体感音響研究所


医療・受容的音楽療法













ボディソニックの技術開発
ボディソニックの研究
ボディソニック効果の探求

 

  bodysonic laboratory


 

癒しの環境

'97看護部門34)
1997年5月

  

 音楽によって患者の心を癒す試み

   小松 明 日本バイオミュージック学会幹事  全日本音楽療法連盟理事・初代事務局長


 

外科領域1   

外科領域

 

 外科領域では、術前・術後の不安の感和、痛みの緩和と、局所麻酔による術中の不安の緩和、緊張の緩和などがある。

a. 術前不安の緩和

 術前の例では、広島大学医学部付属病院の岡光らによる、子宮摘出術を受ける患者の術前不安の緩和 −体感音響システムによるリラクセーション効果の影響− その117)、その2 がある。
 ベッドパッド方式の医療用ボディソニック(写真5)を使用して、2年間にわたって同じテーマで発表されたものである。女性が子宮を摘出するのは、たいへんなショックと不安、精神的な葛藤、ストレスがあるが、その不安の緩和とリラクセーションの効果をあげている。
 術後の例としては ストーマケア18) などがある。こうした術前術後のケアは、不安や緊張感の緩和が、単なるリラクセーションに留まらず、患者の術後の経過にも好影響を与えている。


 

  写真5 ベッドパッド方式 の 医療用・ボディソニック

  マットレスの上に敷くと、ベッドがボディソニックになる。
  人工透析、外科領域の術前術後、末期医療など、さまざまな
  領域で利用されている。

術中不安の緩和

b. 術中不安の緩和(局所麻酔手術)

       

写真6 ボディソニックを搭載した外科手術台

 上はボディソニックを搭載した外科手術台。
 左はボディソニックを搭載した手術台による術中写真。
             (済生会横浜市南部病院)

 術中では、済生会横浜市南部病院・梅垣らの、意識下で手術を受ける患者へのボディソニックの導入−不安の軽減と安楽を考える−15)、及び、横浜市立大学病院形成外科・西条らの、局麻患者へのボディソニックの応用16)、などの報告例は、手術時の不安や緊張を和らげ、少しでも快適にするため、ボディソニックを搭載した外科手術台(写真6)を使用している。使用する音楽は患者の聴きたい曲である場合が多い。
 全身麻酔の場合はともかく、局所麻酔の場合は意識がはっきりしている分、緊張感も高まる。麻酔をかけているから痛くはないはずなのだが、術中の処置の器具の音や感触のようなものが伝わってきてひどく緊張したり、とても痛いような気がしする。そうした緊張を少しでも和らげることに効果を上げている。また、痛い痛くないに拘らず、手術を受けること自体が緊張と不安を伴うものである。緊張の緩和は、術後の経過にも効果がある。
 以前、西条先生に手術にボディソニックを応用することの効果を伺ったとき「患者の緊張緩和とともに、執刀する我々スタッフも緊張を和らげられるのですよ」と言われたことがとても印象に残っている。緊張するのは患者だけではなく、執刀する医師たちも緊張するのだと、そのとき気づいた。言われてみればもっともだが、手術される側にしかなったことのない者としては とても印象に残った言葉であった。                                    歯科

歯 科

 歯科では、愛知学院大学齒学部・黒須らの、ボディソニック(体感音響装置)の歯科領域への応用19)がある。処置中の痛みや緊張感という点では、歯科は外科領域より身近であり、歯の治療というだけで痛さを連想する人が多い。大体は麻酔なしで処置するし、歯科は治療を受けている人が多いく、治療回数も多い。

写真7 ボディソニックを搭載した歯科診療
    装置 モリタ製作所製  スペースライン

 愛知学院大学齒学部・黒須らの小児歯科学会に於ける発表30)31)が興味深い。小児歯科の場合、患者が不安や恐怖心から泣きわめくなどして治療を拒むと、どれほど優れた医療技術もなす術を失ってしまう。従って不安や恐怖心を取り除き痛みを和らげることは切実かつ重要な問題である。黒須らはボディソニックを歯科診療台に取り入れて、この問題の解決をはかり好結果を得た。
 不安、恐怖心、痛みの緩和の必要性は小児に限らず大人も変わらない。そうしたことから、この発表を受けて、ボディソニックを搭載した歯科診療装置をモリタ製作所が生産し、歯科医院で使用されている(写真7)。使用する音楽は患者の好む曲を使用する場合が多く、患者自身が持参したテープを使用する例もある。
 その他、福岡らの、音楽体感による心身のリラクセーション誘導による歯科治療時の緊張感の除去効果について32)や、歯科領域と心身医学領域にまたがる例として、小関らによる、口腔心身症へのボディソニックの使用経験33)などがある。
 

参考文献

15) 村山正子、小熊由美、梅垣いつみ:意識下で手術を受ける患者へのボディソニックの導入 
    −不安の軽減と安楽を考える−  日本看護学会 第20回 成人看護(青森) 1989, P199-202
16) 大場とも子、西条、前川、青木、佐々木、岡部、菊地:局麻患者へのボディソニックの応用応
   日本バイオミュージック研究会誌 1989,Vol.3, P49
17) 岡光京子、佐藤禮子:子宮摘出術を受ける患者の術前不安の緩和(その1)
   日本看護学会、第19回 成人看護(島根) 1988, P81-83
18) 榎澤美紀、角川佳子、岩谷房子、近藤ヨウ子、宮崎加奈子:人工肛門造設患者の術
   前術後における精神的、肉体的慰撫の試み −体感音響システムの活用−
   日本ストーマ学会誌 1993,12月 Vol.9,No.2,P11-P17
19) 黒須一夫、土屋友幸:体感音響装置(ボディソニック)の歯科領域への応用
   日本バイオミュージック研究会誌 1991,8月 Vol.6, P72-83
30) 黒須一夫:歯科用体感音響装置の小児への応用効果
   第24回日本小児歯科学会 1986,5月
31) 土屋友幸、山田ゆかり、黒須一夫:歯科用体感音響装置の小児への応用効果(2)
   内部行動変化 第25回日本小児歯科学会 1987,6月
32) 福岡博史、小山悠子、畑真理子、福岡 明:音楽体感による心身のリラクセーション誘導による
   歯科治療時の緊張感の除去効果について 日本歯科東洋医学会誌 1989,Vol.7, P80-81
33) 小関英邦、東条英明、雨宮 浩、牛山 崇、成田令博、内田安信:口腔心身症に対する
   ボディソニックの使用経験 日本バイオミュージック研究会誌 1988,Vol.2, P54-55


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