体感音響研究所


ボディソニックの
技術開発、製品例












ボディソニックの技術開発
ボディソニックの研究
第1章2節 体感音響振動の効果

 

  bodysonic laboratory


 

ボディソニック・システム(その2)
 
音楽療法に応用されている機種、及び関連機種など

 

ボディソニック(株)研究開発センター 小松 明  

 

1988年4月 日本バイオミュージック研究会誌7)  

緒 言

 声を出している人の背中に触ると、驚くほど声の振動が手に伝わってくる。身体は約70%が水分である。水は空気より振動をよく伝えるので、胎児は母親の声や鼓動など、胎内音を体感音響振動を伴った音として聴いている。産まれたばかりの赤ちゃんは、母親に抱かれて声や鼓動が振動とともに伝わると安心する。成人しても意識下には胎児期の記憶が残っており、似たような状態におかれると安心したりリラックスする。
 音楽聴取時、音とともに音楽振動(情報を持つ体感音響振動)を適切に付与すると、リラクセーション効果をもたらす。陶酔感・恍惚感を高め、音楽の印象や感動を深める。この特性は、受容的音楽療法をより効果的にするもので、日本バイオミュージック研究会に於ても、取り上げられている1)2)
 ボディソニック・システムは、科学万博のようなビックイベントの大規模なシステムから、個人ユースのものまで、その応用は多方面に渡っているが、ここでは主として音楽療法に応用されている機種、及び関連機種について紹介し、音楽療法への応用の参考に供したい。
 尚、ボディソニックの技術的背景、効果の説明などについては、他の文献3)4)にゆずる。

1.ボディソニック・リフレッシュ1

ボディソニック・リフレッシュ1

ディソニック・リフレッシュ1

 日本バイオミュージック研究会でもしばしば取り上げられ、昨年('87年)6月23日、NHK総合テレビ「クローズアップ」で紹介・放映され、音楽療法への応用システムとして馴まれている機種である(写真1)。
 特殊な椅子の形式、無段階リクライニング機構を備えているので、起きた姿勢から寝た姿勢まで任意のポジションにセット可能である。このため、療法、状況に最も合った姿勢が得られる。
 頭部には、角度、位置が調整可能な薄形のスピーカが付いているので、座高に合わせて、最も音響効果の高い位置にスピーカをセット出来る。さらに、頭部には開閉のできるフードがあるので、これを下ろせば囲りの環境から心理的に遮断された状態が得られ、より深く音楽に没頭しやすくなる。椅子の右手ひじかけ外側にカセットデッキが装備されている。音源は上記カセットデッキの他、ステレオセットや有線放送の外部信号を接続できるようになっている。

2.ボディソニック・ベッドパッドシステム

 寝た姿勢でもあり、最もリラックス効果の高いシステムである。ベッドのマットレスの上に敷くだけでベッドを体感音響化できる、ベッドパッド形式のシステムで、病院用ベッドに合わせたサイズになっている。(もちろん、通常のベッドのサイズに作ることも出来る)(写真2)
 パッドの中には図2に示されるような配置で振動トランスデューサ・SCP−6018が16ケ取り付けられている。この配置は膨大な実験、試作、試聴をくりかえした結果得られたもので高い効果が得られるようになっている。
 スピーカは、写真で見られるごとく、薄形のスピーカシステムを通常は枕の上部に置く。スピーカシステムの上に枕をのせるだけで、簡単にスピーカをセッティングできる。位置は枕の上部だけでなく、左右にもセット可能である(写真3)。表面は、やわらかい布と、やわらかいウレタンで出来ているので、寝がえりをうっても、図1に示すように、スピーカは倒れるし、表面がソフトなので安全である。
 駆動用のAMPには、自然な振動感の得られりNモードと、静かで深い振動感の得られるSNモードの2ポジションがあるので、好みや状況、音楽の種類などによっても、より高い効果が得られる。この他にメンタルバイブレーション機能(メンタルバイブレーションの説明参照)を「揺れる波」「砕ける波」「断続波」「二つの鐘」の4波を搭載しているので、応用の幅はさらに広いものとなっている。

 ボディソニックもメンタルバイブレーションも、たいへん快いので、寝てしまうことが多い。このためタイマーが内蔵されていて、音楽信号が20分以上途切れた場合(例えば、テープが終わった時)自動的に電源をOFFにする。
 メンタルバイブレーションも、20分間たつと自動的に電源が切れるようになっている。
  

ボディソニック・ベッドパッドシステム

 ベッドのマットレスの上にボディソニック・パッドを敷き、バンドで固定、枕上部にスピーカは可撓性連結板の上に枕を載せるだけで簡単にセットできる。


     上図に示すボディソニックトランスデューサは全て SCP-6018 を使用

3.ボディソニック・プラス1

 “ボディソニック・プラス1”とは、ボディソニックにメンタルバイブレーション(感性振動)機能を付加したことによる品名である。電気的性能が、高機能、高性能になっているのが大きな特長で、下記の性能を装備している(写真4)。

