わせてキーボードを叩くことにより、ボディソニックを演奏しているようなリアクションを得ることが出来、再生のみでは得られない興味や感動、陶酔感を倍加することが出来る。
 体感音響振動の信号源として「再生」と「演奏」の両者を備えておき、これをスイッチによる選択、ミクシングレベル調整器による調整によって「演奏」のみにも「再生」のみにも、あるいは「演奏」と「再生」が同時に行えるようにも任意の設定、選択が出来るシステムとなる。
 音楽療法には「受容的音楽療法」と「能動的音楽療法」があるが、能動的ボディソニックシステムは、「能動的音楽療法」の要素を加味し、その可能性を開くものである。

謝 辞

 感銘深いお手紙を頂き、その掲載を快くお許し下さいました藤田佐織様に深くお礼申し上げます。

 

        第4節 昆虫への応用 − 害虫防徐への可能性 −

 

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