3.1 ボディソニック部

1.自然の振動感の得られる「N」モード
2.自然で少し深みのある「NS」モード
BODYSONIC PLUS 1 with Mental Vibratioh3.静かで深い振動感の「SN」モード
 上記のように「ボディソニックトーン」を3ポジション装備しているので、好みや音楽の種類によって選択でき、より高い効果が得られる。
       ボディソニック・プラス1

3.2 メンタルバイブレーション(感性振動波形)部

 「揺れる波」「砕ける波」「うねる波」「断続波」「ふたつの鐘」「唸る鐘」の6波を内蔵してい
るので、好みや、体調、気分、状況に合わせて選択、体感できる。

 椅子は、全身を横たえ、ゆったりした姿勢のとれる特殊形状で、ガススプリングによる無段階リクライニング機構を装備している。このため、起きた状態から、完全に寝た状態まで、リラックスした姿勢がとれる。クッション内部には 図3に示す配置で、振動トランスデューサ SCP-6018 が16個 埋め込まれている。
 ベッドパッドと配置が異なるのは、ベッドと椅子では、姿勢も異なるし、構造の違いによる物理的振動特性が異なるためである。

ボディソニック・プラス1

 

メンタルバイブレーション(感性振動波形)  

 マインドミュージックなど、ある種の曲は、単調でゆっくりした鐘の音や波の音を思わせるような音で成り立っているものがある。心を鎮めたり、リラクゼーション、誘眠などに効果がある。そこでボディソニックに、音楽を用いる代わりに、鐘の音のような感じや波の音のような感じのする電気信号を電子回路で合成発生して駆動すると、非常に高い効果が得られる。
 音源信号が音楽による場合は、曲によっては必ずしもボディソニックの良い効果が得にくいものもあるが(低音成分が少ない場合)、電子回路により合成する場合は最大限の効果を発揮させることが可能である。単調で比較的ゆっくりした繰返しが、快く、[感性のバイブレーション][心のバイブレーション]として、たいへん大きな効果が得られる。これを[メンタルバイブレーション]と呼ぶ。
 特に振動トランスデューサを多数内蔵し、その配置に充分な考慮がはらわれ、ハイパワーアンプで駆動して全身に振動を伝えている、ボディソニック・ベッドパッドや、ボディソニック・プラス1で、最大限の効果が発揮される。

 * ゆるやかで深い「揺れる波」
 * 高まりと解放をゆっくり繰返す「砕ける波」
 * うねりを伴いながら、ゆっくり揺れる「うねる波」
 * 高い断続と低い断続を長い周期で繰返す「断続波」
 * 高低を交互に繰返し身体を揺さぶるような感じの「交互断続波」
 * 高い鐘と低い鐘が、交互にゆっくり鳴る「ふたつの鐘」
 * 身体に深く響くような、うなりを伴って鳴る「うなる鐘」
 * 長い緊張が最高潮に達したとき突然、虚脱状態になる「緊虚」
 * 揺さぶりを伴う緊張が最高潮に達したとき突然、虚脱状態になる「揺・緊虚」
 * 静かで深い「連続波」

  

   などのメンタルバイブレーション信号波が開発されている。

   
   ボディソニック・プラス1

  

リンク メンタルバイブレーションの詳細な説明     

4.ボディソニック・ルーム(BSR)

 床面に振動トランスデューサを内蔵(ボディソニックフロア)させた室に、大型ビデオスクリーン、ビデオモニタ、高品位のオーディオ機器(レーザーディスク、ビデオ、CD、カセットデッキその他)を備え付けた部屋を、ボディソニックルームと呼び、ここで高齢者認知症の音楽療法・ボディソニックルームテラピーが行われている5)

 ボディソニックルームは、ボディソニックの特質に加え、下記の特長を備えているので、音楽療法の場として、効果を上げている(写真5)。

 1.部屋全体の防音が完全である。
 2.照明が適当に調節出来る。
 3.ボディソニックフロアにより低音域の振動を身
   体に伝達できる。
 4.音楽のみならず、高品位映像を投影できる。
   (大スクリーン・テレビモニタ)
 5.高級サロン風の部屋であり、患者はくつろい
   で治療が受けられる6)

ボディソニック・ルーム(BSR)

 老人痴呆の映像・音響療法 ボディソニック ルーム テラピーが行なわれている。

5.ボディソニックを搭載した歯科診療装置

 歯の治療と云えば「痛い」と連想する程である。この痛みや恐怖感を和らげるために、歯科に於てはBGMの応用が普及している。これをさらに積極的におしすすめ、歯科診療にボディソニックを応用する学術レベルでの研究がすすめられている。
 これを受けてモリタ製作所から、ボディソニックを搭載した歯科診療装置「スペースラインスピリット」が製品化された(写真6)。
 ヘッドレスト部に小型スピーカが埋込まれているので、遠くのスピーカから聴えるBGMより、格段高い効果を生む。そして、ベッド部には振動トランスデューサ SCP-6018 が8ケ埋込まれている。音源は有線放送とカセットデッキによるものが標準。オプションでビデオなども接続できるようになっている。
 リモコンが付いていて、音量、インテンシティ(振動量)、電源などの操作調整は患者が行えるようになっている他、ドクターが患者に話しかける時のためのミューティングスイッチ(音量を小さくする)は、ドクターが操作するようになっていて、診療の現場での対応に配慮がはらわれている。
  

           ボディソニックを搭載した歯科診療装置

               スペースライン・スピリット(モリタ製作所)

6.その他の装置

 美しくなるためには体の表面の施術だけでは不完全で、心の内部から健康で美しくならねばならないといわれる。こうしたことから美容関係にもボディソニックは導入されている。写真7はエステティックベッドにボディソニックパッドを装置したものである。
 フェイシャル(美顔)、ボディ(全身美容)など、女性が裸の状態で長時間、施術を受けるので、その構造、振動トランスデューサの配置には、特別の配慮が要求される。多数の試作とサロンでの実試用を繰返し、エステティシャンの助言と監修を経て完成した。振動トランスデューサの配置図を図4に示す。駆動アンプには、ボディソニックとメンタルバイブレーション機能が搭載されている。
 エステティックに於いては、施術と施術の間、薬品の効果の進行を待つために、長時間じっとしていなければならないことが多い。このため、ボディソニックは好評で、ここち良いために寝てしまうお客さんが多い。

  
エステティックベッド用ボディソニックパッド

 エステティックベッドの上に敷き、付属のバンドで固定する。
 頭部に黒く見えるのがスピーカ、スピーカはパッド内に埋め込まれている。


 筆者は医学は専門外であり、間違いがあるかも知れないが、上記の装置は、形を変えれば医療の場でも応用の道があるのではないか?。例えば、手術台などに合うようにして、術前の患者の不安を和らげるとか、リラックスすれば、麻酔がかかりやすくなるとか、局所麻酔の場合なら音楽を聴かせながら手術を行ない(耳のすぐそばにスピーカがあるので小さな音でも効果がある)不安を和らげるなど可能性はないだろうか。

 健康器具的な例としては、日立製のボディソニック搭載ホット座イス、FZ-1000がある。これは、座イスに波長が4〜100ミクロンの人体の皮膚に最もよく吸収され皮下組織を刺激し体の芯まで温める遠赤外線ヒータを内蔵したもので、これに、さらにボディソニックをも搭載している。背もたれの耳の近くにはスピーカが埋込まれ、腰部と座部に振動トランスデューサが内蔵されている。ボディソニックAMPは肘掛け内部に装着されている。心身共に健康になる暖房器具としての一般向け製品である。
 この他、パイオニアから一般用として、イス形のボディソニックシステム・BSS−AV7など、数機種が発売されている。

結 言

 以上、ボディソニックを主としてハードウェアの面から紹介したが、音楽療法への応用にいくばくかの参考になれば幸いである。


参考文献

1)牧野真理子、坪井康次、中野弘二、筒井末春:うつ状態に音楽療法的接近を試みた一例
  日本バイオミュージック研究会誌、1987年 Vol 1、P61-66
2)日本バイオミュージック研究会報、1987年7月25日、第5号より
 ・富田和己、谷晋 二、加藤 敬、西嶋加寿代、高木俊一郎:
  小児心身症・神経症への音楽療法(第1報)
 ・岡部俊一:皮膚 痒症の音楽療法
 ・岡部真理子、坪井康次、筒井末春:肩関節痛に対する音楽療法的アプローが奏功した一例
 ・田中多聞:老人疾患の音楽療法 BSRの効果
 ・小関英邦、田中ネリ、内田安信:口腔心身症に対するボディソニックの臨床的研究
3)小松 明:身体で聴く音響装置、ボディソニックシステム
  日本オーディオ協会誌、JASジャーナル、1981年6月号、P54-60
4)小松 明:ボディソニック・システム
  日本バイオミュージック研究会誌 1987年 Vol 1、P93-104
5)田中多聞:老人痴呆の映像・音響療法、ボディソニック・ルーム・テラピー
  カレンテラピー誌、1987年 Vol 5 No.10 P107-111
6)文献5)の文章を一部引用
7)小松 明:ボディソニック・システム
  日本バイオミュージック研究会誌  1987年 Vol 2、P76-82

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